不良在庫の処分や債権放棄など、会社をスリムにして次の代へと会社を渡すべく事業継承を検討しているオーナー社長の方もいらっしゃるでしょう。 もし好調に推移している部門がある場合、思い切って分社化をして本社から分離する方法も検討してみてはいかがでしょうか?
会社の事業のうち、高収益事業を分社化するとどのような効果があるのか、ここで詳しくみていきたいと思います。
高収益部門を会社分割することによる効果
高収益部門を会社分割により子会社化する場合には、新設子会社の株価は上昇しますが、親会社であるA社の株価は低く評価できます。
100%子会社を新設(上図ではB社)すると同時に、高収益部門をその子会社に移転します。 すると、利益が一気に圧縮できます。これは、非上場会社が事業承継等で株価を引き下げる際に良く使う手法の一つです。子会社に分離するのは、高収益事業の資産と負債です。
結果として、新設子会社の株価は上昇しますが、親会社であるA社の株価は低く評価できます。 本体会社の所有する「子会社株式」の評価が上昇して純資産価額の株価が高くなる場合もあります。
事業承継を検討されている社長様にとっては、株価が低く抑えられることで、事業承継がしやすくなります。株価が引き下げておければ、相続税や贈与税などの税負担を軽減することが可能になります。 また、後継者は自社株式の保有率を高めることもできます。
高収益事業分社化の際の注意点
注意点としては、事業の分離後に親会社は会社の規模を「大会社」のままに保つことです。 より大きな株価の引き下げのためには、何通りかある株価の評価方式のうち、類似業種批准価額方式をつかった方がよいからです。
※類似業種批准価額方式では、株価の計算の際、「利益」は配当や純資産に比べて3倍にされます。そのため、この「利益」の圧縮が株価の引き下げに大きな効果をもたらします。
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