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ーコラムー
税負担の軽減

相続税の控除のまとめ

公開日:2017.10.16 更新日:2019.07.16

相続税は亡くなった被相続人の財産(遺産)を相続により受け継ぐ際に、一定の金額を超えるとかかる税金です。

相続には「法定相続」、「遺言書による相続」、「生前贈与」などが該当しますが、遺産の全てに税金をかけてしまうと、残された家族の中には生活に困ってしまう人も出てくるかもしれません

そこで相続税ではいくつかの「税額控除」を認めることで、過度な相続税の徴収ができないようになっています。相続税における税額控除の種類と内容を解説します。

相続税には誰でも利用できる基礎控除がある

相続税の基礎控除は相続するにあたり、誰もが利用できる控除です

相続税の基礎控除は相続するにあたり、誰もが利用できる控除で、法定相続人の数によって金額が規定されています。

相続税の基礎控除額=3,000万円+600万円×法定相続人の数

基礎控除は上記した計算式で導かれ、法定相続人の数によって控除額が増減します。

法定相続人は実際に財産を相続する人で、妻と子供が2人いるケースでは3人が法定相続人です。基礎控除は税額控除ではなく、課税遺産総額を算出する際に差し引いて計算します。つまり、課税遺産総額が少なくなると、相続税も少なくなり、マイナスになると相続税は課税されません。

相続税の基礎控除の例

Aさんは妻Bと子供C、Dの4人家族です。Aさんが交通事故で急死した時に、彼の遺産は5,000万円でした。基礎控除は4,800万円(3,000万円+600万円×3人)なので、相続税がかかる課税遺産総額は200万円(5,000万円-4,800万円)でした。


このように5,000万円の相続であっても、基礎控除を利用することで、200万円の相続しか申告する必要はありません。基礎控除額が課税遺産総額を超える場合には、相続税の申告は不必要です

日本では基礎控除により実際に相続税を支払っている人は、全体の10%未満であり大部分の相続が基礎控除内に納まっていることが解ります。

配偶者は相続税が大幅に軽減される

例えば東京の中心に昔から住んでいて、自宅の名義である夫が亡くなったら自宅は妻が相続することになります。もう築50年の自宅はボロボロですが、土地の評価が高いことからこのままでは8,000万円もの相続を行うことになり、基礎控除を差し引いても多額の相続税を支払う必要性が出てしまうでしょう。

そこでこのような問題を起こさないように、被相続人の配偶者に対して配偶者控除(配偶者の税額軽減)特例があります。この税額軽減特例の特徴は以下の通りです。

  1. 遺産が1億6,000万円までの相続
  2. 法定相続分相当額までの相続

このどちらかに該当する場合では、配偶者に相続税は課税されません。

簡単に説明すると配偶者は、1億6,000万円までの相続か、法定相続範囲内であれば相続税は必要ないことになります。

前述した例では、子供が1人いたとして基礎控除額が4,200万円です。8,000万円から基礎控除額を差し引くと3,800万円の相続案件なので、全てを妻が相続したとしても、配偶者の税額軽減により相続税は必要ありません。配偶者の税額軽減特例を利用するには、相続税の申告が必要になるので注意しましょう。


ここまでは相続税の基礎控除配偶者の税額軽減特例について解説しました。この2つの制度は該当するかたも多いかと思いますので、ぜひ要点を確認してみてください。 ここからは相続人に未成年者や障害者がいる場合連続した相続が発生してしまった場合に利用ができる制度を確認していきます。

未成年者の相続には未成年者控除がある

相続人が未成年者の場合には、未成年者控除を利用できます

子供など相続人が未成年者の場合には、相続税の未成年者控除を利用することができます。基本的な適用要件を紹介します。

  • 相続開始時点で20歳未満
  • 相続人であること

未成年者控除額=(20歳-相続開始時点の年齢)×10万円

子供が10歳の時に父親が死亡したケースでは「(20歳-10歳)×10万円」になるので、100万円を相続税額から差し引くことができます。また未成年者控除額が未成年者の相続税額よりも多く、控除しきれない場合には、該当未成年者の扶養義務者の相続税額から残りを控除することができます。

相続人が障害者の場合には障害者控除が利用できる

相続人が障害者の場合、相続税の障害者控除が適用されます。障害者は「一般障害者」と「特別障害者」に区分されて控除額に違いがあります。

各区分の定義

  • 一般障害者:身体障害者等級3級~6級、精神障害者等級2級~3級など
  • 特別障害者:身体障害者等級1級~2級、精神障害者等級1級など

区分別の控除額

一般障害者の控除額=(85歳-相続開始時の年齢)×10万円

特別障害者の控除額=(85歳-相続開始時の年齢)×20万円

つまり、相続を開始した日から一般障害者で10万円、特別障害者で20万円が85歳になるまでの分としてまとめて控除されます。障害者の基準判定には障害者等級以外にも基準がありますので、専門家へ相談するか税務署へ確認して下さい。

連続した相続には相次相続控除で軽減できる

父親が亡くなって数年後に今度は母親が亡くなることがあります。特に高齢になると相次いで親が死亡することは珍しくありません。

このような状況で子供は、父親の相続を行って、数年後に今度は母親の相続を行わなくてはならず、相続税の負担が大きくなります。そこで短期間(10年)の間に、同じ遺産に対して相続が行われた場合に、一定額を相続税から控除するのが相次相続控除です。

相次相続控除の例

3年前に亡くなったAさんの遺産は、妻Bと子供Cが相続しました。これを一次相続と呼びます。

3年後にBが亡くなり、その遺産はCが全て相続することになりました。Bの遺産の大部分はAからの相続であり、3年前の相続時に相続税を納付しています。Cが母親であるBの相続を行うことは二次相続にあたることから、相次相続控除が適用され一定の控除額を相続税から差し引くことができました。


ここでポイントは一次相続が行われたのが、二次相続の10年以内であること、当時相続税を二次相続の被相続人(この場合B)が納付していることです。

控除される計算式は複雑なので目安的には、一時相続時に支払った相続税を100%として、二次相続までの経過年数によって10%ずつ減額されると考えて下さい。

相次相続控除の目安額

相次相続控除の目安額は次のとおり計算します。

一次相続税額=一次相続で二次相続の被相続人が支払った相続税

相次相続控除の目安額=一次相続税額×(1-二次相続までの期間×0.1)

この計算式はあくまで目安なので、正式な計算は専門家か税務署で相談するようにして下さい。


今回は未成年者控除、障害者控除、相次相続控除について解説をしました。いずれの制度も正式な計算にあたっては、専門家に相談するのをおすすめします。

ここまでは相続税の基礎控除額と配偶者控除について、未成年者控除、障害者控除、相次相続控除について解説をしました。

ここからは外国税額控除の概要各種控除を受ける際の注意点を説明します。それでは見ていきましょう。

被相続人の国外遺産を相続した際の外国税額控除

被相続人が外国に遺産を持っている場合、外国税額控除に注意が必要です

被相続人が外国に遺産を持っている場合、当該国で相続税を支払い、さらに日本でも相続税が徴収される恐れがあります。そのままでは相続税を二重に支払うことになるので、それを防止する特例措置が外国税額控除です。

外国税額控除が利用できる相続人は、下記の2つの条件を両方とも満たしている相続人です。

  • 相続や遺贈によって日本国内の相続財産(遺産)を相続した相続人
  • 外国にある相続財産において相続税と同等の税金を当該国にて課税された相続人

第一に日本において相続人であることが必要です。 また外国の遺産を相続する際に、その国の法律による相続税に該当する税金を課税され、支払っていることも条件になります。外国税額控除額の算出方法は以下の2種類のうち少ない額の方になります。

  • 外国で納税した税額
  • 外国税額控除=日本の相続税額×(外国の相続財産額/日本の相続財産の額)

外国税額控除の例

父親が亡くなり兄と妹の兄弟が相続人となりました。父親には日本国内に6億円の遺産と外国に3億円の遺産がありました。兄は日本国内の遺産3億円と外国遺産3億円を相続し、相続税として日本で6,000万円、外国で6,000万円の相続税を支払いました。妹は日本国内の3億円のみを相続したので6,000万円を相続税として支払いました。 このケースで外国税額控除を計算してみましょう。

  • 兄が外国で支払った税額:6,000万円
  • 外国税額控除:3,000万円=6,000万円×(3億円/6億円)

この2つを比較すると「兄が外国で支払った税額」の3,000万円の方が少ないので、これが外国税額控除額として、日本で支払った相続税6,000万円から差し引かれることになります。

つまり「6,000万円-3,000万円」で3,000万円の相続税になります。妹は外国の遺産を相続していないので、外国税額控除の適用はなく、6,000万円がそのまま相続税になります。

相続税の外国税額控除の計算は、外国にある遺産の相続税を納付した日の為替(電信売相場:TTS)が基準になるので、為替の変動によっても負担は変わります。

相続税の各種控除は申告しなくては適用されない

相続税には紹介した通り様々な特例控除があります。ただし、基礎控除以外は全て相続税を申告しなくては適用されません。申告すると相続税を課税されてしまうと勘違いする人もいますが、課税されないためにも申告は重要なのです。

控除額を正確に算出するには、素人には難しい面もありますので、税理士などの専門家や税務署に相談して正しい申告を行うようにしましょう。

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