土地には、宅地や更地、貸家建付地といった種類があります。 その分類によって、土地の評価は大きく異なります。 アパートを建てると、その土地は「貸家建付地(かしやたてつけち)」という分類になり、土地の評価が下がるというものです。
賃貸アパートの建築によって、一般的に、土地の相続税評価額がおよそ2割削減、建物も相続税評価額のおよそ6割が削減されます。 従って相続税の評価額が低くなるというメリットがあります。 しかし不動産経営は今後激化が予想されており、経営者としての視点が求められます。
目次 |
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節税対策(1)土地の区分がかわり、土地の評価が下がる |
節税対策(1)土地の区分がかわり、土地の評価が下がる
賃貸アパートの建築によって、更地が貸家建付地として評価されることになり、およそ20%程度、評価額が下がります。
更地(さらち)・・・借地権など権利関係のない土地のこと
貸家建付地・・・貸家が建てられている土地のこと
そのため仮に、2億円の更地があり、賃貸住宅を建築すると・・・ 2億円 × (1-0.7×0.3)=1億5,800万円 2億円の更地の評価⇒1億5,800万円の土地の評価、となります。
節税対策(2)建物の評価額が下がる
建物の評価額は固定資産税評価額と同じであり、通常は建築費用の60%程度で評価されます。 さらに貸家の場合は、自用家屋の70%程度で評価されます。
そのため仮に、1億円の現金があり、それをもとに賃貸住宅を建築すると・・・ 1億円 × 0.6×0.7=4,200万円 1億円の現金⇒4,200万円の建物の評価、となります。 (借地権割合70%、借家権割合30%、固定資産税評価は建築費用の60%として計算)
節税対策(3)小規模宅地等の特例が適用される
賃貸住宅を建てた土地は、「貸付事業用宅地」に区分されます。 200㎡まで、50%減の評価となります。
区分 | 限度面積 | 減額割合 |
特定事業用宅地等 | 400㎡ | 80% |
特定居住用宅地等 | 330㎡ | 80% |
特定同族会社事業用宅地等 | 400㎡ | 80% |
貸付事業用宅地等 | 200㎡ | 50% |
節税対策(4)借金は相続財産から差し引くことができる
さらにもし建設費用等で金融機関から借り入れがある場合、相続税の計算をするときに、相続財産から差し引くことができます。 そのため、借入金を作ることで相続財産が減り、相続税対策となります。
賃貸マンション建設による相続税対策のまとめ
賃貸マンション建設による相続税対策 | |
土地 | 相続税評価額が2割削減 |
建物 | 相続税評価額が6割削減 |
小規模宅地の特例適用 | 相続税評価額は200㎡まで5割減 |
借金 | 相続財産から引かれる |
相続財産を減らすこと
相続税対策をする上で、相続財産を減らすこともその方法の一つです。相続財産を減らすには贈与の他に、土地やマンションを売ることが早い方法です。 しかし売却した場合販売代金が支払われますから、資産が組み替えられただけで、根本的な解決にはなりにくいと考えられます。
そのため、相続税の評価額をいかに低くするかが鍵となります。 そのように考えると、賃貸マンションを建設することは理にかなっています。 そのため、賃貸住宅の経営は、代表的な節税対策と長年言われてきました。
不動産経営のリスク
しかし不動産経営はリスクもあります。周囲にも同じような物件が建設され競争が激しくなり、空室が多くなるようになると収入が減る恐れがあります。 さらに、メンテナンスの費用、建物の老朽化に伴う修繕費用等の確保も常に考えておかなければなりません。
借金の返済に困るようになると、生活そのものが脅かされてきます。 経営者としての視点を持ち、安定した経営となるよう努力することが求められます。 また、土地の上に建物が建ってしまうので、「物納」しようと思ったときに、納税用として利用することが難しくなります。
相続争いになりやすい
さらに相続が発生した場合、遺産相続の際に争いになりやすいことも懸念点としてあげられます。相続人同士で、どうやってその賃貸マンションを分けるか・・・ 共有名義にすることもできますが、共有はできるだけ避けた方が良いです。 建設した後のことまで考えて、不動産経営を始めるかどうか、検討する必要があります。
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