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ーコラムー
生前贈与

「教育資金贈与」の基本~要点とメリット・デメリット

公開日:2016.2.15 更新日:2019.07.12

受験シーズンも本格化し、卒業や新年度の入学について考え始める時期となりました。 今回は生前贈与の仕組みの中でも関心が高い、「教育資金贈与」について取扱います。

この制度、正確には「直系尊属からの教育資金の一括贈与を受けた場合の非課税措置」といいます。2013年4月1日以降導入された非課税措置で、2019年(平成31年)3月31日までの贈与が対象となっています(終了期限は延長される可能性があります)。

教育資金贈与の概要

「教育資金贈与」の基本~要点とメリット・デメリット  

期間内、通常の贈与は贈与税の基礎控除(上限110万円)を超える分について、贈与税が課税されます。

他方、教育資金贈与は、直系尊属(父母、祖父母など)から30歳未満の子や孫への教育資金の贈与について、1,500万円までの金額が非課税になる制度です。

贈与の世界では、相続開始3年以内の贈与について「相続財産に課税する」という決まりがありますが、この教育資金贈与に該当する贈与については、加算する必要がありません

ただし、教育資金として贈与した金額のうち、子や孫が30歳に達したときなど「教育資金管理契約が終了した場合」、教育資金以外に消費した金額や、使いきれなかった金額は、通常の贈与税の課税金額に算入されます。

つまり、1,500万円の非課税上限枠ばかりを意識するのではなく、「教育資金として使う金額を計算して贈与する」ことが肝要です。

通常贈与との違い

それでは、この教育資金贈与がなかったと仮定して、1,500万円の贈与にはどれくらいの税金がかかるのでしょうか。計算してみましょう。

先にお伝えしたように、贈与税は課税対象金額から上限110万円の基礎控除が引かれます。 その残額に対し、定められた贈与税が課税される仕組みです。

通常の贈与税額表のほか、直系尊属からの贈与は税額が緩和されるため、今回はその緩和税額をもとに計算します。

※関連記事:ひと目でわかる!贈与税額早見表【保存版】

■  平成27年以降の直系卑属(20歳以上)への贈与税額速算表

基礎控除後の課税価額 税率 控除額
~2,000万円以下 10% なし
2000万円超-3,000万円以下 15% 10万円

国税庁サイト(https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/zoyo/4408.htm

をもとに筆者作成

1,500万円 - 110万円 = 1,390万円×贈与税率

基礎控除を引いた課税対象は1,390万円のため、税額は10%。控除額がないため、139万円を贈与税として納めなくてはなりません。

現時点で財産を有しているが購買意欲が(若い世代と比較して)低い高齢者層から、所有財産は低いが購買意欲が高い若年者層への財産移転を目的として、贈与税は全体を通しても引き下げ傾向にあります。

ただ、少しでも税金がかかると贈与の動きはブレーキのかかる傾向が強いため、この139万円がかからない、教育資金贈与の非課税措置がとても効果的なことがわかります。

さて、贈与の動きの促進への貢献が高そうなこの「教育資金贈与」の制度。デメリットもあるのでしょうか?

ここからは、教育資金贈与制度のメリット・デメリットを詳しく解説していきます。

贈与の活性化、という観点で、活用が期待されている制度ではあるのですが、メリットとデメリットをしっかり理解したうえで活用をしないと、思わぬ相続トラブルの火種になってしまう可能性もあります。 ここからは教育資金贈与のメリットとデメリットについて、解説をしていきます。

教育資金贈与のメリット

教育資金贈与制度のメリット・デメリット

昔から入学時のランドセルや学習机は、「おじいちゃん・おばあちゃん」世代から孫へプレゼントしていた、というご家庭も多いでしょう。

実際に親戚が顔を揃えるお正月にランドセルが良く売れる、という報告が先日のあるテレビ番組でされていたことを思い出します。このような「孫に喜んで欲しい」という気持ちで、生前贈与を活用することができます。

学校費用に限定されず、塾や習い事の費用も含まれるため、とても使い勝手がいいと、導入直後は申し込みが殺到しました。当初、教育費に含まれるか意見がわかれていた通学定期代や留学渡航費についても、平成27年の税制改正で対象に追加されています。

この人気を受けて、終了時期の同じ平成31年までの期間限定で、「結婚・子育て資金の一括贈与に係る非課税措置」が導入されました。祖父母や父母から、「20歳以上50歳未満の子や孫」へ生前贈与として上限1,000万円までが非課税となります。

手数料はかかりますが、これらの特例を活用する場合は信託銀行に口座を作るのも賢い方法です。年齢条件や領収書もしっかりアドバイスを貰えるうえ、上限額を超えていたことで、「気づかないあいだに非課税措置の対象外となっていた」というトラブルも避けられます。

教育資金贈与のデメリット

一方で、教育資金贈与にはデメリットや、「争族のきっかけとなった事例」も報告されています。それは、

「孫はひとりではない」

ということです。具体例で見てみましょう。 ある年に長女に孫が誕生したとします。初孫です。可愛くて仕方がなくて、上限1,500万円の教育資金を贈与しました。 ところが5年後、長男にも孫が誕生。預貯金を見てみると、1,000万円しか贈与できません。

贈与金額に差について、息子・娘間はなんとか理解してもらったものの、孫のあいだには「向こうだけ」という不満が…。納税額を抑えるためだけにこれらの非課税措置をフル活用すると、相続・贈与でもっとも避けたい、親族間で「しこり」を残してしまいます。

対策には、孫の誕生には時間の差があるため、「総合的に生前贈与を使う」意識が大切です。

贈与1回分を少額にして、複数回贈与を行う場合は孫誕生にも対応できますが、贈与手続きの手数料が多くかかってしまいます。

これら非課税贈与を行うメリット・デメリットを把握することが大切です。 信託銀行や税理士、FP(ファイナンシャルプランナー)といった専門家に相談し、鳥瞰的に見て貰うことが大切ですね。

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