ビジネス情報誌「ANGLE-アングルVol.46」(2017年2月1日発行)より、当社の執行役員でもある税理士が執筆を行った税務トピックスをご紹介します。
相続税が増税された影響もあり、「生前贈与」を検討する方が増えています。
生前贈与とは、子供や孫に預貯金などの財産を生前に移転することを言います。生前に相続財産を減らすことができるため、有効な相続対策になります。
平成28年中に行った贈与で、贈与税の申告が必要な場合は、平成29年2月1日から3月15日に申告してください。
生前贈与にありがちな落とし穴とは?
生前贈与をしたつもりでも、税務の観点からは「贈与になっていない」ことが多く見受けられます。下記のようなケースは、「贈与契約は無効である」可能性があります。チェックしてみてください。
子供名義の預金口座を親が管理している
子供名義の口座の銀行印や預金通帳を親が管理していませんか?
毎年110万円ずつ贈与をしている
同じ金額を毎年、同じような時期に贈与していませんか?
子供名義の預金口座があるが、子供はその存在を知らない
あげる側の一方的な意志によるもの……ではないでしょうか?
贈与契約は、あげる側ともらう側の双方の合意があった場合に成立します。そのため、子供名義の預金口座があるだけでは贈与したとは認められません。
受け取る側のお子さん自身がその口座について認識し、いつでも引き出せるような状態にあることが求められます。
また、毎年同じ時期に同じ金額を贈与している場合、定期贈与と認識される恐れがあります。定期金に対する課税は、多額の贈与税がかかることもありますのでご注意ください。
確実に贈与するには?
このような贈与を放置しておくと、どうなるのでしょうか?
相続税の税務調査などでチェックされ、納税額が増える可能性があります。上記のように、形式的には家族の名前で預金しているが、実質的にはそれ以外の真の所有者がいる状態の預金を「名義預金」と言います。名義預金は、税務調査において指摘を受けることが最も多いものです。
- 子供名義の預金口座は、子供が通帳も印鑑も管理すること!
- 定期的な贈与とみなされないよう、現金、株式など贈与財産の種類、贈与する時期を分散させて!
- 生前贈与や相続対策については、専門家に相談しよう!
確実に贈与をするには、まずは上記の1~3を実践していただければと思います。
さらに、近年、世代間の資産移転を図るために、「子の教育資金の一括贈与」「住宅取得資金の贈与」等の制度が制定されました。これらは比較的大きな金額を一度に贈与することが可能ですので、検討してみてはいかがでしょうか?
日本クレアス税理士法人では、ビジネス情報誌「ANGLE」を発行しています。
2017年2月号(Vol.46)では、グループ代表の中村による経営メモ「今月のテーマ:売上か、利益か?」に始まり、税務トピックス「平成28年度の確定申告とマイナンバー」、クラブCAの振り返りとして特別コンテンツ「2017年、米国大統領選の影響とグローバル・日本経済の見直し」など、グループの各法人が旬な情報をお届けしています。
お客様に郵送で届けているほか、日本クレアス税理士法人のWebサイトでも全編をPDFで公開をしています。よろしければぜひご覧ください。
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