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ーコラムー
成年後見
税理士監修記事

成年後見人に弁護士を選任する4つのメリット!デメリットや費用・代行内容を解説!

公開日:2024.8.2 更新日:2024.12.22

成年後見制度は、判断能力が不十分な高齢者や障害を持つ方の生活や財産を保護するために非常に重要な制度です。

この制度は、こうした人々が安心して生活を送ることができるように、法律的および経済的な支援を提供することを目的としています。

しかし、成年後見制度の手続きや運用は非常に複雑なため、法律的な専門知識が不可欠です。

そこで、弁護士に成年後見人を依頼することが非常に効果的な手段となります。

本記事では、弁護士を成年後見人に選任するメリットとデメリット・具体的な費用・弁護士が代行できる内容、そして依頼手順についてくわしく解説します。

弁護士の専門知識を活用することで、成年後見制度をより安心かつ確実に利用するためのポイントを理解しましょう。

1. 弁護士に成年後見を依頼する4つのメリット

1. 弁護士に成年後見を依頼する4つのメリット

弁護士に成年後見を依頼することで、下記4つのメリットを享受できます。

  • 成年後見の申立から終了までをすべて一任できる
  • 専門家の立場から法律関連のトラブルに対応してもらえる
  • 本人の利益を必ず守ってくれるため安心が得られる
  • 相続発生後も相談できる

それぞれのメリットをくわしくみていきましょう。

1-1. 成年後見の申立から終了までをすべて一任できる

弁護士に成年後見を依頼する最大のメリットは、手続きの全過程を一任できる点です。

成年後見の申立から終了までの過程には、法律的な手続きや文書作成・裁判所との調整が含まれ、非常に時間と労力を要します。

弁護士は、申立書類の作成から裁判所への提出、さらには家庭裁判所とのやり取り、後見人としての実際の業務遂行まで、すべてのプロセスを担当可能です。

これにより、家族や親族が日常生活における負担から解放され、安心して生活を送ることができます。

法律の専門家に任せることで、制度の適用における不安や誤りを防ぎ、スムーズに成年後見を進めることが可能なのです。

1-2. 専門家の立場から法律関連のトラブルに対応してもらえる

弁護士は法律の専門家であり、成年後見に関する法律的なトラブルにも迅速に対応可能です。

成年後見のプロセスでは、財産管理に関する紛争や契約問題、法的責任に関する複雑な法律問題が発生することもあるでしょう。

こうした場面でも、弁護士は豊富な経験と法律知識を活かして適切な対応を行い、後見人としての職務を全うしてくれます。

たとえば、法律に基づいた正確な判断が求められる場面でも、弁護士がいることで安心して問題を解決できるでしょう。

弁護士に依頼することで、成年被後見人の利益を最大限に守りながら、法律トラブルを未然に防ぐことができます。

1-3. 本人の利益を必ず守ってくれるため安心が得られる

弁護士は、依頼者の利益を最優先に考え行動するため、家族や本人も安心して生活を送ることができるでしょう。

弁護士は、成年被後見人の財産や権利を守るため、常に最善の判断を下してくれます。

さらに、弁護士は第三者として公平な立場で関与するため、親族間の感情的なトラブルを避けることが可能です。

たとえば、後見人を家族が務める場合に感情的な問題が絡むことがありますが、弁護士はそのような個人的な事情に影響されず公平かつ客観的に対応します。

専門的かつ客観的な立場からの支援により、成年被後見人の生活環境がより安定したものとなるでしょう。

1-4. 相続発生後も相談できる

弁護士は相続に関する専門知識も持っているため、相続問題が発生した際にも適切なアドバイスや対応が可能です。

たとえば、遺産分割協議や相続税の申告、遺言執行に関する手続きなど、相続に関する多様な問題に対応できるため、相続に関する不安やトラブルを未然に防ぐことができます。

また、弁護士は相続関連の法律にも精通しているため、相続がスムーズに進むよう事前に準備を整えることも可能です。

相続手続きにおけるトラブルや不安を減らし、円満な相続を実現できるでしょう。

2. 弁護士に成年後見を依頼する2つのデメリット

2. 弁護士に成年後見を依頼する2つのデメリット

弁護士に成年後見を依頼することには、デメリットも伴います。

  • 成年後見人報酬が発生する
  • 成年後見人の立場を悪用したトラブル事例も存在する

リスクも把握したうえで、弁護士への依頼を検討しましょう。

2-1. 成年後見人報酬が発生する|毎月2~6万円

弁護士に成年後見人を依頼する場合、毎月の報酬が発生します。

報酬の金額は地域や依頼内容によって異なりますが、一般的には毎月2万円から6万円程度が相場です。

長期間に及ぶ場合には、累積的に費用が大きくなるため、依頼前に費用の詳細を確認し、予算を十分に考慮する必要があります。

基本的には成年被後見人の財産から支払われますが、難しい場合には依頼者が肩代わりする場合もあるので注意しましょう。

2-2. 成年後見人の立場を悪用したトラブル事例も存在する

弁護士といえども、後見人の立場を悪用するトラブル事例が存在することも事実です。

そのため、信頼できる弁護士を選ぶことが重要であり、弁護士選任時にはしっかりと情報収集・確認を行いましょう。

具体的には、過去の実績や評価・事務所の評判などを確認し、面談時に信頼性を確かめることが重要です。

また、契約書をしっかりと確認し、透明性のある契約を結ぶことも重要でしょう。

信頼できる弁護士を選任するためには、複数の弁護士を比較し、納得のいく対応をしてくれる弁護士を選ぶことがおすすめです。

3. 成年後見制度において弁護士に代行してもらえる内容

3. 成年後見制度において弁護士に代行してもらえる内容

成年後見制度を弁護士に依頼することで、下記の業務を代行してもらえます。

  • 財産管理
  • 身上監護

それぞれの内容について、くわしく解説します。

3-1. 成年被後見人の財産管理

弁護士は、成年被後見人の財産を適切に管理し、不正利用や無駄遣いを防いでくれます。

財産管理には、銀行口座の管理や不動産の取引・投資の監督など多岐にわたる業務が含まれます。

たとえば、成年被後見人が所有する不動産の賃貸や売却、金融資産の運用など、資産を守るための戦略的な管理が可能です。

弁護士は法律に基づいて行動するため、透明性が高く、信頼性のある財産管理が実現できます。

3-2. 成年被後見人の身上監護(生活や治療・介護に関する契約)

生活全般のサポートや契約締結など、成年被後見人の生活を支えるための業務も弁護士が代行可能です。

医療機関や介護施設との契約をスムーズに進めることができるため、成年被後見人が適切な生活環境で安心して暮らせるようになります。

また、日常生活における必要なサポートや、緊急時の対応策を含めた包括的な支援も可能です。

意思能力を有していない成年被後見人に代わって、法律行為をしてくれる弁護士は、とても心強い味方となってくれるでしょう。

【参考】:法務省HP

4. 成年後見人に弁護士を選任した場合の費用

4. 成年後見人に弁護士を選任した場合の費用

弁護士に成年後見を依頼する際の費用には、初回の相談料や後見人業務の報酬・日常の管理費用が含まれ、依頼内容や地域によって相場が異なります。

そのため、具体的な金額については、弁護士事務所に直接相談することがおすすめです。

一般的な相場をまとめましたのでご覧ください。

項目 内容 相場
初回相談料 弁護士との初回面談時に発生 5,000円〜1万円程度
後見人報酬 毎月発生する管理報酬 2万円〜6万円程度
手続き費用 書類作成や手続き代行 数万円〜

費用の一部は公的補助が受けられる場合があるので、予算が心配な場合には、事前に確認しておくといいでしょう。

たとえば、低所得者向けの補助制度や、後見人報酬の減額制度などが利用できる場合があります。

成年後見制度にかかる具体的な費用は、下記記事でくわしく解説しているのでぜひ併せてご覧ください。

【関連記事】:成年後見人の費用はいくら?毎月の報酬はいつまで払う?申立費まで完全解説!

5. 弁護士に依頼した場合の成年後見開始までの手順

5. 弁護士に依頼した場合の成年後見開始までの手順

弁護士に依頼した場合、成年後見開始までは下記の手順で進めていきます。

  1. 弁護士に成年後見制度について相談する
  2. 必要書類の準備
  3. 成年後見の申し立て
  4. 後見開始

それぞれくわしくみていきましょう。

5-1. 弁護士に成年後見制度について相談する

まずは、信頼できる弁護士事務所に相談し、成年後見制度の詳細や必要な手続きについて説明を受けます。

この段階では、制度の概要や具体的なサポート内容、費用についてくわしく説明してもらいましょう。

疑問点や不安な点があれば、遠慮せずに質問することが大切です。

また面談時には、弁護士の過去の実績や専門性についても確認し、安心して依頼できるかどうかを判断しましょう。

相談を通じて、成年後見制度を利用する際の具体的な手順や注意点を理解し、信頼できる弁護士と連携することが重要です。

5-2. 成年後見制度の申し立てに必要な書類の準備

申し立てには、申立書や診断書・戸籍謄本・財産目録などの書類が必要です。

これらの書類を正確に揃えるためにも、弁護士のサポートを最大限に活用しましょう。

書類の準備には一定の時間がかかるため、早めに準備を始めることが重要です。

成年後見制度の活用に必要な診断書については、下記記事でくわしく解説しているのでぜひ併せてご覧ください。

【関連記事】:成年後見制度の診断書とは?申し立てに必要な理由やもらい方を解説!

5-2. 成年後見の申し立て・後見開始

準備が整ったら、家庭裁判所に成年後見の申し立てを行いましょう。

手続きは少し複雑ですが、弁護士がサポートしてくれるため、スムーズに進むことが期待できます。

申し立てが受理されると、家庭裁判所によって審理が行われ、成年後見人の選任が決定されます。

最後に後見開始の審判を経て、成年後見が開始となります。

6. 成年後見制度の利用は弁護士に依頼しよう!

成年後見制度は、本人の生活と財産を守るために非常に重要な役割を果たします。

家族だけでなく、弁護士の専門知識とサポートを活用することで、安心かつ確実な成年後見が実現できるでしょう。

特に、法律に関する問題や複雑な手続きを円滑に進めるためには、弁護士の支援が不可欠です。

成年被後見人の生活をしっかりとサポートすることができるよう、必要に応じて弁護士への依頼を検討してみてください。

日本クレアス税理士法人 相続サポート

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