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ーコラムー
成年後見
税理士監修記事

成年後見人の費用はいくら?毎月の報酬はいつまで払う?申立費まで完全解説!

公開日:2024.7.17 更新日:2024.07.30

成年後見制度は、高齢者や障害者が適切な判断を行えない場合に、その人の財産や生活を守るための重要な仕組みです。

この制度には「法定後見」と「任意後見」があり、今回は法定後見にかかる費用について詳しく解説します。

法定後見制度を利用する際には、初期費用だけでなく毎月の報酬などさまざまな費用が必要ですが、具体的にどのくらいの費用がかかるのでしょうか。

本記事では、成年後見人の費用を中心に、成年後見制度を利用する際の全体の費用を解説します。

成年後見制度の利用を検討している、発生する費用が知りたいという方はぜひ最後までご覧ください。

1. 成年後見制度(法定後見)で発生する2種類の費用

成年後見制度を利用する際には、大きく分けて2種類の費用が発生します。

一つは制度開始時にかかる申立費用、もう一つは成年後見人に対する毎月の報酬です。

申立費用は、成年後見制度を家庭裁判所に申し立てる際に必要となる初期費用を指します。

申立手数料や証明書類の取得費用・精神鑑定費用・郵便切手代・書類作成費用などが含まれ、申立人が手続きを進める上で必須の費用です。

成年後見人に対する毎月の報酬は、後見人が被後見人の財産管理や身上監護を行う対価として支払われます。

後見人の業務量や被後見人の財産状況によって報酬金額は異なりますが、一般的には毎月2万円から6万円程度が相場です。

また、特別な業務が発生した場合には付加報酬が支払われることがあります。

2つの費用は成年後見制度を利用する上で避けて通れないもののため、具体的な金額を下記で確認していきましょう。

2. 成年後見制度開始時にかかる申立費用

成年後見制度の申立てには、下記の費用が発生します。

  • 申立時に必ず発生する費用
  • 精神鑑定費用
  • 各種証明書の発行費用
  • 専門家への依頼費用

状況によって発生する費用が異なるため、それぞれの費用について見ていきましょう。

2-1. 必ず発生する5つの費用

成年後見制度の申立てには、以下の5つの費用が必ず発生します。

項目

費用

概要

申立手数料の収入印紙代

3400円

成年後見の申立てを家庭裁判所に行う際に必要な手数料
収入印紙で支払う

医師の診断書の発行費用

数千円

被後見人の判断能力を評価するために必要な医師の診断書の発行費用

予納郵券(切手)代

~5,000円

家庭裁判所からの通知や書類の送付に使用される切手代
申立手続き中に必要な郵送費をあらかじめ納める

戸籍謄本や住民票

数百円/通

申立書に添付するために必要な証明書類
戸籍謄本は家族関係を、住民票は現在の住所を確認するために使用される

登記されていないことを証明する書類代

300円

被後見人が成年後見人として既に登記されていないことを証明する書類
法務局で取得する

これらの費用を事前に準備しておくことで、申立手続きをスムーズに進めることができるでしょう。

以下では、状況によって発生する可能性がある費用を紹介します。

2-2. 精神鑑定費用|〜10万円

精神鑑定費用は、被後見人の判断能力を評価するために必要な費用です。

家庭裁判所が後見開始の可否を判断する際に、被後見人の精神状態を客観的に評価するために、精神科医による鑑定が行われます。

鑑定費用は、一般的に10万円程度です。

精神鑑定は必ずしも全てのケースで必要とされるわけではありませんが、被後見人の障害程度の認定において重要な役割を果たします。

鑑定費用は高額になることが多く、医療機関によっては10万円以上になることもあるため、申立人は事前にこの費用を見込んでおく必要があるでしょう。

精神鑑定が必要かどうかは裁判官の判断となるため、家庭裁判所に相談することがおすすめです。

2-3. 各種証明書の発行費用

戸籍謄本や住民票以外にも、申立書に添付するための証明書類が必要な場合があります。

具体的には、下記3つの書類が要求されるケースが多いようです。

項目

費用

概要

不動産の登記事項全部証明書(登記簿謄本)

600円/通

被後見人が所有する不動産の詳細を確認するための証明書
法務局で取得し、不動産の所有権や抵当権などを確認するために使用される

残高証明書

銀行ごとに異なる

被後見人の銀行口座の残高を証明するための書類
金融機関で発行され、財産管理に必要な情報を提供する

固定資産評価証明書または課税証明書

300円/1不動産

被後見人が所有する固定資産の評価額を証明するための書類
市区町村役場で取得し、固定資産税の課税状況を確認するために使用

必要に応じて上記以外の書類が必要になる場面もあるので、家庭裁判所の指示に従い、必要な書類を集めましょう。

2-4. 司法書士や弁護士に依頼した場合の代行費用

自分で申立手続きを行うのが難しい場合、司法書士や弁護士に代行を依頼することが可能です。

その場合の代行費用は個々の事務所によりますが、通常10万円〜20万円程度がかかります。

司法書士や弁護士に依頼することで、申立手続きがスムーズに進むだけでなく、書類の作成や提出の際に専門的なアドバイスを受けることができます。

特に、初めて成年後見制度を利用する場合には、専門家のサポートを受けることで安心して手続きを進めることができるでしょう。

また、完全に代行してもらうことも可能です。

代行費用は高額になることが多いため、依頼する際には事前に見積もりを取ることが重要です。

依頼する際は専門家の経験や実績を確認し、信頼できる事務所を選びましょう。

3. 成年後見人へ支払う基本報酬|毎月2〜6万円

成年後見人に対しては、基本報酬として毎月2万円〜6万円を支払う必要があります。

金額は、後見人が行う業務の内容や量・被後見人の財産状況によって異なりますが、一般的に6万円を超えることは珍しいでしょう。

たとえば、被後見人の財産が多い場合や管理が複雑な場合には、基本報酬が高く設定されることがあります。

一方で、財産が少なく管理が比較的簡単な場合には報酬が低くなることも。

成年後見人は、被後見人の財産管理や生活支援、医療や介護サービスの手配など多岐にわたる業務を行います。

成年後見人の報酬は、被後見人の財産から支払われることが一般的です。

しかし、被後見人の財産が不十分な場合には、親族や関係者が報酬を負担することもあります。

そのため、成年後見制度を利用する際には、事前に財産状況を確認し、報酬の支払い計画を立てることが重要です。

3-1. 付加報酬(基本報酬の50%以内)

特別な業務や追加の業務が発生した場合には、基本報酬の50%以内で付加報酬が支払われることがあります。

たとえば、大規模な財産の売却や複雑な相続手続きなど、通常の業務以上の時間と労力を要する業務が発生した場合です。

付加報酬は、家庭裁判所が業務の内容や量を評価し、適切な額を決定します。

そのため、後見人は特別な業務を行った際には、内容を詳細に記録して家庭裁判所に報告しなければなりません。

付加報酬の申請は通常の報酬とは別に行われるため、事前に家庭裁判所と相談し、適切な手続きを踏むことが重要です。

3-2. 弁護士・司法書士が後見人の場合でも基本報酬は変わらない

成年後見人が弁護士や司法書士であっても、基本報酬の金額は変わりません。

ただし、専門知識を活かした特別な業務が発生した場合には、付加報酬が加算されることがあります。

弁護士や司法書士は、法律の専門知識を持っているため、複雑な法的手続きや紛争の解決など、通常の後見人では対応が難しい業務も担当することが可能です。

そのため、特別な業務が発生した際には、弁護士や司法書士の知識と経験が役立つ場面が多く、依頼側も安心を得られるでしょう。

しかし、基本報酬に関しては、家庭裁判所が一律の基準で決定するため、後見人が専門職であるかどうかにかかわらず同じ額が支払われます。

後見人としての役割を果たす上で、専門知識を活かす場面が多い場合には、付加報酬の申請を検討することが重要です。

3-3. 成年後見監督人への基本報酬|毎月〜3万円

成年後見人を監督する成年後見監督人が任命された場合、その監督人にも基本報酬が支払われます。

報酬相場は、毎月最大3万円程度です。

成年後見監督人は、後見人の業務を監視し、適切に行われているかをチェックする役割を担います。

被後見人の財産が多い場合や後見人の業務が複雑な場合には、監督人の存在が特に重要です。

監督人は、定期的に後見人の報告を受け、必要に応じて指導や助言を行います。

成年後見監督人の報酬も、被後見人の財産から支払われることが一般的です。

また監督人の報酬額は、家庭裁判所が被後見人の財産状況や後見人の業務量を基に決定します。

監督人を立てることで、後見制度の透明性と信頼性を高めることが可能です。

4. 成年後見制度の費用についてよくある質問

成年後見制度の費用についてよくある質問をまとめました。

  • 成年後見制度の申立てや基本報酬が払えない場合はどうしたらいい?
  • 成年後見制度にかかる費用は誰が払うの?
  • 成年後見人への基本報酬はいつまで払う?

疑問を解消して、適切に成年後見制度を利用できるようになりましょう。

4-1. 成年後見制度の申立てや基本報酬が払えない場合はどうしたらいい?

成年後見制度の申立てや基本報酬の支払いが困難な場合には、いくつかの解決策が考えられます。

まず、自治体の補助制度や法テラスの利用です。

自治体には、低所得者向けの支援制度があり、成年後見制度の費用を一部または全額補助してくれる場合があります。

法テラス(日本司法支援センター)は、法的手続きに関する費用の負担を軽減するための支援を提供しています。

また、所得や資産に応じて無料の法律相談や費用の立て替えも行っています。

法テラスの支援を受けるためには、所定の手続きが必要ですので、詳細については法テラスの窓口に問い合わせましょう。

さらに、家庭裁判所に相談することで、費用負担の軽減措置が講じられる場合もあります。

家庭裁判所は、申立人の経済状況や被後見人の財産状況を考慮し、費用の減免や分割払いなどの対応を行うことがあります。

困難な状況にある場合には、これらの場所に相談し、適切な支援を受けましょう。

4-2. 成年後見制度にかかる費用は誰が払うの?

成年後見制度にかかる費用は、基本的には被後見人の財産から支払われます。

これは、後見制度が被後見人の利益を守るためのものであるためです。

申立手数料や精神鑑定費用、後見人の報酬など、すべての費用は被後見人の財産から賄われます。

しかし、被後見人の財産が不十分な場合や申立人が費用を負担できない場合には、申立人や親族が一部または全額を負担する場合も。

この場合、親族や関係者が費用を立て替える形となります。

また、前述のように費用負担が困難な場合には、前述のように自治体の補助制度や法テラスの利用、家庭裁判所の支援を受けることが可能です。

費用負担の問題についての対策を早め講じることで、成年後見制度を円滑に利用することができるでしょう。

4-3. 成年後見人への基本報酬はいつまで払う?

成年後見人への基本報酬は、被後見人が亡くなるか、後見が終了するまで払う必要があります。

たとえば被後見人が亡くなった場合には、その時点で後見が終了し、報酬の支払いも停止します。

また、被後見人が回復して後見が不要となった場合や、後見人の交代が行われた場合などには報酬の支払いが必要なくなるでしょう。

後見制度の終了時期については、家庭裁判所の判断に基づいて決定されるため、具体的な状況に応じて適切に対応することが必要です。

後見人としての業務が終了した場合には、家庭裁判所に対して最終報告を行い、報酬の支払いに関する手続きを完了することが求められます。

後見人の役割と責任を最後までしっかりと果たし、適切な報酬を受け取るために、必要な手続きを確実に行うことが重要です。

5. 成年後見制度にかかる費用を正確に把握しよう!

成年後見制度を利用する際には、事前にかかる費用を正確に把握することが重要です。

申立費用や毎月の報酬をしっかりと理解し、予算を計画することで、安心して制度を利用することができます。

成年後見制度にはさまざまな費用が発生しますが、それらを詳細に理解し適切な対応を行うことで、被後見人の生活をしっかりと支えることができるでしょう。

また、成年後見制度にかかる費用について不明な点がある場合には、専門家に相談することがおすすめです。

司法書士や弁護士などの専門家は、成年後見制度に関する豊富な知識と経験を持っており、適切なアドバイスをしてくれます。

必要に応じて専門家のサポートを受けながら、成年後見制度を円滑に利用していきましょう。

日本クレアス税理士法人 相続サポート

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