「会社法」は平成18年に施行された、会社の設立、運営、仕組み等ついて定めた法律です。
会社法は、口語体で分かりやすく、それまでの商法の内容を実質的に現代化しました。 法人の相続を考えるにあたって、まずは会社の基本となる会社法のポイントを押さえていきましょう。
目次 |
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1.会社法とは? |
会社法とは?
「会社法」は平成18年に施行されました。 それまでは、日本には「会社法」という名前の法律は存在せず、会社に関する法律は、商法の「第2編会社」と、株式会社の監査等に関する商法の特例に関する法律、有限会社法の3つを合わせて、「会社法」と呼んでいました。
会社法の成立によって、これらの3つの法律はなくなりました。それらの3つの内容を集め分かりやすくした上で、まとめられました。
新しい会社法、どこが変わった?
最低資本金制度の撤廃
最低資本金制度がなくなり、1円の資本金でも、株式会社をつくれるようになりました。
会社法の施行前は、株式会社をつくるには、最低1,000千万円の資本金が、有限会社をつくるには最低300万円の資本金が必要でした。 旧商法では、会社が設立時から最低限持っていなければならない金額を定め、銀行や取引先などの会社の債権者の保護をしようとしていました。
とはいえ、取引先や銀行等からの信用度を上げるためには、ある程度の資本金は必要だと言えるかもしれません。
会社の機関設計が自由に
会社の機関設計が自由になり、取締役は1名でも構わなくなりました。 また、監査役の代わりに、会計参与を選任することもできるようになりました。
会社法の施行前までは、株式会社は必ず取締役会を置かなければならない、監査役は少なくとも1人はいなければならないとの決まりがありました。
しかし会社法では、少人数の出資者で構成され、出資者自らが会社を経営する有限会社方式を株式会社に取り込んだこともあり、特に全ての株式に譲渡制限がついている非公開会社において、機関設計が大幅に自由化されました。
株主総会と取締役は、どの会社でも必ず置かなければなりません。 また会計参与は全ての会社で、任意に選任することができます。
有限会社が撤廃され、株式会社に統合
有限会社が撤廃され株式会社に統合されました。また、合同会社という新しい種類の会社も創設されました。
M&Aのための組織再編手続きの簡略化されました
取締役会の決議だけで、合併、会社分割、株式交換などの手続きができるようになりました。
株式制度の柔軟化
ある種類の株式だけに譲渡制限をつけるなど、株式制度が柔軟化されました。
例えば、取締役の選任・解任議案については議決権がないものの、他の議案については議決権のあるといった、種類株式を発行することもできます。 これらの種類株式や新株予約権を利用することにより、敵対的買収防衛策が設計しやすくなりました。
投資家のニーズや会社の都合で、多様な種類株式を発行することができるようになりました。
株式の交換
赤字企業を吸収合併したり、合併の対価として吸収する会社の親会社の株式を交付することもできるようになりました。
日本クレアス税理士法人
執行役員 税理士 中川義敬
2007年 税理士登録(近畿税理士会)、2009年に日本クレアス税理士法人入社。東証一部上場企業から中小企業・医院の税務相談、税務申告対応、医院開業コンサルティング、組織再編コンサルティング、相続・事業承継コンサルティング、経理アウトソーシング決算早期化等に従事。事業承継・相続対策などのご相談に関しては、個々の状況に合わせた対応により「円滑な事業承継」、「争続にならない相続」のアドバイスを行う税理士として定評がある。(プロフィールページ)
・執筆実績:「預貯金債券の仮払い制度」「贈与税の配偶者控除の改正」等
・セミナー実績:「クリニックの為の医院経営セミナー~クリニックの相続税・事業承継対策・承継で発生する税務のポイント」「事業承継対策セミナー~事業承継に必要な自己株式対策とは~」等多数
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