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税理士監修記事

自筆証書遺言vs公正証書遺言 どちらに軍配?-自筆証書遺言保管制度

公開日:2020.12.3 更新日:2020.12.03

平成31年1月13日、自筆証書遺言の書き方に関する法律改正が、令和2年7月10日に自筆証書遺言の保管等に関する法律が施行され、 作成方式の緩和や安全性の向上などにより、自筆証書遺言の作成が身近なものになりました。ですが、そもそもどういった法改正だったのか、本当に便利になっているのか、あまり知られていないのが実情です。

目次

自筆証書遺言保管制度について
法務局保管のメリットとは
検認不要も大きな改正点
手続きの進め方においては公正証書遺言に軍配
保管制度は「遺言としての能力」を担保しない
第三者による預け入れは一切できない
公正証書遺言に軍配が上がる?

自筆証書遺言保管制度

自筆証書遺言保管制度について

従来は自筆証書遺言を作成したら、自宅などに保管をする方法が一般的でした。 しかしこれでは、遺言書が作成された後に、不利益な遺言を書かれた相続人によって内容を改ざんされる、あるいは秘匿や破棄されてしまうといった危険性や、そもそも遺言書自体を本人が紛失してしまう可能性もがありました。

そこで法律が新設され、令和2年7月10日に法務局での保管サービスが開始しました。

なぜ法務局か、ということについては、公的機関であり、全国一律のサービスを提供可能な点や、利用者のプライバシーを保護できる点などが挙げられます。

また昨今、所有者不明の空き家が話題になっていますが、この制度を利用して法務局に遺言書を預けた場合、相続後に一度は必ず法務局に足を運びますので、相続登記の促進につなげること出来るという狙いもあるようです。

法務局保管のメリットとは

法務局の保管制度を利用した場合、自筆証書遺言は当然のことながら法務局で保管をされますので、作成後改ざんの可能性は一切なくなります。 また遺言書が紛失、亡失してしまう事もありません。

自宅に保管をしていた際の危険性が法務局に預けることによって払拭されるという意味で、まずこの点は大きなメリットであると言えます。この安全性の高さが大きなメリットでしょう。

また、公正証書遺言と比較して、保管制度を利用した場合の費用の安さもメリットの一つに挙げられます。

公正証書遺言では公証役場にて相続財産の価格に応じ、公証人に対する費用が発生し、この費用が資産家の場合、何十万と高額になるケースもありますが、保管制度利用の場合、そもそも遺言書自体は自分で作成しますので、費用は発生しません。

また、保管制度の利用料は、遺言書の保管年数に関わらず、遺言書1通につき3,900円で利用することができてしまいます。その為、公正証書遺言と比較して安価に預け入れ可能な点に関しても保管制度のメリットといえるのではないでしょうか。

そして、現在はまだサービス開始しておりませんが、以下2種類の通知サービスがあることも、保管制度を利用するメリットと言えそうです。

  1. 遺言者が死亡した際に、あらかじめ遺言者が指定していた人に対して、遺言書を保管していることを通知する死亡時通知
  2. 法務局に保管されている遺言書を相続人等が閲覧した際に、相続人・受遺者・遺言執行者等の相続の関係者の全員に通知がされる関係遺言書保管通知

検認不要も大きな改正点

保管制度のメリットとしてよく取り上げられているのが、裁判所の検認が不要、という点です。(自筆証書遺言は、相続発生後に必ず裁判所で、検認、という手続きを経る必要があります。検認の制度や手続き方法についてはこちらのコラムをご参考ください。「遺言書は検認が必要!手続きの方法や注意点とは?」)

法務局の保管制度では、以下3点の確認を行ったうえで保管をするため、検認が不要になります。

1.様式を満たすかの外形的チェック・確認
2.遺言書を自署したかどうかの確認
3.本人であることの確認

ただし、「外形的チェック」と「検認が不要」という点については、純粋にメリットとは言えない側面もあります。

手続きの進め方においては公正証書遺言に軍配

保管制度を利用した「検認不要」は、その手続きの進め方の観点では必ずしもメリットとは言い切れません。

それは、相続開始後に法務局で遺言書の請求をする際に、裁判所に検認を申し立てる時と全く同じ書類(被相続人の連続戸籍や相続人全員の戸籍など)を提出しなければいけないからです。

その為、相続開始後に手続きに向かう先が裁判所か、法務局か、という違いしかないですし、公正証書遺言では、作成時点で原本と同じ効力をもつ正本を交付されますので、公証役場に受け取りに行かなくても、その正本で手続きを進めることが出来るため、手続きの進め方の点では公正証書遺言が便利ともとれます。

保管制度は「遺言としての能力」を担保しない

また、法務局での「外形的チェック」とは、自筆証書遺言として自筆であるかどうか、日付や氏名の自書があるか、押印があるか等、その要件を満たしているかどうかのみであり、遺言書の文章や内容についてのチェックは一切行いません

つまり、その遺言書で不動産の名義変更や、預金の解約など相続手続きができるかどうか、といった「遺言としての能力」を担保してくれるものではないということも理解しておく必要があります。

第三者による預け入れは一切できない

そして、もう一点、遺言者本人以外の親族や、弁護士など代理人による預け入れは一切不可となっていることにも注意が必要です。(但し、介助等の理由で付添人として同席することは可能。)

法務局も遺言者と直接やり取りをして、保管の受付をすることで遺言者本人であると断定する必要がありますが、遺言者の入院、療養などにより出歩けない状態であっても、現時点では法務局の職員が遺言者の自宅や病院、老人ホームなどに訪問をしてくれるといったサービスもありませんので、遺言者の健康状態によっては致命的な欠点かもしれません。

その他、預け入れる遺言書に関してはデータ保管の仕様上の関係か、遺言書や財産目録の用紙サイズや、余白の幅などの作成に関わる制限などもあり注意が必要です。

公正証書遺言に軍配が上がる?

ここで上げた欠点に関して、公正証書遺言と比較してみます。

1.作成時に正本をもらえるので、裁判所に検認、あるいは法務局に遺言書の請求に行く必要はない

2.公証人が作成に関与する為、遺言能力は高い確率で担保されている

3.遺言者が病気などの理由で出歩けないとしても、公証人であれば訪問対応が可能である

4.交渉役場にて遺言書自体の作成を行うため、遺言者が様式等に頭を悩ませる必要はない

公正証書遺言であれば、保管制度の欠点、注意点は解消できると思われます。

特に、2つ目の遺言書自体の遺言能力に関しては、遺言書を遺したにも関わらず、名義変更や預金の解約が行えないとなっては、残された相続人も困ってしまいますし、それはなにより遺言者の本意ではないと思います。

もちろん、自筆証書遺言+保管制度の、いつでも作成できるというお手軽さと、保管料などのコスト面の安さには、公正証書遺言では勝てません。

その点に関しては自筆証書遺言に軍配が上がるとも言えますが、公証人を通して公証役場で作成する煩わしさや、公証人に対する費用など、すべては、遺言者の意思を確実に実現する、高い確率で担保された「遺言書としての能力」に対する必要コストとも考えることができます。

不確実性の残ってしまう自筆証書遺言を作成する前に、公正証書遺言の作成も候補のひとつとして検討してみる価値はあるのではないでしょうか。

日本クレアス税理士法人では、遺言作成に際しての、相続財産の洗い出しや試算、遺留分対策、税額シミュレーションのほか、公正証書遺言を作成する際の面倒な公証役場とのやり取り、日程調整などのサポート業務も行っており、相続に関するご相談を無料で承っております。

ご自身で遺言書を書き始める前に、まずはお気軽にお問い合わせください。

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