相続税の申告を専門家に頼らず自分で行おうとする方は数多くいらっしゃいます。
国税庁のWebサイトでは申告書の書き方が図表付きで解説されており、いざとなれば手続きはどうにかなる…と考えられがちですが、遺産分割までは何とかこなせても、相続税申告となると「こんなにたくさん帳票があるなんて」と頭を抱えるケースが殆どでしょう。
本コラムでは、相続税の申告を自分で行ってみたいと考える方に、申告書の書き方の基本をお伝えします。
初めてでも自分で申告してみたいと考える人は、本記事で説明する「必ず書くべき帳票」と「基本的な帳票記入の順番」を押さえるとスムーズです。まず申告が必要なケースを確認し、用意する帳票をざっと紹介した上で、気になる「相続税申告書の書き方」について基本事項を6ステップで紹介します。
1.相続税申告書の提出が必要になる場合
相続税申告書の提出が必要かどうかは、誰でも使える非課税枠である「基礎控除」が判断の元です。
ざっくりと考えるなら、亡くなった人の財産が基礎控除を上回っているのであれば、申告書を作成して提出しなければなりません。ここで言う「亡くなった人の財産」(=課税価格)には、直近の生前贈与まで含まれますが、遺された借金やお葬式の費用は除外されます。
基礎控除の計算式
→3,000万円+(600万円×法定相続人の数)
こちらの記事を参考に相続税の課税額をシミュレーションしておくと、申告の要否・申告書の書き進め方を簡単にイメージできます:「【相続税シミュレーション】総額から相続税が増減する3つの理由-正確な課税額が知りたい方へ」
2.相続手続きを終えたら「未記入の申告書」を準備する
家族が亡くなったら、まずは財産調査・相続人調査・遺産分割協議などの一通りの手続きを終えましょう。手続きが完了して申告書を書くための資料が揃ったら、未記入の申告書を手元に用意します。
申告書は各地の税務署窓口で取り寄せられますが、自宅にプリンターがある人は、国税庁公式サイトで配布されているPDFファイルを印刷して申告できます。
参考:【国税庁】相続税の申告書等の様式一覧(令和2年分用)PDF
※上記様式は「令和2年1月1日から同年12月31日までの間の亡くなった人」の申告で利用できるものです。令和3年以降の相続では、常に最新のものを入手して利用しましょう。
2-1.相続税申告で必ず記入・提出する帳票
相続税申告書を取り寄せると、実に多くの帳票(=書類)から成り立っていると分かります。 ただ、配布された帳票は全て記入しなければならない……というわけではありません。記入・提出が必須なのは下記①~③の一式で、事業承継等の特殊事情がある場合のみ、対応する帳票を追加で作成します。手元に未記入の申告書一式がある人は、早速確認してみましょう。
【①申告内容全体をまとめた帳票】
- 第1表:相続税の申告書
- 第2表:相続税の総額の計算書
【②控除・税額加算にかかる帳票】
- 第4表:相続税額の加算金額の計算書
- 第4表の2:暦年課税分の贈与税額控除額の計算書
- 第5表:配偶者の税額軽減額の計算書
- 第6表:未成年者控除額・障害者控除額の計算書
- 第7表:相次相続控除額の計算書
【③課税財産および債務・葬式費用等にかかる帳票】
- 第9表:生命保険金などの明細書
- 第10表:退職手当金などの明細書
- 第11表:課税財産の明細書
- 第11・11の2表の付表1:小規模宅地等についての課税価格の計算明細書
- 第13表:債務及び葬式費用の明細書
- 第14表:相続開始前3年以内の贈与財産等
- 第15表:相続財産の種類別価額表
3.相続税申告書の書き方
提出する帳票が揃っているか確認したら、いよいよ内容の記入を始めます。
ここでポイントとして押さえたいのは、「帳票記入には順番がある」点です。ざっくりとした記入の流れは、以下の通りです。
【相続税申告書を書く際の大まかな流れ】
「課税価格の合計」の計算
やり方:第9表~第15表に明細を書き込む→第1表に反映して計算
▼
「相続税の総額」の計算
やり方;第2表で課税価格を元に計算する→第1表に反映
▼
必要に応じて税額控除等の計算
やり方:第4表~第8表で計算→第1表に反映
▼
「各人の納税すべき相続税額」の計算
やり方:第1表の残りの部分を埋める
申告書に含まれる帳票の繋がりを見渡してみると、下記図のようになります。
引用:『相続税申告書の記載例』(国税庁)
以下では、最初に行う「課税価格の合計」までを3ステップに分け、全体を6ステップとして記入方法を解説します。
Step1.遺産の明細書を作成する
はじめにやるのは、相続で“利益”となった財産を一覧化する作業です。ここでは「相続税がかかる財産の明細書」(第11表)を用意しましょう。保険会社や亡くなった人の勤め先からの給付金がある場合は、第9表・第10表も必要です。
【Step1でやること】
- 相続で経済的利益となった「プラスの遺産」を一覧化する…第11表
- 「小規模宅地等の特例」で持ち家の土地の評価額を減らす…第11・11の2表の付表1
- 生命保険金の内訳を詳しく記入する…第9表
- 死亡退職金の内訳を詳しく記入する…第10表
※「相続時精算課税」を適用した生前贈与がある場合
…上記一式に加えて「第11の2表」も作成し、その内容をStep3で第1表・第15表に転記します。
下記イメージで紹介する第11表では、赤枠①の欄に遺産の分割状況を記入し、赤枠②で亡くなった人の財産をリストアップしていきます。赤枠②では、資産別に「種類」「細目」「利用区分、銘柄等」「所在場所等」「数量・単価」に加え、「取得した人の氏名」と「各人の取得割合と取得価額」を記入します。
最後に③の欄を使い、遺産を取得した人ごとの取得財産の価額をまとめます。
小規模宅地等の特例を持ち家の土地に適用する場合は、取得者情報・土地情報と共に「限度面積要件」や「宅地の利用区分」等の項目を埋めて、適用要件に当てはまることを確認します。また、土地を取得した人全員分の「特例の適用にあたっての同意」に関する署名も必須です。
※下記記入例は拡大してご覧ください。
生命保険金や死亡退職金については、それぞれ第9表・第10表で給付額から非課税限度額を差し引く計算を行い、その結果を第11表に転記します。
第9表の書き方を下記イメージに沿って説明すると、まず赤枠①の欄で「保険会社の情報」「受取に関する情報」と合わせて、受取金額を記載します。その後、赤枠②の欄で「法定相続人の数」を記入し、指示に従って非課税限度額を計算します。①・②の情報を③に当てはめれば、受け取った金額のうちの課税される部分が分かります。
死亡退職金がある場合に作成する第10表も、同様の書き方で問題ありません。
Step2.債務・葬式費用・贈与財産等の明細書を作成する
次に、債務等の「課税されない支出等」や「相続税のかかる生前贈与」の明細書を作成し、正確に課税価格を計算できるようにします。項目ごとに記入する表が異なるため、ここで一度、必要な表一式を取り出しましょう。
【Step2でやること】
- 債務とお葬式の費用(※非課税)の内容を詳しく記入する…第13表
- 相続開始前3年以内の財産(※課税)の内容を詳しく記入する…第14表
- 寄附金(※非課税)の内容を詳しく記入する…第14表
- 第13表~第14表の内容を転記する…第1表
まずは下記イメージの第13表に、赤枠①「債務の明細」、赤枠②「葬式費用の明細」をそれぞれ書き込みます。
①債務の明細では、“固定資産税“や“A銀行の事業融資“などの細目から、債務が発生した日、さらに返済の期日まで記入しなければなりません。同様に、②葬式費用に関しても、支払先情報や支払った日付を細かく挙げる必要があります。
①・②の記入が済んだら、赤枠③で債務と葬式費用の合計額を計算します。
次のイメージで紹介する第14表は、課税される「相続開始3年以内の贈与」を赤枠①の欄、課税されない「寄附金」の詳細を赤枠③の欄にそれぞれ書き込みます。
一定の要件を満たせば相続税・贈与税ともに非課税になる「特定贈与財産」がある場合は、①で評価額を所定欄に書き込みましょう。その上で、特定贈与財産ではなく贈与税の課税対象として扱うべき場合は、②の欄を埋めておきます。
Step3.課税価格を計算する
Step1からStep2にかけて、「相続で経済的利益になったもの」と「相続税の課税対象を増減させる要素」を一覧化してきました。これらを別途帳票にまとめて「課税価格」を計算するのが、以降のStep3です。
【Step3でやること】
- 課税対象になるもの・ならないものをまとめ、各人の「課税価格」を計算する…第15表
- 課税価格を転記する…第1表
※「農業相続人が農地等を相続した場合の納税猶予の特例」を適用する場合
…Step3の最後に「第3表」を作成し、Step4以降で第1表・第2表に計算結果を反映させます。
下記イメージの第15表は、「相続人全員分の合計取得額」の列(左赤枠)と「相続人別の取得額」の列(右赤枠)に分かれています。相続人が複数いる場合は「第15表(続)」も準備して列を増やし、相続人別の取得額をもれなく全員分記載しましょう。
各列には、第11表「取得財産の価額」に記入済の金額を、該当する資産・細目の欄へ転記します。表の下部(※イメージ外)の「債務等」には第13表から、さらに下方にある「純資産額に加算される暦年課税分の贈与財産価額」には第14表から、それぞれ合計額を転記しましょう。
最後に、転記済の金額から資産別の合計額を書き込み、第15表最下部にある「課税価格の合計」を指示通りに計算・記入します。
第15表で出た計算結果は、申告内容をとりまとめる第1表の該当欄に転記します。
第1表の様式は、第15表と同様に「各人の合計」列と「財産を取得した人」列に分かれています。やはり同じく、相続人が複数に及ぶ場合は「第1表(続)」を利用し、列を増やしましょう。
Step4.相続税の総額を計算する
第1表の計算で分かった各人の「課税価格」から、ここでいったん相続税の総額が計算できます。使用する帳票は「相続税の総額の計算書」(第2表)です。
【Step4でやること】
- 課税価格を第1表から転記して、基礎控除額を差し引く…第2表
- 相続税の税率を使い、相続税の総額を計算する…第2表
- 相続税の総額を転記する…第1表
下記イメージの第2表では、赤枠①に第1表(+記入済なら第3表)の各人の合計列から転記した「課税価格」を記入します。続いて、基礎控除欄に法定相続人の数を書き入れ、金額の計算を行いましょう。これらを元に「課税遺産総額」の欄で計算します。
赤枠②の欄では、相続人の氏名とそれぞれの「法定相続分」を記入します。赤枠①から続けてここまで記入した情報を元に、「法定相続分に応ずる取得金額」、さらに相続税の速算表を使って「相続税の総額の基となる税額」が計算できます(記入例=イメージ青枠部分)。あとは、総額の基となる税額を合算するだけです。
第2表が書きあがったら、内容を指示に沿って第1表の「各人の合計」列に転記しましょう。
Step5.税額控除等の額を計算する
「相続税の総額」を相続人それぞれが負担する時は、各人の状況に応じて増減する場合があります。この場合、税額控除(また加算)の内容に応じて、個別に帳票を作成しなければなりません。
Step5では、控除(あるいは加算)の種類別に使用する表のみ紹介します。
【Step5でやること】※下記のうち当てはまるもののみ
- 「配偶者の税額の軽減」の金額を計算する…第5表
- 「未成年者の税額控除」や「障害者の税額控除」の金額を計算する…第6表
- 「相次相続控除」の金額を計算する…第7表
- 「相続税の2割加算」の金額を計算する…第4表
- 「外国税額控除」の金額を計算する…第8表
※各種納税猶予の特例、医療法人の持分にかかる税額控除等を適用する場合 …国税庁サイト等で配布されている第8の2表~第8の7表のうち、適用したい特例に合う帳票を記入します。併せて、納税猶予の内訳が分かるよう、第8の8表の記入も必要です。
【参考】配偶者の税額軽減額の計算書(第5表)の記入例
Step6.各人の納付すべき相続税額を計算する
ここまでのステップで、やっと「誰が・いくら課税されるのか」分かります。その計算を行うのは、度々出てきた第1表です。
【Step6でやること】
- 「相続税の総額」から、各人が負担する課税額を計算する
- 税額控除等の計算結果を反映して、各人が実際に負担する課税額を計算する
まず、各人が負担する課税額を計算します。
第1表に記入済の課税価格から、合計に対する各人の取得割合を計算し、結果を「あん分の割合」に書き込みます。後は「相続税の総額」×「あん分の割合」の結果をそれぞれ記入しましょう。
次に、下記イメージの赤枠の部分へ、第3表~第8表に記入した税額控除・納税猶予等の情報を転記します。相続時精算課税を適用した生前贈与がある場合は、忘れず第11表の2「贈与税額の合計額」から転記しましょう。
財産を取得した人ごとにここまでの記入が終わったら、後はイメージ青枠で「申告期限までに納付すべき税額」と「還付される税額」を記入するだけです。
4.相続税申告書に添付する書類
出来上がった申告書には、①マイナンバーが確認できる書類、②マイナンバーの持ち主であると証明できる書類、③遺産分割の内容が分かる書類の3点をセットで添付します。申告書作成と並行して準備しておくとスムーズです。
- 基本の添付書類①:マイナンバーが確認できる書類
…マイナンバーカード(表面)、住民票の写し(交付申請時にマイナンバー記載を依頼したもの)、通知カード等 - 基本の添付書類②:マイナンバーの持ち主であると証明できる書類
…マイナンバーカード(裏面)、運転免許証、パスポート、健康保険証、身体障害者手帳、在留カード等 - 基本の添付書類③:遺産分割の内容が分かる書類
…遺言書、または遺産分割協議書+左記に押印した相続人全員分の印鑑証明書
※「住民票の写し」と「印鑑証明書」以外の書類に関しては、コピーで構いません。
4-1.各種特例・控除に必要な添付書類
<p税額軽減に繋がる特例や控除を適用する場合は、適用要件を満たしていると分かる書類も添付します。下記では、特に適用例の多い「配偶者の税額の軽減」と「小規模宅地等の特例」のみピックアップし、用意するものを紹介します。>
- 配偶者の税額の軽減
…被相続人の戸籍の附票の写し(相続開始日以降に作成されたもの) - 小規模宅地等の特例(居住用宅地に適用する場合)
…「相続開始前3年前から相続開始時点まで」に申告者が住んだことのある家屋について、その所有者を証明できる書類(登記事項証明書など)※
【※】亡くなった人が老人ホーム等に入居していた場合は、以下3点も添付します。
・相続開始日以降に作成された戸籍の附票の写し
・要介護認定等を受けたと分かる書類(介護保険の被保険者証のコピー等)
・入居施設が老人福祉法等で規定する施設であると分かる書類(入居時の契約書のコピー等)
5.相続税申告書の提出のポイント
相続税の申告には期限があります。申告書の作成時、期限とともに提出先・提出方法も確認しておき、提出当日になって間違いやアクシデントが起こらないよう注意しなければなりません。
5-1.提出期限
相続税の申告書は、期限である「相続の開始があったことを知った日から10か月目の日」までに提出します。10か月目の日が土日祝である場合は、それらの翌日にあたる平日が申告期限です。
5-2.提出先
相続税申告書の提出先は、被相続人(=亡くなった人)の死亡時の住所地を所轄する税務署です。各申告ケースの所轄税務署は、国税庁サイトから郵便番号検索や地図検索で調べられます。
5-3.提出方法
申告書の提出は、財産を取得した人(相続時精算課税にかかる贈与or相続開始前3年以内の贈与を得た人も含む)が共同で行うのが原則です。
提出方法は、所轄税務署の窓口に直接申告書を持っていく方法の他、郵送でも可能です。令和1年10月からは、e-Tax(イータックス)での電子申告も可能になりました。なお、郵送での申告と電子申告に関しては、以下のような注意点があります。
【郵送申告の注意点】
郵便物の取り扱い上、相続税の申告書は原則として「信書便」で発送しなければなりません。 ゆうパック、ゆうメール、ゆうパケット、その他宅配便等での送付は出来ないため、注意しましょう。
【電子申告の注意点】
電子申告にあたっては、e-Taxソフトをインストールしたパソコンが必須です。 また、初めて相続税の電子申告を行う場合、マイナンバーカードによる登録や利用者識別番号の取得など、複雑な初期設定が必要になります。パソコンの操作に不慣れな人は、電子申告対応済の税理士に任せるか、窓口または郵送での申告を検討しましょう。
6.相続税申告書を作成する時の4つの注意点
相続税の申告書を書く際に気を付けたいのは、過少申告(あるいは過大申告)に繋がってしまうミスです。万一のことがあれば、修正申告の手間が余分にかかったり、税務調査でミスが指摘されて加算税等が課税されたりしてしまいます。
具体的な要注意ポイントについては、以降で4つピックアップして紹介します。
6-1.「特例や控除で課税額ゼロ」でも申告書は提出する
よくあるのは、「特例や控除を使えば課税額がゼロになる=申告不要」といった誤解です。 「小規模宅地等の特例」や「配偶者の税額の軽減」等の税額軽減は、申告書+各種証明書類を提出することで、初めて適用扱いとなります。
何も書類を出さないままでは「特例等の適用はなかった」として課税されてしまうため、誤解をしないように気を付けてください。
6-2.税額軽減に繋がる特例には適用要件がある
「小規模宅地等の特例」等の課税額の減額に繋がる特例には、それぞれ適用要件があります。申告書の書き直しによる二度手間を防ぐため、特例を利用できるか否かは事前にチェックしておきましょう。
また、申告書にセットされた帳票の書式は、基本的に「要件を満たしているか自然にセルフチェックできる構成」になっています。記入中に少しでも違和感を覚えたら、すぐ専門家に相談しましょう。
6-3.「親族名義の財産」も相続税申告が必要な場合がある
生前から親族名義の財産でも、実質的に亡くなった人に管理処分権があるものは、相続税の課税対象として扱われます。よくあるのは、家族の教育費やお小遣いの名目で亡くなった人が管理していた「名義預金」が、申告書に記載できていない失敗です。
申告書の作成にとりかかる前には、生前の管理状況も含め、きちんと財産調査を行いましょう。
申告漏れに繋がりやすい現金・預金の相続については、こちらの記事で詳しく解説しています:「その口座、「名義預金」になっていませんか?~新生活を前に要注意」
6-4.土地の課税額は評価方法で大きく変わる
土地を相続した時の評価額は、立地・形状・権利関係等の影響を強く受けます。それぞれに合う評価方法を知らないまま申告するケースでは、過大申告となって課税額を多く負担してしまうことがよくあります。
上記のような間違いを税務署が教えてくれることは、まずありません。不動産事情に詳しい機関でもなければ、申告者に有利な税務をしてくれる機関でもないからです。そこで、申告書を作成する前に、自ら専門家に土地固有の性質をチェックしてもらう必要があります。
7.まとめ
本記事では、相続税申告書の書き方について「これさえ分かれば一般的な申告ケースなら対応できる」と考えられる部分を紹介しました。しかし、なお複雑きわまりないことは否めません。また、財産や相続人の資料が一通り机上にある状態で作成しなければならず、記入に着手するまでの道のりも長くなるでしょう。
相続税申告書の作成が困難を極めるのは、セットされたひとつひとつの帳票が「特例・控除・非課税枠等の全知識」を備えた人物向けに構成されていることが原因です。また、作成時の注意点で解説した通り、土地等「帳票に記入すべき評価額そのもの」が専門家でないと見極められない財産もあります。
結論として、これまで税務に触れたことのない人が自力で申告書を作成しようとすると、時間がかかるばかりで、後々加算税(※過少申告のペナルティ)や過大申告で無用な損を出してしまいかねません。
時間・出費ともに節約を意識するなら、相続手続き中の早い段階で税理士に相談したほうが、よい結果を得られます。
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相続相談はどこにするべき?専門家(税理士、司法書士、弁護士)の強み
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