御膳料・御車代の書き方|封筒の選び方・金額相場・お布施との違いを解説

監修
中村亨
日本クレアス税理士法人 代表 税理士 公認会計士

法要の準備を進めるなかで、お布施とは別に「御膳料」「御車代」を用意すると聞き、封筒や書き方に戸惑った方も多いのではないでしょうか。
御膳料は僧侶が会食を辞退された場合の食事代、御車代は僧侶が自分で足を運ばれた場合の交通費で、いずれもお布施とは別の封筒に包むのが基本です。
本記事では、御膳料・御車代の表書きの書き方、封筒の選び方、金額の目安(御膳料5,000円〜10,000円/御車代3,000円〜10,000円)、渡す順番までを解説します。
1. 御膳料・御車代とは?お布施との違い
御膳料は僧侶が会食(お斎)を辞退された場合にお渡しする食事代、御車代は僧侶がご自身で会場まで移動された場合の交通費です。読経への謝礼であるお布施とは目的が異なるため、それぞれ別の封筒に分けて用意します。
|
名称 |
意味 |
必要になる場面 |
|
お布施 |
読経・戒名に対する謝礼 |
常に必要 |
|
御膳料 |
会食を辞退された場合の食事代 |
僧侶が会食に参加されないとき |
|
御車代 |
会場までの交通費 |
送迎をせず僧侶が自分で来られたとき |
送迎を手配した場合は御車代、会食に同席された場合は御膳料が不要になります。
2. 御膳料の書き方
白無地の封筒の表面中央上部に「御膳料」と縦書きし、その下に施主の姓または「○○家」と書きます。墨は濃墨を使います。
- 表書き:「御膳料」(「お膳料」でも可)
- 名前:表書きの下に、施主のフルネームまたは「○○家」
- 裏面:左下に住所・氏名。金額は書かなくても差し支えありません
お布施と違い、御膳料は略式で構わないとされており、中袋も基本的に不要です。
2-1. 金額を書く場合の書き方
裏面に金額を記す場合は、頭に「金」をつけ、旧字体の漢数字を用います。
|
金額 |
書き方 |
|
5,000円 |
金伍仟圓 |
|
10,000円 |
金壱萬圓 |
|
20,000円 |
金弐萬圓 |
2-2. 御膳料の金額の目安
御膳料の目安は5,000円〜10,000円です。
本来出される予定だった会席料理の一人前の金額が基準になるため、用意していた食事の価格帯に合わせて決めると自然です。
1万円を超える会席を予定していた場合は、それに近い額を包むと丁寧な対応になります。
3. 御車代の書き方
表書きは「御車代」または「お車代」と書きます。書式は御膳料と同じで、白無地の封筒に濃墨で縦書きします。
- 表書き:「御車代」(「お車代」でも可)
- 名前:表書きの下に施主名または「○○家」
- 裏面:住所・氏名。金額の記載は任意
3-1. 御車代の金額の目安
御車代の目安は3,000円〜10,000円です。
寺院から会場までの距離が近ければ3,000円〜5,000円程度、遠方から来ていただく場合は、実際の交通費に少し上乗せした額を包みます。
新幹線や飛行機を使うような距離であれば、実費相当額をそのままお渡しして問題ありません。
4. 封筒の選び方とお金の入れ方
御膳料・御車代とも、白無地・郵便番号枠なしの封筒を使います。水引は不要で、二重封筒は避けてください。
お札の入れ方はお布施と同じです。
- 肖像画のある面を封筒の表側にそろえる
- 肖像画が封筒の口(上側)を向くように入れる
- 新札を使って問題ない
- のり付けや封字(〆)は不要
お札の向きや包み方の詳しい手順は、お布施のお金の入れ方|お札の向き・中袋のあり/なしで解説しています。
5. お布施・御膳料・御車代を渡す順番
3つを重ねて切手盆に載せ、僧侶から見て一番上がお布施になるように置いて差し出します。
- 切手盆(きってぼん)または袱紗の上に、お布施を一番上にして重ねる
- 僧侶から表書きが読める向きに回す
- 両手で差し出し、お礼の言葉を添える
切手盆がない場合は、袱紗を広げてその上に載せて差し出せば失礼にはあたりません。
渡すタイミングは、法要が始まる前の挨拶時か、法要後にお礼を伝えるときのどちらかです。
6. 「お食事代」「供養料」「回向料」との違い
御膳料まわりでは、似た表書きを目にすることがあります。
|
表書き |
意味 |
|
御膳料/お膳料 |
会食を辞退された僧侶への食事代。もっとも一般的 |
|
お食事代 |
御膳料と同じ意味。ややくだけた表現 |
|
供養料 |
お布施の別表現。読経への謝礼を指す |
|
回向料(えこうりょう) |
お布施の別表現。回向(供養)への謝礼 |
供養料・回向料は御膳料ではなくお布施にあたるため、食事代とは別に用意する必要はありません。
7. 戒名料は分けるべき?
戒名料は通常、お布施に含めて一つの封筒でお渡しします。
寺院から「お布施と戒名料を分けてほしい」と指定があった場合のみ、別の封筒に「御戒名料」と書いて用意します。
金額の内訳を尋ねられた場合は、菩提寺に直接確認するのが確実です。
8. 御膳料・御車代は相続税の葬式費用になる?
葬儀(通夜・告別式)に伴って僧侶にお渡しした御膳料・御車代は、相続税の計算上「葬式費用」として相続財産から差し引けます。
国税庁のタックスアンサーNo.4129では、葬式にあたり寺院などに対して読経料などのお礼をした費用が葬式費用に含まれるとされています。
一方で、四十九日や一周忌など法要のためにかかった費用は葬式費用に含まれず、控除の対象外です。
御膳料や御車代は領収書が発行されないことがほとんどですが、支払った日付・相手先・金額をメモに残しておけば葬式費用として認められます。
そのほかに葬式費用として控除できるもの・できないものの一覧は、葬儀費用の控除で相続税を減らせる!該当するものから申告方法まで解説にまとめています。
9. 御膳料・御車代についてよくある質問
9-1. 御膳料は必ず用意しなければいけませんか?
僧侶が会食に同席される場合は不要です。会食そのものを行わない場合や、僧侶が辞退された場合に用意します。
9-2. 御車代は送迎した場合も必要ですか?
こちらで車を手配して送迎した場合、御車代は不要です。タクシーを手配して料金を負担した場合も同様です。
9-3. 御膳料と御車代は同じ封筒にまとめてよいですか?
目的が異なるため、それぞれ別の封筒に分けるのが基本です。ただし寺院の慣習によってはまとめても差し支えない場合があるため、菩提寺に確認できると安心です。
9-4. 御膳料の封筒に薄墨を使ってもよいですか?
薄墨は香典に用いるもので、御膳料・御車代・お布施はいずれも濃墨で書きます。
9-5. 5,000円の場合、裏にはどう書きますか?
「金伍仟圓」と書きます。算用数字を使わず、旧字体を用いるのが正式です。

10. 御膳料・御車代は白封筒に濃墨で、お布施とは分けて
御膳料・御車代は、白無地の封筒に濃墨で表書きし、お布施とは別に用意するのが基本です。
金額は御膳料が5,000円〜10,000円、御車代が3,000円〜10,000円が目安で、御膳料は予定していた会食の価格、御車代は距離に応じて調整します。
お布施本体の書き方や金額相場については、お布施の書き方|金額相場・封筒・漢数字をあわせてご覧ください。
葬儀費用と相続税の関係でご不明な点があれば、相続専門の税理士にご相談ください。

監修
中村亨
日本クレアス税理士法人 代表
税理士
公認会計士
2002年8月に会計事務所として創業、2005年には税理士事務所を開業し、法人や個人のお客様の会計・税務の支援をする中で、「人事労務の問題を相談をしたい」「事業承継を検討している」といったお客様のニーズに応える形でサービスを拡大し続け、現在では社会保険労務士法人など複数の法人からなるグループ企業に成長してきました。お客様に必要なサービスをワンストップで提供できることが当社の強みです。





