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ーコラムー
相続税の納税
税理士監修記事

【相続税シミュレーション】総額から相続税が増減する3つの理由-正確な課税額が知りたい方へ

公開日:2021.1.5 更新日:2021.01.05

日本クレアス税理士法人では、30秒ほどの入力で相続税の総額が分かる相続税シミュレーションページを公開しています。

この結果で注意が必要なのは、表示される相続税の総額は、資産そのものの状況や、相続人の年齢と障害の有無などの要素を加味し、減額できる可能性があるということです。また、シミュレーション開始時の情報入力を見直すだけで「実際にはもっと少ない課税額で済む」と分かる場合も考えられます。

反対に、上記と同じような理由で、シミュレーション結果よりも高い額で課税される可能性もあります。

今後のために正確な課税額が知りたいと考える人へ、シミュレーション結果には反映されていない「相続税を増減させる要素」について紹介します。

1.相続税の計算の流れ

相続税シミュレーションの結果ページでは、下記①~③の各段階に分け、実務に準じた方法で相続税を算出しています。相続税総額が増減する理由を押さえるため、まずは各段階で行っている計算について詳しく解説します。


①課税価格の計算

シミュレーション結果①では、死亡時点で残されていた財産をベースに「相続税の課税対象になる金額」を算定しています。

計算では「亡くなった人名義の債務」や「葬儀費用」などは非課税扱いにして控除します。反対に、一定期間内の生前贈与などは課税対象として算入します。

課税対象に含まれる資産の一部は、補正率や税制上の優遇を駆使することで評価額を減らせます。


②課税遺産総額の計算

シミュレーション結果②では、非課税枠である「基礎控除」を①から差し引き、課税計算の元となる金額を確定させます。

基礎控除はどんな相続ケースでも無条件で適用できますが、金額は相続人の数に応じてあらかじめ決まっています。したがって、法定相続人情報の入力(Step1)に誤りがなければ、この項目で相続税総額が増減することはありません。


③相続税総額の計算

シミュレーション結果③では、課税遺産総額を法律で決められた取得割合(=法定相続分)で分割したものと想定し、相続人ごとに課税額を計算しています。ここで計算できた課税額を合算したものが「相続税総額」です。

このステップでは、相続人の状況(※年齢や障害の有無)により、個別に税制を適用して課税額を軽減できる場合があります。

1-2.相続税総額を増減させる3つの要素

税理士による試算額(もしくは実際に申告した際の納税額)は、ほとんどの場合シミュレーション結果と異なります。個別の相続事例では、下記3要素のうちいずれか、もしくは複数の要素が加味されるからです。

【相続税総額を増減させる3つの要素】

  • 相続財産を評価するとき、資産ごとに正しい方法を使っているか →「財産の評価方法」
  • 「課税対象になる財産」を正しく把握しているか →「課税対象になる財産の判定」
  • どの「税額軽減に繋がる制度」を適用できるか →「税額軽減に繋がる制度」

それでは、以上3つの「相続税総額を変化させる要素」とは、具体的にどのようなものでしょうか。シミュレーション結果と実際の課税額との間に差が生まれる理由として、それぞれ解説します。

2.課税額を増減させる理由:財産の評価方法

相続する財産には、預貯金、不動産、株式…とのように様々な種類があります。これらの資産が課税対象になるときは「財産評価基本通達」で指定された方法に従い、評価額がいくらになるのか調べなければなりません。

シミュレーション開始画面のSTEP2で入力した金額が、上記通達とは違う方法で算定されたものである場合、実際の課税額よりも多い(もしくは少ない)結果が表示されます。

ここでは「相続財産の評価方法」が原因で実際の課税額とは異なるシミュレーション結果が出る例のうち、代表的なものを紹介します。

2-1.取引した時の価値で評価している>

財産評価基本通達では、どの財産でも「時価」つまり亡くなった時点での価値で評価すると定められています。預金・現金を除くほぼ全ての資産が時間経過とともに価値変動する点から、どの時点の価値を課税対象として扱うかによって税額が増減します。

【よくある例】含み損のある株式を、生前最後に売り注文を出した時の値段で評価している

→上場株式(※証券取引所で売買できる株式)も例外なく時価評価が原則ですが、性質上「あるタイミングでの価値」が分かりにくいのが難点です。そこで相続税の計算では、亡くなった月・亡くなった月の前月・亡くなった月の前々月の「毎日の終値の平均額」を比較し、3つのうち一番低い額で評価します。以上の点から、このケースではシミュレーション結果より減額される可能性があります。

2-2.土地を正しく評価できていない

相続税が課税される土地は「路線価方式」もしくは「倍率方式」で評価すると定められています。

また、同じ地域の土地であっても、その価値は一定ではありません。形状や面積、傾斜の度合い、さらに被災リスクの有無によって「活用方法に著しい制限がかかる」ことを理由に、同じ地域の他の土地よりも価値が低くなる場合があるのです。

以上の2点を考慮していないことが原因で、亡くなった人名義の土地の評価額が実際よりも高くなり、シミュレーション結果も税理士が試算する課税額より高くなってしまうケースがあります。

【よくある例】「不動産業者の査定価格」で課税計算している

→土地建物に相続税がかかる時の評価額は、売買する時の価格より低くなります。このケースでは、シミュレーション結果より減額される可能性があります。

3.課税額を増減させる理由:課税対象になる財産の判定

相続税の課税対象には、債務や形のない財産(知的財産権やゴルフの会員権)のほか「親族名義ではあるものの実質的に遺産として扱われるもの」も含まれます。

同じく、シミュレーション開始画面のSTEP2で「亡くなった人名義かつ金銭的価値があると一目で分かるもの」だけを入力していると、実際の課税額より低い結果が表示される可能性があります。

ここでは「課税対象として扱われる資産か同化の判断」が原因で課税額が増減する例のうち、代表的なものを紹介します。

3-1.把握している相続財産に漏れがある

亡くなった人の所有物は「財産的価値のあるもの」であれば全て課税されます。より正確な課税額を知るには、相続税関連法に沿って課税対象になるものを漏れなくリストアップし、計算に含めなければなりません。

【よくある例】「へそくり」の存在に気づかないまま課税額を計算した

→相続事例の中には、生前秘密にしていた財産が存在するケースもあります。貸金庫がないか、無通帳口座や家族にすら打ち明けていない預金取引がないか確認した結果、新たに遺産が見つかって相続税が増額される可能性があります。

【よくある例】自家用車や収集品の価値を計算外にしていた

→自動車や自宅に残された家財やコレクション類も、価値があれば相続税の課税対象です。遺品の価値を丁寧に調べた結果、今後課税額が増える可能性があります。

3-2.「親族名義の財産」が課税対象として扱われている

相続税の課税対象は、名義ではなく「亡くなった人の収入で形成されたものか」「亡くなった人の権限で管理処分できていた状態か」などの実質で判断します。親族名義の財産であっても、相続税の申告時には課税対象として扱う必要性が生じ、シミュレーション結果よりも税額が増える可能性があるのです。

【よくある例】直近の生前贈与を相続財産としてカウントしていない

→「相続開始前3年以内の贈与財産」は、相続税の課税価格に含める必要があります(相続開始前3年以内の贈与加算の注意点!)。自分でシミュレーションした際に見落としがあった場合、最終的に相続税が増額される可能性があります。

【よくある例】子や孫名義の預金を相続財産としてカウントしていない

→たとえ親族名義の口座に入っていても、亡くなった人の収入から預け入れられ、かつ入出金も亡くなった人が行っていた場合は「名義預金」として課税対象になります。(名義預金とみなされるのはどのようなとき?)見落としがあれば、やはり相続税が増額される可能性があります。

【よくある例】夫婦共有口座の残高を相続財産としてカウントしていない

→家族間で生活のため共有していた口座は、存命の親族が名義人であっても、預入残高のうち「亡くなった人の収入」に当たる部分は課税対象です。見落としがあれば、同じく相続税が増額される可能性があります。

特に見落とされやすいのは「名義預金」や「夫婦共有資産」です。

とはいえ、個別のケースで課税対象になるかどうかは、これまでの利用状況を実例に当てはめて判断します。より正確に課税額を計算する上では、同様のケースを多数扱う専門家による診断が必要です。

4.課税額を増減させる理由:税額軽減に繋がる制度

相続税シミュレーションの結果で表示される①(課税価格の計算)と③(相続税総額の計算)では、要件を満たす各種税制を適用することで、課税対象になる金額や税額を軽減できます。税理士のサポートなしで申告手続きするケースには、上記のような制度の適用が漏れていることが原因で「過大申告」になっているものが多くあります。

以下では、相続税総額が増減する3つ目の原因として覚えておきたい税制について「相続人を対象にするもの」と「特定の資産を対象とするもの」の2つに分けて紹介します。

※各種税制の適用要件には「国外居住者のみ対象にする」等の細則があります。個別ケースでの適用可否は自己判断せず、必ず専門家に相談してください。

4-1.特定の相続人を対象とする制度

配偶者が相続する場合、取得額のうち法定相続分を非課税とする「配偶者の税額の軽減」があります。続柄が子・孫・父母・兄弟姉妹などにあたる人であっても、未成年者や障害者など経済的基盤に不安のある人に関しては、その年齢に応じて課税額が軽減されます。

【表】特定の相続人を対象とする税制(一例)

制度の名称 適用要件 税額軽減の内容
障害者の税額控除 相続人が85歳未満の障害者である場合 対象者の課税額から「10万円×満85歳になるまでの年数」※を控除
未成年者の税額控除 相続人が未成年者である場合 対象者の課税額から「10万円×成人するまでの年数」を控除
配偶者の税額の軽減 配偶者が相続した場合 対象者の取得財産のうち法定相続分相当(最大1億6千万円)を非課税扱いにする
相次相続控除 亡くなった人が「相続開始前の10年以内」に相続によって財産を取得し、その際に税を負担していた場合 「前回相続時の課税額のうち、1年につき10%の割合で逓減した額」を今回の相続税から控除
外国税額控除 海外で相続税に相当する税金を払った場合 「外国で支払った税額(円換算)」と「日本でかかる相続税のうち、取得財産に占める在外資産の比率に相当する額」を比較。 上記いずれか少ない方を課税額から控除

※特別障害者の場合は「20万円×満85歳になるまでの年数」に増額。

4-2.特定の相続財産を対象とする制度

居住や事業の用途で使われている不動産に関しては、課税評価額を最大で80%減額する「小規模宅地等の特例」があります。その他の家業に必要な資産に関しても、後継者の税負担を減らすための制度が設けられています。

【表】特定の相続人を対象とする税制(一例)

制度の名称 適用要件 税額軽減の内容
小規模宅地等の特例 ●配偶者や同居親族が居住用の宅地等を相続する場合(①特定居住用宅地等)
●事業の用に供されていた宅地等を相続し、申告期限まで継続して営業する場合(②特定事業用宅地等・③特定同族会社事業用宅地等・④貸付事業用宅地等)
①:課税評価額を80%減額(限度面積330㎡)
②・③:課税評価額を80%減額(限度面積400㎡)
④:課税評価額を50%減額(限度面積200㎡)
農地の納税猶予 農地法で定める特例農地等を相続し、営農する場合 営農継続中は、農地にかかる相続税の納税を猶予(※後継者死亡等の所定要件を満たせば免除)
事業承継税制 承継する事業について都道府県知事に届け出て、認可された場合 事業継続中は、自社株または事業用資産にかかる相続税の納税を猶予 (※後継者死亡等の所定要件を満たせば免除)

表で一部紹介した税制を実際に利用できるかどうかは、相続しようとする資産やその活用予定に基づいて判断します。個別のケースでは、専門家によるきめ細かい診断が役立ちます。

5.課税額をシミュレーションしておくべき理由

相続税は現金納税が原則ですが、遺産を譲る人やもらい受ける人に十分な手元資金があるとは限りません。課税額の目途も税対策もまったくないまま相続を迎えてしまうと、降ってわいた多額の支払いに苦慮し、最悪の場合はせっかく受け継いだ遺産を処分することになってしまいます。

特に、不動産や有価証券など「換金性の低い高額資産」を中心に相続するケースでは、納税資金不足に悩まされがちです。

以上のようなトラブルは、富裕層だけでなく、持ち家や老後資金を除いて目立った資産のない「ごく普通の家庭」でも起こります。 いざという時にスムーズに申告と納税を済ませる上で、前もって節税策を検討し、資金確保を心がけておくと安心です。そのための第一歩こそ、シミュレーターや専門家への相談を駆使した「相続税の試算」です。

6.相続税の試算は税理士に任せるのが確実

相続税シミュレーションはあくまでも概算であり、ケース毎にある「増減につながる要素」までは加味していません。より正確な課税額については、プロに資産状況や家族構成を伝えて計算してもらうのが確実です。

相続は「専門家と接する生涯初めての機会」になりがちです。
「どんな悩みに対応してもらえるのか分からない」「費用が高くつきそう」と不安を抱く人にも相談機会を広めるため、ほとんどの税理士法人で無料相談に対応しています。まずは気軽に相談し、相続税対策の第一歩を踏み出してみましょう。

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