平成30年12月に国税庁が発表した「平成29年事務年度における相続税の状況について」によると、申告漏れを指摘された課税価格は前年比6%アップの3,523億円。実地調査を行った1件当たりでは2,801万円でした。これにより発生した追徴課税はなんと783億円です。
この記事では国税庁が発表を行った報道資料を元に税務調査の状況についてご紹介します。
目次 |
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1.相続税の調査の83%で申告漏れが指摘される |
相続税の調査の83%で申告漏れが指摘される
平成29年事務年度に行われた調査の件数は12,576件です。平成29年分の相続税の申告書の提出に係る被相続人数は111,728。単純計算で算出すると、相続税の申告に対して11%もの割合で調査が行われている計算です。
相続税申告の税務調査12,576件のうち、申告漏れが指摘された件数は10,521件でした。つまり、税務調査で83%もの申告に追徴課税が指摘されました。
出典:平成29年分の相続税の申告状況について(国税庁)https://www.nta.go.jp/information/release/pdf/3012_01.pdf
出典:平成29年事務年度における相続税の調査の状況について(国税庁)https://www.nta.go.jp/information/release/pdf/3012_02.pdf
指摘されやすい資産には傾向あり
相続財産の金額の構成比をみると、右肩下がりの傾向があるものの不動産が36%という高い割合を維持しています。
ですが、申告漏れを指摘された相続財産の金額の構成比を見ると、異なる傾向が見受けられます。不動産は10%前後に下がり、その代わり現金・預貯金での申告漏れの多さが目立つようになります。
相続税申告後の調査の指摘、キーになるのは名義預金
現金・預貯金での申告漏れで比較的多いパターンが「名義預金」です。
例えば父親が子ども名義で銀行口座を開設した場合、その口座自身は父親の管理下にあると判断されれば、相続税の申告に計上される財産とみなされます。
名義預金と判定されるには、預金通帳・証書の保管を行っている人、印鑑の届け出、贈与税の申告の有無など様々なポイントがあります。
関連記事:名義預金とみなされるのはどのようなとき?
親が子どものためを思って作った子ども名義の銀行口座でも、相続税申告後の調査で名義預金と判断されてしまえば追加の課税が発生します。結局は子どもに負担をかけてしまうことになるため、名義預金については相続税の申告時にクリアにしておきたい問題の一つです。
申告漏れ財産を指摘されたらかかる追徴課税
名義預金や名義株、その理由に関わらず税務調査で指摘を受けると、通常の納める税金に加えてペナルティが発生します。
一般的に、期限までに相続税の申告を行わなかった場合、自主的に申告した場合でも「無申告加算税」がかかります。さらに故意に財産が少ないように見せるために工作するなど、財産を隠ぺいまたは事実を仮装し申告した場合には最高で40%という高い税率「重加算税」がかかります。
関連記事:申告漏れが発生したらどうなる?(修正申告や期限後申告についても解説しています)
まとめ
ここまでで大まかな相続税の申告や財産、税務調査のトレンドをご理解いただけたかと思います。
相続に関する手続きで最も重要なのは、相続人にとって負担の少ない申告を正しく行い、税務調査などその後の煩雑な手続きを発生させないことです。それができるのはやはり、専門知識や実績を多数持つ、相続専門の税理士法人に限られてしまうかもしれません。
日本クレアス税理士法人では、税務調査の立ち合いはもちろん、他の税理士が作成した申告においても見直しを行うセカンドオピニオンを実施しています。過去に申請した相続について不安がある方はお早目にご相談ください。過去の申告に対して、その内容を見直すことによって相続税が還付されるケースなど、相続税を申告し終わった後でも税理士に相談することでメリットが生まれることがあります。
当社では相続財産の中で特に土地の適切な評価において、経験豊富な専門スタッフが多数在籍しています。適用できる特例などの減額要因を考慮しきれていない相続専門外の税理士が作成した申告に関しても、丁寧に見直しを行っています。
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