結婚祝いやご祝儀として両親や親族からまとまった金額を受け取ると、「これって贈与税がかかるのでは?」と不安になる方は少なくありません。
結論からいうと、結婚祝いやご祝儀は、社会通念上相当な金額であれば原則として贈与税は非課税です。ただし、高額な資金援助・会社や取引先から多額のお祝い金・受け取り方や名義によっては、贈与税や所得税の課税対象になるケースもあります。
この記事では、相続・贈与を専門とする税理士監修のもと、2026年最新の税制を踏まえて、以下の内容をわかりやすく解説します。
- 結婚祝い・ご祝儀の金額相場(関係別の一覧表)
- 贈与税が非課税になる条件と「社会通念上相当」の考え方
- 贈与税がかかってしまう具体的なケース
- 両親・祖父母から結婚資金を援助してもらう際の節税方法
- 結婚・子育て資金一括贈与の非課税制度(2027年3月末まで延長)

1. 結婚祝い・ご祝儀の金額相場【関係別一覧表】
結婚祝い・ご祝儀の金額は、贈り手と新郎新婦の関係によって相場が大きく異なります。「社会通念上相当」とされる金額の目安を一覧表で確認しましょう。
| 関係 | ご祝儀の相場 | 結婚祝い(現金)の相場 |
|---|---|---|
| 友人・同僚 | 3万円 | 5,000〜1万円 |
| 上司 | 3〜5万円 | 1〜3万円 |
| いとこ・親戚 | 3〜10万円 | 3〜10万円 |
| 兄弟姉妹 | 5〜10万円 | 5〜10万円 |
| 叔父・叔母 | 5〜10万円 | 5〜10万円 |
| 祖父母 | 5〜30万円 | 10〜100万円 |
| 両親 | (一般的に出席しない) | 100〜300万円(結婚資金援助) |
この相場の範囲内であれば、原則として贈与税はかかりません。一方で、両親・祖父母からの大型援助は「結婚・子育て資金一括贈与の非課税制度」の活用を検討するのが賢明です(後述)。
2. 贈与税の基礎控除「110万円」との関係
贈与税には、「1月1日から12月31日までの1年間に受け取った贈与額の合計が110万円以下であれば非課税」という基礎控除(暦年課税)があります。
- 110万円は受贈者(もらう人)1人あたりの年間合計額
- 結婚祝い以外の贈与(誕生日・お年玉・現金援助など)と合算して判定
- 110万円を超えた部分に対して10〜55%の贈与税が課税
- ただし、結婚祝い・ご祝儀の「社会通念上相当な金額」はそもそも贈与税の対象外(基礎控除とは別扱い)
つまり、ご祝儀の相場内であれば110万円を超えても贈与税は原則かかりません。しかし、両親からの結婚資金援助は「祝意の表現」を超える金額になりやすく、贈与税の課税対象になる可能性があるため注意が必要です。
3. 結婚祝いやご祝儀が基本的に贈与税は非課税である理由

先述のとおり、贈与税は年間110万円を超える贈与に課税されますが、結婚祝い・ご祝儀には特別な取り扱いがあります。ここでは、なぜ結婚祝い・ご祝儀が原則として贈与税の対象外となるのかを解説します。
結婚祝いやご祝儀として、両親や親族などから、多いと数百万円という金額を受け取る方もいるため、贈与税がかかると考えられがちです。
しかし実際には、社会通念上の範囲内に収まる金額であれば、結婚祝いやご祝儀に贈与税がかかることはありません。
結婚祝いやご祝儀は、基本的に贈与税が非課税になると覚えておきましょう。
4. 結婚祝いやご祝儀に贈与税が発生してしまうケース

結婚祝いやご祝儀は贈与税が「非課税」となると説明しましたが、以下に該当する場合に贈与税が発生します。
- 「社会通念上相当」以上の結婚祝いやご祝儀をもらった
- 会社から結婚祝いやご祝儀を多くもらった
- 個人事業主や会社として結婚祝いやご祝儀をもらった
1つ1つ理由などを説明します。
4-1. 「社会通念上相当」以上の結婚祝いやご祝儀をもらった
「社会通念上相当」以上の結婚祝いやご祝儀をもらった場合は、贈与税の課税対象となる場合があります。
たとえば
- ご祝儀で100万円を受け取った
- 数千万円の挙式費用を親に支払ってもらった
などが該当すると考えられます。
結婚のお祝いだとしても、社会通念上相当以上の金額を受け取った場合は、贈与税が発生するので注意しましょう。
4-2. 会社から結婚祝いやご祝儀を多くもらった
会社から受け取る金銭は「所得税」がかかりますが、結婚祝いやご祝儀の場合は「社会通念上相当額」であれば課税されません。
しかし、勤め先の会社から100万円のご祝儀をいただいたなどの場合は課税される可能性があります。
また勤め先の会社から多額の結婚祝いやご祝儀をもらった場合は「給与」の扱いとなり、贈与税ではなく「所得税」「住民税」がかかる場合があります。
気になる方は、一度税理士に相談してみましょう。
4-3. 個人事業主や会社として結婚祝いやご祝儀をもらった
個人事業主や会社として、取引先などから結婚祝いやご祝儀を受け取った場合には、課税対象となります。
受け取った金額の計上方法は以下のとおりです。
- 個人事業主:「事業収入」として計上
- 会社:「雑所得」として計上
個人事業主や会社として結婚祝いやご祝儀をもらったときは、課税対象となるため収入に計上することを忘れないようにしましょう。
なお、個人事業主であっても、一般的な範囲内での親族・友人などからのご祝儀であれば、贈与税がかかることはありません。
5. 両親や祖父母から結婚資金を援助してもらう場合|2026年最新の節税方法

両親や祖父母から結婚資金を援助してもらう場合に、どのようなところを注意すればよいのでしょうか。
- 結婚・子育て資金の一括贈与に係る贈与税の非課税制度を利用しよう
- 結婚式の費用を直接支払ってもらった場合も非課税
- 銀行振込の場合には課税されることもあるので注意
ポイントも併せて1つ1つ解説します。
5-1. 結婚・子育て資金の一括贈与に係る贈与税の非課税制度を利用しよう
【2025年税制改正で延長】「結婚・子育て資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置」は、2025年度税制改正により2027年(令和9年)3月31日まで2年間延長されました。引き続き本制度を活用した節税が可能です。
【2025年税制改正で延長】「結婚・子育て資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置」は、2025年度税制改正により2027年(令和9年)3月31日まで2年間延長されました。引き続き本制度を活用した節税が可能です。
「結婚・子育て資金の一括贈与にかかる贈与税の非課税制度」という特例があります。
これは、一定の要件を満たせば、結婚・子育て資金の支払いに充てた資金の贈与税が非課税になる制度です。
この非課税制度を利用するために必要な要件は、以下のとおりです。
|
要件 |
内容 |
|
適用対象者 |
贈与者:父母・祖父母など(直系尊属) 受贈者:18歳以上50歳未満の子・孫など(直系卑属)かつ、前年の合計所得金額が1000万円以下。 |
|
適用対象となるもの |
挙式費用、新居の住居費、引っ越し費用など |
特例を受けられると、受贈者1人につき300万円までは非課税になります。
適用対象のものがあれば、忘れずに申請を行いましょう。
5-2. 結婚式の費用を直接支払ってもらった場合も非課税
親や祖父母に、結婚式の費用を直接払ってもらうと非課税となります。
親や祖父母からお金を受け取ると贈与税がかかる可能性もでてきますが、直接支払ってもらった場合には課税の心配はありません。
しかし、数千万円の挙式代を支払ってもらうなど、一般的な挙式にかかる費用より大幅に高い金額だと課税される可能性もありますので注意しましょう。
5-3. 銀行振込の場合には課税されることもあるので注意
銀行振込の場合、記録が残るため課税されることがあります。
しかし「結婚・子育て資金の一括贈与にかかる贈与税の非課税制度」を活用して、「結婚・子育て資金非課税申告書」や「領収書」などの必要な書類を提出すれば非課税となります。
気になる方は、国税庁のホームぺージを確認してみましょう。
参考元:国税庁「直系尊属から結婚・子育て資金の一括贈与を受けた場合の非課税」
また、記録が残らないようにお祝いは直接の受け渡しも検討しましょう。
6. よくある質問(FAQ)
結婚祝いが110万円を超えたら必ず贈与税がかかりますか?
必ずしもかかるわけではありません。社会通念上相当な結婚祝いであれば非課税ですが、高額になるほど説明が必要になります。
親から100万円の結婚資金援助を受けるのは問題ありますか?
結婚費用として一般的な範囲内であれば、課税されないケースが多いです。用途を明確にしておくことが重要です。
現金手渡しなら贈与税はバレませんか?
現金でも贈与税の対象になることがあります。記録が残らなくても、税務調査で判明する可能性はあります。
結婚後にもらったお祝い金はどうなりますか?
結婚祝いとしての性質が認められれば非課税ですが、結婚から時間が経過している場合は贈与と判断される可能性があります。
結婚・子育て資金一括贈与の非課税制度は2026年も使えますか?
はい、使えます。2025年度税制改正により、適用期限が2027年(令和9年)3月31日まで延長されました。両親・祖父母から子・孫(18歳以上50歳未満)への結婚・子育て資金の一括贈与で、最大1,000万円(うち結婚資金は300万円まで)が非課税になります。金融機関での専用口座開設など手続きが必要です。
結婚式の費用を親が振込で支払った場合、贈与税はかかりますか?
結婚式の費用を親が結婚式場・ホテルなど業者に直接支払った場合は贈与税の対象外です(扶養義務の範囲内)。一方、新郎新婦の口座に振り込まれた後で支払った場合は、原則として贈与税の対象になります。「直接支払い」か「子経由」かで税務上の扱いが大きく異なるため注意が必要です。

7. まとめ|ご祝儀・結婚祝いは原則非課税。高額援助は税理士に相談を

結婚祝いやご祝儀は、原則として贈与税は非課税です。
しかし、
・金額が高額すぎる
・会社や取引先からの支給
・使途が不明確
といった場合には、課税対象になる可能性があります。
少しでも不安がある場合は、
相続・贈与に詳しい税理士へ事前に相談することが、トラブルを防ぐ最善策です。
クレアス相続では、結婚資金の贈与や将来の相続を見据えたご相談も承っております。
お気軽にご相談ください。



