贈与税

贈与税の申告方法・必要書類・期限を完全解説|申告不要な場合や令和6年改正対応(2026年)

監修

中村亨

日本クレアス税理士法人 代表 税理士 公認会計士

贈与税の申告は贈与を受けた年の翌年2月1日〜3月15日が期限です。申告が必要なケースを見落とすとペナルティが発生します。この記事では、申告の要否・手順・必要書類・令和6年改正への対応を解説します。

1. 贈与税の申告が必要・不要なケースの判定

1-1. 贈与税の申告義務があるのは「財産をもらった人」

贈与税は財産を受け取った人(受贈者)に課税され、申告義務も受贈者にあります(相続税法第21条)。

1-2. 申告が必要なケース・不要なケース

ケース申告納税
年間110万円以下の贈与(暦年課税)不要不要
年間110万円超の贈与(暦年課税)必要必要(税額が生じる場合)
相続時精算課税制度を選択している必要(税額がゼロでも)税額がある場合のみ
住宅取得等資金の非課税特例を利用必要不要(非課税範囲内)
教育資金・結婚子育て資金の一括贈与特例必要不要(非課税範囲内)

※相続時精算課税制度を選択した年以降は、贈与額が年間110万円以下でも毎年申告が必要です(2024年1月1日以降の贈与から110万円の基礎控除が追加)。

2. 贈与税の申告期限と納付方法

項目内容
申告期限贈与を受けた年の翌年2月1日〜3月15日
提出先受贈者(もらった人)の住所地を管轄する税務署
納付期限申告期限と同じ(3月15日)
納付方法e-Tax・インターネットバンキング・クレジットカード・コンビニ・金融機関窓口など

参考:国税庁 No.4429 贈与税の申告と納税

3. 贈与税の税率(速算表)

3-1. 特例税率(直系尊属から18歳以上への贈与)

基礎控除後の課税額税率控除額
200万円以下10%
300万円以下15%10万円
400万円以下20%30万円
600万円以下30%90万円
1,000万円以下40%190万円
1,500万円以下45%265万円
3,000万円以下50%415万円
3,000万円超55%640万円

3-2. 一般税率(特例税率が適用されない場合)

基礎控除後の課税額税率控除額
200万円以下10%
300万円以下15%10万円
400万円以下20%25万円
600万円以下30%65万円
1,000万円以下40%125万円
1,500万円以下45%175万円
3,000万円以下50%250万円
3,000万円超55%400万円

参考:国税庁 No.4408 贈与税の計算と税率(暦年課税)

4. 令和6年改正:相続時精算課税の変更点(2024年〜)

2024年1月1日以降の贈与から、以下の改正が適用されています。

改正内容改正前改正後(2024年〜)
相続時精算課税の年110万円基礎控除なし(110万円以下でも申告必要)追加。110万円以下は申告不要・相続時の加算対象外
暦年贈与の生前贈与加算期間相続前3年相続前7年に段階的延長(最終は2031年〜)

相続時精算課税制度を選択している方は、2024年以降の贈与で年間110万円以下であれば申告不要になりました。ただし届出書の提出(初回のみ)は引き続き必要です。

参考:国税庁 No.4103 相続時精算課税の選択

5. 贈与税の申告に必要な書類

5-1. 全員共通

  • 申告書第1表
  • 本人確認書類(マイナンバーカード、または番号確認書類+身元確認書類)

5-2. 暦年課税・特例税率を使う場合(課税額が300万円超)

  • 受贈者(もらった人)の戸籍謄本(贈与者との関係確認のため)

5-3. 相続時精算課税制度を利用する場合

  • 受贈者の戸籍謄本・戸籍附票
  • 相続時精算課税選択届出書(初回のみ)
  • 贈与者の戸籍附票・住民票のコピー(60歳以降取得分)
  • 申告書第2表

5-4. 住宅取得等資金の非課税特例を利用する場合

  • 受贈者の戸籍謄本・住民票・所得証明書類
  • 不動産の登記事項証明書
  • 売買契約書または工事請負契約書
  • 申告書第1表の二

6. 贈与税申告書の種類と書き方

申告書対象者主な記載項目
第1表(全員)贈与税申告をする全員申告者情報・贈与者情報・受け取った財産の種類・金額・日付
第1表の二住宅取得等資金の非課税特例を使う人非課税限度額の計算・不動産の情報
第2表相続時精算課税制度を使う人特別控除の計算・2,500万円超の税額計算

申告書は国税庁のホームページからダウンロードできます。e-Taxを使えばオンラインで作成・提出が可能です。

7. 申告期限を過ぎた場合のペナルティ

ペナルティ税率・内容
無申告加算税50万円以下:15% / 50万円超〜300万円以下:20% / 300万円超:30%(税務署から指摘前に自主申告した場合は軽減あり)
過少申告加算税本来の税額の10%(税務調査前の修正申告は5%に軽減)
重加算税35〜40%(故意の隠ぺい・仮装があった場合)
延滞税納付が遅れた日数に応じて加算(年2.4%または8.7%)

参考:国税庁 No.4508 直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税

8. よくある質問(FAQ)

Q1. 贈与税の申告期限が3月15日に間に合わなかった場合は?

気づいた時点ですぐに申告してください。税務署から指摘を受ける前に自主申告することでペナルティを軽減できます。

Q2. 相続時精算課税を選んでいると毎年申告が必要ですか?

2024年1月1日以降の贈与については、年間110万円以下であれば申告不要です。110万円超の場合は引き続き申告が必要です。

Q3. e-Taxで贈与税の申告はできますか?

できます。マイナンバーカードが必要です。国税庁の「確定申告書等作成コーナー」から贈与税の申告書を作成し、そのまま提出できます。

Q4. 贈与税の申告を税理士に依頼すべきですか?

相続時精算課税制度の選択・住宅取得等資金の特例・生前贈与計画など、判断が複雑なケースは税理士への相談をおすすめします。

まとめ

  • 贈与税の申告期限は贈与を受けた年の翌年3月15日
  • 年間110万円超の贈与・相続時精算課税選択者・非課税特例利用者は申告必要
  • 2024年〜相続時精算課税の年110万円基礎控除が追加(110万円以下は申告不要)
  • 申告漏れ・期限超過はペナルティ対象。気づいた時点で早めに申告
  • 申告書は国税庁HPからDL可。e-Taxでオンライン申告も可

監修

中村亨

日本クレアス税理士法人 代表
税理士
公認会計士

2002年8月に会計事務所として創業、2005年には税理士事務所を開業し、法人や個人のお客様の会計・税務の支援をする中で、「人事労務の問題を相談をしたい」「事業承継を検討している」といったお客様のニーズに応える形でサービスを拡大し続け、現在では社会保険労務士法人など複数の法人からなるグループ企業に成長してきました。お客様に必要なサービスをワンストップで提供できることが当社の強みです。

中村亨のプロフィールはこちら