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ーコラムー
贈与税
税理士監修記事

贈与税に申告期限はある?必要なケースや遅れのペナルティを解説!

公開日:2025.1.27 更新日:2025.02.14

祖父母や両親からお金をもらったけれど、いつまでに贈与税の申告をしなければならないの?とお困りではありませんか。

贈与税は申告期限が定められているので、いつまでに納めればいいかを確認しておくことが大切です。

遅れた場合はペナルティを課せられるため注意しましょう。

この記事では、贈与税の申告期限はいつまでかを解説します。

申告が必要なケースや遅れた場合のペナルティも紹介するので、誰かからお金を受け取る可能性がある方は参考にしてください。

1. 贈与税の申告期限はいつまで?【翌年の2月1日〜3月15日】

1. 贈与税の申告期限はいつまで?【翌年の2月1日〜3月15日】

贈与税の申告期限は、財産をもらった年の翌年2月1日~3月15日までです。

たとえば、2024年10月に200万円をもらった場合は、2025年の2月1日~3月15日までの間に申告を済ませなければなりません。

申告の流れは以下の通りです。

  1. 必要な書類をそろえる
  2. 申告書を作成する
  3. 住む地域を管轄する税務署に提出する
  4. 税金を納める

基礎控除の110万円を超える財産を受け取ったら、まずは申告に必要な書類を用意しましょう。

必要な書類は以下の通りです。

  • 相続税申告書 第1表(暦年課税を選択する場合)
  • 相続税申告書 第1・2表(相続時精算課税、または暦年課税+相続時精算課税を選択する場合)
  • 本人確認書類
  • 財産をもらった人の戸籍謄本(特例税率を適用した暦年課税で、課税価格が300万円以上の場合)
  • 土地の評価証明書(評価が必要な土地をもらった場合)
  • お金をあげた人の戸籍謄本・戸籍の附票の写し・相続時精算課税選択届出書(相続時精算課税を選択する場合)
  • お金をもらう人の戸籍の附票の写し・住民票の写し(相続時精算課税を選択する場合)

贈与時に暦年課税と相続時精算課税のどちらを選ぶか、特例や非課税枠を適用するかで用意する書類が変わります。

申告書の第1表はすべてのケースで必要になるため、必ず用意しましょう。

申告書は税務署で直接もらうこともできますが、国税庁のホームページからダウンロードすることも可能です。

ダウンロード後、必要事項を記入したらe-Taxで提出しましょう。

作成した申告書を印刷し、窓口から直接申告、または書類を郵送する方法もあります。

2. 贈与税の申告が必要な3つのケース

2. 贈与税の申告が必要な3つのケース

祖父母や両親からお金や不動産などの財産をもらったけれど、申告は必ず必要なの?と気になっている方も多いでしょう。

  • 1年間の受贈額が110万円を超えている場合
  • 相続時精算課税を適用する場合
  • 特定の非課税制度を使う場合

ここでは、申告が必要な3つのケースを解説します。

2-1. 1年間の受贈額が110万円を超えている場合

1年間に受け取った金額が110万円を超える場合は、翌年に申告しましょう。

贈与税には110万円の基礎控除があります。

110万円を超える部分は課税対象となるため、税額を計算したうえで申告書を作成しなければなりません。

贈与税の申告をする際は、暦年課税と相続時精算課税のどちらかを選択する必要があります。

暦年課税は基礎控除を超える贈与分にかかる贈与税をその都度支払うもの、相続時精算課税は贈与分を相続財産に加算するものです。

以前までは暦年課税にのみ110万円の控除枠が設けられていたものの、令和6年施行の税制改正によって相続時精算課税にも110万円の枠が設けられました。

そのため、どちらを選んでも110万円以下であれば申告は不要です。

2-2. 相続時精算課税を適用する場合

相続時精算課税を選択する場合は、合計で2,500万円以下の贈与税を払わずに済みます。

相続時精算課税とは、贈与で受け取った財産の合計額にかかる贈与税額を、相続財産の課税価額に加算する制度です。

贈与税を支払わずに済むメリットがある一方で、相続税の負担が重くなるデメリットがあります。

前述したように、税制改正によって相続時精算課税にも110万円の基礎控除枠が設けられたので、控除内であれば申告は必要ありません。

ただし、相続時精算課税を選択した初年度は届出書を出さなければならないので、忘れずに作成して提出しましょう。

2-3. 特定の非課税制度を使う場合

非課税制度や特例を利用する場合は、税務署への申告が必要なケースもあります。

何を利用するかによって申告の有無が異なるため、まずは申告が必要な非課税・特例を見てみましょう。

  • 配偶者控除
  • 住宅取得資金の非課税

それぞれの控除や非課税枠を適用するには、必要書類を用意して管轄の税務署に提出する必要があります。

もらったお金や建物が控除や非課税枠の範囲内だったとしても、適用するための手続きを行わなければなりません。

続いて、申告が不要な非課税制度を見てみましょう。

  • 教育資金の非課税
  • 結婚・子育て資金の非課税
  • 障害のある子どもへの贈与の非課税

上記3つは税務署に申告する必要はありません。

ただし、贈与専用の口座を開設し、金融機関を介して税務署に申告書を提出しなければならないので、非課税枠を利用する流れを把握しておくことが大切です。

3. 必要な申告期限に遅れてしまった場合のペナルティ

3. 必要な申告期限に遅れてしまった場合のペナルティ

贈与税が発生すると思っていなかった、または申告期限までに書類を用意できなかった場合、ペナルティが課せられます。

  • 無申告加算税
  • 延滞税
  • 重加算税

ペナルティには3つの種類があり、いずれも重い内容になっているため、事前に確認しておきましょう。

3-1. 無申告加算税|5〜30%

定められた期限までに申告をしなかった場合は、5~30%のペナルティが課せられます。

期限内に申告しても、内容が誤っていて3月15日までに修正できなかった場合もペナルティの対象です。

課せられる税率は以下のとおりです。

無申告加算税

引用:財務省「加算税の概要」

例として、祖父母から600万円を受け取ったが申告しなかったケースを見てみましょう。

600万円の贈与税額の計算方法は、600万円-110万円(基礎控除)=490万円、祖父母からの贈与なので特例税率を適用し、490万円×20%(税率)-30万円(控除額)=68万円が贈与税額です。

50万円以下の部分は15%、以上の部分には20%が適用されます。

50万円×15%+18万円×20%=11.1万円がペナルティ額です。

申告していなかった68万円とあわせて、79.1万円を納めなければなりません。

期限後、税務署から指摘される前に申告をした場合はペナルティが適用されないケースもあります。

正当な理由があって申告できなかったと判断された、または納期限後1カ月以内にされた一定の申告であればペナルティから逃れられるかもしれません。

3-2. 延滞税|7.3%または14.6%

無申告加算税や重加算税のほかに、遅れた日数分の延滞税が加算されます。

税率は遅れた日数によって変わります。

期限後2カ月以内の場合は7.3%か延滞税特例基準割合の2.4%、2カ月を過ぎた場合は14.6%か延滞税特例基準割合の8.7%です。

税率は、いずれか低い方が適用されます。

例として、祖父母から600万円を受け取ったものの、正当な理由なく30日間申告を延滞してしまったケースを見てみましょう。

この場合のペナルティ額は11.1万円、600万円にかかる贈与税68万円とあわせて79.1万円を納めなければなりません。

期限から30日延滞しているため、税率の低い延滞税特例基準割合の2.4%を掛けて延滞税を算出します。

68万円×2.4%×30÷365=1,341円となり、納めるべき贈与税+無申告加算税+延滞税すべてあわせて79万2300円を支払います。

延滞税含め加算税は、100円未満は切り捨てです。

延滞税の税率は、年度によって異なるため、計算する前に国税庁のホームページを確認しましょう。

3-3. 重加算税|35〜50%

お金を受け取った事実を隠ぺいした、または納税負担を抑えるために虚偽の内容を申告した場合は重加算税が課せられます。

ペナルティのなかでも特に税率が高いため、贈与の申告は必ず行うことがおすすめです。

税率はケースによって異なります。

事実を仮装して小額で申告していた場合は35%、無申告で贈与を隠ぺいしようとしていた場合は40%です。

例として、祖父母からもらった600万円を隠ぺいし、40日間申告しなかったケースを見てみましょう。

本来納めるべき贈与税額68万円に加え、68万円×40%=27万2,000円の重加算税が加わります。

さらに、40日間延滞しているので、68万円×2.4%×40÷365=1788円、100円未満を切り捨てた1700円が加算されます。

68万円+27万2,000円+1,700円=95万3,700円を納めなければなりません。

重加算税はペナルティの内容が非常に重いため、贈与の隠蔽や仮装を避けることが大切です。

さらに詳しくペナルティについて知りたい方は、下記記事も併せてご覧ください。

【関連記事】贈与税の申告漏れはばれる?ばれるタイミングやペナルティについて

4. 贈与税の申告が不要なケースもある

4. 贈与税の申告が不要なケースもある

ペナルティを課せられると困るから、すぐに申告しようと考えた方も多いでしょう。

しかし、贈与のなかには申告が不要なケースもあるため、自身に申告が必要かを見極めることが大切です。

  • 生活費・教育費に該当する贈与の場合
  • 社会通念上、必要と認められる場合
  • 申告が不要な非課税制度を使う場合

ここでは、申告が不要なケースを紹介します。

4-1. 生活費・教育費に該当する贈与の場合

祖父母や両親などの扶養義務者からお金を受け取り、生活や進学などに使った場合は贈与とみなされません。

たとえば、実家を離れて高校や大学の寮に入る際は、定期的に仕送りをもらうでしょう。

もらったお金を生活用品の購入や授業料などに充てれば、通常必要な費用と判断されます。

ただし、生活や教育に関係のないものに使った場合は贈与と判断される恐れがあります。

贈与税の納税を避けるためにも、正しい用途で使いましょう。

4-2. 社会通念上、必要と認められる場合

個人間の贈与で社会通念上、必要だと認められる場合も贈与税の申告は不要です。

社会通念上、必要だと認められる例は以下の通りです。

  • 香典
  • 花輪にかかる費用
  • 年末年始の贈答品
  • お祝いの際の品
  • 見舞いの品

これらを受け取っても、贈与とは判断されません。したがって、申告・納税どちらも不要です。

4-3. 申告が不要な非課税制度を使う場合

税務署への申告の必要がない非課税制度を使う場合も不要です。

前述したように、結婚・子育て資金や教育資金の贈与は税務署に申告する必要はありません。

正しい手続きで非課税枠内のお金を受け取り、全額活用することで贈与税なく資金を入手できるでしょう。

ただし、非課税枠を超える部分には贈与税が発生するので、受け取る額をきちんと確認することが大切です。

手続きを進める前に、双方で非課税の額と贈与する金額を話し合っておきましょう。

5. 贈与税の申告期限についてよくある質問

5. 贈与税の申告期限についてよくある質問

贈与税の申告期限について気になることがあると悩む方も多いでしょう。

  • 贈与税は払えないけど申告期限は守るべき?
  • 相続時精算課税・住宅取得等資金贈与は期限後でも申告できる?
  • 時効を迎えれば申告期限が過ぎていても問題ない?

ここでは、よく寄せられる質問を紹介しますので、不明点がある方はぜひ参考にしてください。

5-1. 贈与税は払えないけど申告期限は守るべき?

贈与税を払えない場合は、条件を満たすことで利用できる延納制度を活用することがおすすめです。

延納制度を利用できる条件を見てみましょう。

  • 贈与税額が10万円以上である
  • 現金での納付が困難だといえる範囲内である
  • 延納申請書、および担保提供関係書類を提出する
  • 延納する額に相当する担保を提供する

上記4つを満たす場合は、延納制度の利用が可能です。

ただし、延納税額が100万円以下で3年以内に支払える場合は担保は不要です。

何の申請もせずに期限を過ぎると、納めるべき贈与税額にペナルティが課せられます。

支払い額が多くなってしまうため、まずは税務署に相談することが大切です。

5-2. 相続時精算課税・住宅取得等資金贈与は期限後でも申告できる?

期限後に相続時精算課税・住宅取得等資金贈与の申告は受け付けられません。

相続時精算課税を適用するときは、届出書を提出する必要があります。

贈与税の申告のみ済ませ、届出書を出していない場合は、期限後に提出しても適用されません。

また、住宅取得等資金についても同様です。

いくつかの特例は、期限後に申告しても非課税や特例が適用できる宥恕規定(ゆうじょきてい)というものがあります。

しかし、住宅取得等資金には規定がないので、期限後に適用することができません。

5-3. 時効を迎えれば申告期限が過ぎていても問題ない?

時効を迎えていれば納税義務は消失するため、問題はありません。

ただし、時効は6~7年と非常に長く、その間に税務調査が入る可能性があります。

税務調査によって滞納がわかれば、ペナルティを加えた税額を払うことになるため、時効を待つことはおすすめできません。

時効の年数は、納税が発生していることを知らなかった場合は6年、納税義務があることを知りながら払わなかった場合は7年です。

いずれにしても期間が非常に長いため、ペナルティを課せられる前に納めることが大切です。

6. 贈与税の申告期限を守って正しく節税しよう

6. 贈与税の申告期限を守って正しく節税しよう

贈与税は、財産をもらった年の翌年2月1日~3月15日までが申告期限です。

期間内に申告と納税を済ませることで、ペナルティのリスクを抑えられます。

本来納めるべき納税額の支払いだけで済むため、早めに申告を済ませましょう。

ただし、なかには贈与税の申告が不要なケースもあります。

不要なケースに該当すれば申告書を作成・提出する手間も、納税する必要もありません。

まずは自身のケースの申告可否を確認し、必要な場合は期限までに手続きを進めましょう。

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