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ーコラムー
家族信託
税理士監修記事

家族信託で行う登記は2種類!必要書類や手続きの流れ・費用を解説

公開日:2023.9.29 更新日:2024.03.01

家族信託を行う際には、どの財産を信託するかによって登記が必要な場合があります。

登記とは権利関係を一般に公開するために行う手続きで、家族信託以外でも利用されるものです。

家族信託を検討している方のなかには、自分に登記は必要か知りたいという方もいるでしょう。

そこで本記事では、家族信託で登記が必要な場合や手続きの流れを解説。

また、家族信託での登記に必要な書類や費用についても紹介します。

家族信託の利用を検討している・登記の流れや費用を知りたいという方はぜひご覧ください。

1. 信託財産に不動産がある場合には登記が必要

家族信託では、信託財産に不動産がある場合にのみ登記が必要です。

家族信託では委託者が受託者に財産を信託し、受託者が信託財産を運用します。

基本的に受託者が管理する財産は、信託財産であることを証明するために登記が必要です。

ただ、財産の種類によっては権利を登録する必要がないため、現金や預金などについては登記の必要がありません。

家族信託においては、不動産のみが権利を登録する必要がある財産のため、不動産が含まれる場合のみ登記が必要になるのです。

つまり不動産に関しては登記を行い、登記できない財産については個人の財産とは分けて管理することで信託財産であることを示します。

2. 家族信託で必要な登記は2種類!登記は義務付けられている?

不動産が含まれる場合に必要な登記には「信託登記」と「所有権移転登記」の2種類が存在します。

それぞれどのような意味を持つ登記なのか、また登記は義務付けられているのかみていきましょう。

2-1. 信託登記|家族信託契約の内容を登録するための登記

信託登記は該当の不動産が、家族信託において信託された財産であることを公表するために行う手続きです。

具体的には、家族信託において委託者と受託者の間で契約した内容を一般に公示します。

信託登記は受託者が負う分別管理義務によって、行うことが義務付けられています。

不動産登記法第97条によって、信託登記の登記事項が定められており、信託登記の際には下記の11項目を登録しなければなりません。

(信託の登記の登記事項) 第九十七条 信託の登記の登記事項は、第五十九条各号に掲げるもののほか、次のとおりとする。

一 委託者、受託者及び受益者の氏名又は名称及び住所

二 受益者の指定に関する条件又は受益者を定める方法の定めがあるときは、その定め

三 信託管理人があるときは、その氏名又は名称及び住所

四 受益者代理人があるときは、その氏名又は名称及び住所

五 信託法(平成十八年法律第百八号)第百八十五条第三項に規定する受益証券発行信託であるときは、その旨

六 信託法第二百五十八条第一項に規定する受益者の定めのない信託であるときは、その旨

七 公益信託ニ関スル法律(大正十一年法律第六十二号)第一条に規定する公益信託であるときは、その旨

八 信託の目的

九 信託財産の管理方法

十 信託の終了の事由

十一 その他の信託の条項

引用:不動産登記法第97条

信託登記の登録内容が不明瞭な場合には、税務署に指摘を受け、無駄な税金が発生してしまう可能性があるため注意しましょう。

2-2. 所有権移転登記|名義を委託者から受託者へ移転する登記

所有権移転登記とは、不動産の所有権が移転したときに行う登記です。

家族信託では、不動産の所有権を委託者から受託者に移転するため、その際に所有権移転登記を行います。

所有権移転登記は信託登記とは異なり法的義務はありませんが、行わない場合には受託者が第三者に対して権利を主張できなくなってしまいます。

また、所有権がないため、処分や売却といったことを受託者が独断で行うことができず、財産管理の自由度が大きく損なわれます。

なお、所有権移転登記は委託者と受託者が共同で申請しなければなりません。

家族信託を行う際には、信託登記と併せて必ず所有権移転登記も行いましょう。

3. 家族信託の登記における必要書類

家族信託の登記に必要な書類は下記のとおりです。

<家族信託登記の必要書類>

  • 登記申請書
  • 固定資産評価証明書
  • 登記原因証明情報(公正証書で作成した信託契約書など)
  • 不動産の登記済証または登記識別情報
  • 信託目録に記載する情報
  • 委託者と受託者の本人確認書類(運転免許証・マイナンバーカードなど)
  • 委託者の印鑑証明書(発行から3ヶ月以内のもの)
  • 受託者の住民票
  • 委託者の実印と受託者の実印または認印

必要書類の中から、とくに大切な3つをピックアップして解説します。

3-1. 登記申請書

登記申請書は、登記申請の際に法務局へ提出する書類です。

最寄りの法務局または、法務局の公式サイトからダウンロードできます。

所有権移転登記申請書にはさまざまな種類がありますが、家族信託で利用するものは「所有権移転登記申請書 (売買)」です。

登記申請書は基本的に自分で作成することも可能ですが、不安な場合には司法書士に依頼しましょう。

3-2. 固定資産評価証明書または固定資産税課税明細書

固定資産評価証明書は、所有している不動産の資産価値を証明する書類です。

登記の際には、信託財産にどれほどの価値があるのか証明するために添付が必要になります。

なお、固定資産評価証明書は市区町村の役場や出張所で入手可能です。

開庁時間に時間が取れないという方は、同居の親族に委任状を渡し代理申請してもらうといいでしょう。

固定資産税課税明細書は、固定資産税が課税されている土地や家屋の所在・地番・価格などを通知している書類です。

毎年4月〜6月頃に固定資産税の通知書とともに送付されます。

なお、送付時期は自治体によって異なるため、気になる方は管轄の窓口に問い合わせましょう。

3-3. 登記原因証明情報|信託契約書の公正証書が一般的

登記原因証明情報とは、なぜ登記が行われたのかを証明するために提出する情報です。

具体的には下記のように定義されています。

「登記原因証明情報」とは,登記の原因となった事実又は法律行為とこれに基づき現に権利変動が生じたことを証する情報のことをいいます

引用:法務局公式サイト

家族信託の場合には「なぜ不動産の所有権移転が行われたのか」を証明するための情報が必要になります。 そのため、信託内容を記載した信託契約書(公正証書)の内容が引用されることが一般的です。

「〜〜という目的から家族信託を行い、信託財産に不動産を指定したため、該当の不動産を登記することになりました。」

ということを登記官に伝えるために、登記原因証明情報が登記には必要なのです。

4. 家族信託おける登記手続きの流れ

家族信託の登記手続きは、下記の流れで進めていきましょう。

<登記手続きの流れ>

  1. 登記に必要な書類を準備する
  2. 登記申請を法務局に提出する
  3. 登記簿の公示・登記簿謄本(登記事項証明書)の取得

信託登記・所有権移転登記はどちらも同じ場所で申請できるため、流れを理解して同時に進めていくことがおすすめです。

4-1. 登記に必要な書類を準備する

まずは登記に必要な書類を準備しましょう。

必要書類のなかには、住民票や固定資産評価証明書など、役場での手続きが必要な書類もあります。

インターネットからダウンロードできるものは自宅でも入手できますので、直接出向く必要がある書類を優先的に準備するといいでしょう。

管轄の法務局によっては、必要書類や本人確認書類に差異があるため、事前に電話などで確認を取ることがおすすめです。

4-2. 登記申請を法務局に提出する

必要書類が準備できたら、最寄りの法務局に登記申請を提出しましょう。

提出方法は下記の3つから選択可能です。

<登記申請の方法>

  • 法務局に直接提出
  • 郵送で提出
  • 電子申請で提出

法務局は平日の午前8時30分から午後5時15分までが受付時間となっています。

そのため、時間が取れないという場合には、郵送か電子申請を選択するといいでしょう。

なお、司法書士であれば依頼人に変わり代理申請が可能なため、司法書士に依頼することもおすすめです。

4-3. 登記簿の公示・登記簿謄本(登記事項証明書)の取得

登記申請が完了すると公示までに、時期によっては数日で、一般的には10日〜1ヶ月ほどの時間を要します。

登記が完了したら一般に向けて登記情報が公示されます。

不動産登記の場合、閲覧に必要な情報と手数料があれば誰でも請求が可能になります。

登記が完了したら、申請した法務局やインターネットから登記簿謄本の請求申請を行いましょう。

<登記簿謄本の請求に必要なもの・情報>

  • 登記簿謄本または登記事項証明書:1通につき600円
  • 請求する不動産(土地・家屋)の所在地番
  • 家屋番号
  • 会社・法人の場合は商号(法人名)
  • 本店

請求はいつでも可能ですが、登記が完了したら早い段階で請求しておくことがおすすめです。

5. 家族信託手続きで登記が必要なタイミング

家族信託手続きでは信託の開始時だけでなく、ほかのタイミングでも登記が必要な場合があります。

主に下記の場合に登記申請が必要になりますので、整理しておきましょう。

<登記申請のタイミング>

  • 家族信託の開始時
  • 委託者・受託者・受益者の変更時
  • 信託内容の変更時
  • 信託不動産の売却時
  • 家族信託の終了時

それぞれのタイミングでの、登記の目的・原因・費用(登録免許税)を解説します。

5-1. 家族信託の開始時

家族信託の開始時には「信託登記」・「所有権移転登記」が必要です。

委託者と受託者が共同で登記を行います。

項目 内容
登記目的 信託・所有権移転
原因 年月日信託
登録免許税

所有権移転:特例により非課税

信託(土地):固定資産税評価額の0.3% 

信託(建物):固定資産税評価額の0.4%

登記に際してかかる登録免許税は、家族信託を原因とした所有権移転登記の場合、特例が適用されるため非課税となります。

信託登記については、土地に対して固定資産評価額の0.3%、建物に対しては0.4%かかるため注意しましょう。

5-2. 委託者・受益者の変更時

一般的な家族信託では、委託者と受益者が同一のため、委託者の死亡によって相続が発生した場合などには、委託者・受益者をどちらも変更する必要があります。

<委託者の変更時>

項目 内容
登記目的 委託者変更
原因 所有権移転:年月日変更
登録免許税 変更登記:不動産1つにつき 1,000円

<受益者の変更時>

項目 内容
登記目的 受益者変更
原因 所有権移転:年月日相続(売買・贈与)
登録免許税 変更登記:不動産1つにつき 1,000円

どちらの手続きも、受託者が単独で行うことが可能です。

また、相続ではなく受益権を誰かに贈与した場合には、受益者のみ変更が必要になります。

5-3. 信託内容の変更時

家族信託は長期の契約になるため、信託内容を途中で変更することもあるでしょう。

当初の登記内容と異なる場合には、変更部分について登記が必要です。

項目 内容
登記目的 管理方法変更 など
原因 所有権移転:年月日変更
登録免許税 変更登記:不動産1つにつき 1,000円

この登記も受託者が単独で行うことが可能です。

5-4. 信託不動産の売却時

家族信託では委託者の介護・生活費用を捻出するために、信託不動産を売却することもあるでしょう。

そうなった場合には、所有権は購入者に移り、家族信託は無かった状態に戻す必要があります。

そのため、所有権移転登記と信託登記の抹消を行いましょう。

項目 内容
登記目的 所有権移転・信託登記抹消
原因 所有権移転:年月日売買
信託登記抹消:信託財産の処分
登録免許税 所有権移転分:固定資産評価額の2%
信託抹消分:不動産1つにつき 1,000円

この場合には、受託者と不動産の購入者が共同で登記を行う必要があります。

5-5. 家族信託の終了時

家族信託の終了時には、信託登記の抹消と帰属権利者への所有権移転登記が必要です。

項目 内容
登記目的 所有権移転・信託登記抹消
原因 所有権移転:年月日信託財産引継
信託登記抹消:信託財産引継
登録免許税 所有権移転分:固定資産評価額の2% または0.4% 
信託抹消分:不動産1つにつき 1,000円

この場合には、受託者と帰属権利者が共同で登記を行いましょう。

  • 家族信託の終了によって帰属権利者に移転する
  • 帰属権利者が信託開始時時点で委託者の相続人である
  • 信託の開始から終了まで委託者と受益者が同一である

これらの要件を満たす場合には、登録免許税が固定資産税評価額の0.4%に減額されます。

6. 家族信託の登記にかかる費用

家族信託登記にかかる費用は、3つに分類できます。

<登記にかかる費用の内訳>

  • 登録免許税
  • 実費
  • 司法書士依頼報酬

それぞれ、どのくらいの費用が必要になるかみていきましょう。

6-1. 登録免許税

登録免許税は、登記手続きの際に国に納める税金です。

登記する不動産や内容によって、必要な金額が異なるため注意しましょう。

<登録免許税の税率・金額>

内容 税率
不動産の信託登記 土地:固定資産税評価額の0.3%
建物:固定資産税評価額の0.4%
不動産の所有移転登記 固定資産評価額の2%または0.4%
信託の変更登記 不動産1つにつき1,000円
信託の抹消登記 不動産1つにつき1,000円

信託の変更・抹消は1つにつき1,000円かかります。

そのほかの場合には、税率が異なりますので、不動産の固定資産評価額をもとに金額を算出しましょう。

6-2. 書類収集費用などの実費

家族信託の登記で必要になる実費は、主に書類の収集費用です。

<実費の内訳>

  • 固定資産評価証明書:1通につき200〜400円
  • 不動産の登記済証:1通につき600円
  • 印鑑証明書:1通につき450円
  • 住民票:1通につき200円

これらの書類の収集費用が実費として発生します。

一通あたりの手数料になるため、信託不動産が増えるごとに実費も増加しますので注意しましょう。

6-3. 司法書士依頼報酬

信託登記・所有権移転登記を登記のプロである司法書士に依頼する場合には、司法書士への依頼報酬も発生します。

費用は依頼する専門家によって異なりますが、不動産1件あたり5〜15万円ほどが相場となっています。

決して安い金額ではありませんので、依頼する際には慎重に依頼先を選択しましょう。

7. 家族信託で登記する際の注意点

家族信託で登記を行う際には、注意点が2つあります。

  • 将来を考え信託目録の内容を決定する
  • プライバシー情報を登記事項に記載しない

どちらも家族信託を遂行するうえで重要なので、整理しておきましょう。

7-1. 将来を考え信託目録の内容を決定する

信託登記を行う際には、不動産の管理・処分を行うにあたって将来的に必要になる事項を、信託目録に記載しましょう。

信託登記では、委託者と受託者で信託目録の決定が可能です。

よくある勘違いとして、信託契約に記載があるからと、信託目録に記載しない項目がありますが、信託目録に記載しない項目は効力が発揮されませんので注意しましょう。

信託目録の作成は、想定しているよりもさまざまな知識が必要になるため、不安な場合には専門家への相談がおすすめです。

7-2. プライバシー情報を登記事項に記載しない

信託登記の登記事項には、プライバシー情報を記載しないようにしましょう。

たとえば、誰が帰属権利者になっているか(実質的な相続人)など。

信託登記の情報は一般に向けて公示されるため、必要な情報を持っていれば誰でも閲覧可能な状態になります。

そのため、必要以上の情報を登記事項に記載してしまうと、プライバシーが侵害されてしまう可能性があるのです。

信託契約書の公正証書を引用するなど、具体的な内容を避けながら記載する方法などもありますので、専門家と相談しながら内容を決定するといいでしょう。

8. 家族信託の登記に関してよくある質問

家族信託の登記に関して、よくある質問を2つピックアップして紹介します。

<家族信託登記のよくある質問>

  • 登記期限はある?
  • 不動産所得税はかかる?

疑問を解消して、家族信託の登記をスムーズに進めましょう。

8-1. 登記期限はある?

「所有権移転登記」・「信託登記」のどちらにも法的な期限は設けられていません。

しかし、家族信託によって財産を管理する場合には、実務的に大きな問題が発生するため、開始と同時に行う必要があります。

また、分別管理義務に違反することになりますので、家族信託を開始する際には必ず登記を行いましょう。

8-2. 不動産所得税はかかる?

家族信託の登記では、不動産所得税はかかりません。

通常、不動産の所有権を取得した場合、不動産取得税がかかります(固定資産評価額の3~4%)。

しかし、家族信託での所有権移転登記では、登録免許税のみが必要で不動産取得税はかかりません。

9. 家族信託で不動産がある場合には登記が必要!

家族信託ではさまざまな財産を信託可能ですが、不動産が含まれる場合には登記が必要です。

登記には「所有権移転登記」と「信託登記」の2種類が存在します。

信託登記は法的に義務付けられていますが、所有権移転登記は義務付けられていません。

しかし、実務上で大きなリスク抱えることになるため、所有権移転登記も必ず行いましょう。

登記の手続き自体は誰でも行うことができますが、信託目録への記載事項や記載方法などは専門的な知識が必要です。

そのため、家族信託で不動産を信託財産とする場合には、専門家に相談しましょう。

日本クレアス税理士法人では、司法書士と連携して家族信託をトータルサポートいたします。

不動産の登記手続きも可能ですので、お気軽にご連絡ください。

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