
(1)贈与税の配偶者控除とは?
婚姻期間が20年以上の夫婦の間で、居住用不動産又は居住用不動産を取得するための金銭の贈与が行われた場合、基礎控除110万円のほかに再考2,000万円まで控除できるという特例です。 生前贈与があってから3年以内に贈与した人が亡くなり、贈与された人が遺産を相続した場合は、生前贈与された財産は相続財産に加算され相続税の課税対象になりますが、贈与税n配偶者控除を適用して贈与された財産は、3年以内に相続があったとしても相続財産には加算されないメリットがあります。(2)現行制度の問題点
これまでは、配偶者に自宅を生前贈与した場合、贈与税の配偶者控除を利用した分の価額は相続税の計算上は相続財産への持ち戻しの対象にはなりませんが、民法上は「特別受益」とみなされるため相続財産に持ち戻しされることになり、遺産分割協議あるいは遺留分減殺請求(※)の対象にされることになっていました。※民法改正によって2019年7月1日以降に発生した相続には「遺留分侵害額請求」に変更されています。 つまり民事上においては、自宅の生前贈与は配偶者にとっては単に財産を先払いされただけということになるので、被相続人が配偶者に多くの財産を残したいと考えて実行したとしてもその効果はなかったのです。(3)改正内容
改正によって婚姻期間が20年以上の夫婦間でなされた自宅の生前贈与については民事上も持ち戻しの対象外となり、遺産分割の対象から外れることになりました。これによって、自宅以外の相続財産だけが遺産分割の対象になるので、配偶者に生活資金をのこしやすくなる効果がでてきます。(4)改正時期
本制度の施行日は、2019年7月1日です。 施行日前にされた遺贈または贈与については、本制度は適用されません。日本クレアス税理士法人では、ビジネス情報誌「ANGLE」を発行しています。代表の中村による経営メモに始まり、M&A/財務トピックス、労務トピックス、相続/事業承継トピックスなど、グループの各法人が旬な情報をお届けしています。 お客様に郵送で届けているほか、日本クレアス税理士法人のWebサイトでも全編を公開をしています。よろしければぜひご覧ください。 【お役立ちコンテンツ】 税務署で相続税に関する相談が可能、税理士との違いは? 相続相談はどこにするべき?専門家(税理士、司法書士、弁護士)の強み 【クレアスの相続税サービス】 相続税 生前対策コース 相続税申告・相続手続コース 税務調査対応コース