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ーコラムー
生前贈与

暦年贈与により非課税で贈与を行う方法とメリット・デメリット、注意点

公開日:2019.7.4 更新日:2019.09.24

暦年贈与とは、1月1日から12月31日を課税期間とする贈与のことです。

たとえば、Aさんが下記の贈与を受けた場合

・1月1日に父から50万円の贈与を受けた
・6月10日に母から100万円の贈与を受けた
・12月31日に伯父から30万円の贈与を受けた

Aさんは1月1日から12月31日までの間に、180万円(50万円+100万円+30万円)の贈与を受けたものとして、贈与税が課税されます。

このように暦(こよみ)にしたがって贈与額を計算する方法のことを「暦年贈与」といい、歴年贈与による課税方法を「暦年課税」といいます。

目次

1.暦年贈与とは?
2.暦年贈与の注意点(連年贈与・名義預金・生前贈与加算)
3.暦年贈与を正しく行うためのポイント
  3.1.贈与契約書を作成する
  3.2.名義預金は口座の管理を
4.相続時精算課税について
5.暦年贈与信託について

暦年贈与とは?

暦年贈与と基礎控除額

暦年課税において、受贈者(贈与者から財産の贈与を受けた人)は、1月1日から12月31日の間に受け取った財産の合計価格に応じた贈与税を納める義務があります。しかし、贈与された財産の全額が課税対象となるわけではありません。

上記のAさんのケースであれば、贈与税の課税対象となるのは70万円(180万円-110万円)です。

たとえば、10年間、毎年110万円ずつ贈与をした場合、合計1,100万円を無税で生前贈与することが可能です。

暦年贈与の注意点

暦年贈与を行う上で注意が必要となるのは、原則、贈与が双方の承諾の上で成立する「契約」であることです。

たとえ基礎控除額以下の財産しか贈与していなくとも、この基本ルールが守られていない贈与については、税務署から指摘を受けることがあります。


暦年贈与で税務署から指摘されやすいのが、連年贈与と名義預金です。

また、暦年贈与は計画的に実行しなければ、生前贈与加算によって相続税対策にならない可能性があります。暦年贈与を行う上で重要なキーワードである連年贈与名義預金生前贈与加算について以下でご紹介します。

連年贈与とは(暦年贈与の注意点)

連年贈与とは、暦年贈与の基礎控除額を利用して、毎年、贈与することをいいます。
連年贈与の何が問題になるかというと、「最初から、毎年決まった額をあげるという契約だったのではないか」ということです。


国税庁のタックスアンサーには、親から毎年100万円ずつ10年間にわたって連年贈与を受けた場合の贈与税の課税方法について、次のような回答があります。

“毎年贈与契約を結び、それに基づき毎年贈与が行われ、各年の受贈額が110万円以下の基礎控除額以下である場合には、贈与税がかかりませんので申告は必要ありません。

ただし、毎年100万円ずつ10年間にわたって贈与を受けることが、贈与者との間で契約(約束)されている場合には、契約をした年に、定期金給付契約に基づく定期金に関する権利(10年間にわたり100万円ずつの給付を受ける契約に係る権利)の贈与を受けたものとして贈与税がかかります。”

(国税庁)タックスアンサーNo.4402 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/zoyo/4402_qa.htm

よくあるケースとしては、「子どもに1,000万円贈与したいけれど、税金を払わせるのは可哀そうだから、10年に分割して100万円ずつ贈与しよう」というものです。

この内容で受贈者と約束をしてしまった場合は、後者の例に該当してしまいます。 もし贈与税が課税されると、基礎控除額を超える部分には、相続税より高い税率がかかります。

せっかく相続税対策のために行った贈与によって、相続税よりも高い税金を支払うこととなってしまっては、本末転倒です。

名義預金とは(暦年贈与の注意点)

続いて暦年贈与で問題となるのが、名義預金です。
こちらは、贈与のつもりが相続財産とみなされてしまうケースになります。

たとえば、年少のお子さんやお孫さんなど、まだ金銭管理を任せられない相手に贈与を行うにあたって、子どもや孫名義の口座を開設し、そこにお金を振り込むことで贈与したものとするケースです。


大きくなったときに驚かせてあげたいというワクワクした気持ちも働いていると思います。 しかしこの方法は、相手がそのような口座の存在を知らないという時点で、贈与は成立せず、口座内の預金は、相続が発生すれば相続税の課税対象となります。

また、口座の存在を知らせていたとしても、その預金の管理を親や祖父母が行い、名義人であるお子さんやお孫さんが全く管理できていない状態であれば、これも贈与とは認められず、同様に相続税の課税対象となります。

生前贈与加算とは(暦年贈与の注意点)

生前贈与加算とは、相続や遺贈によって財産を取得した人が、相続開始前3年以内に受けた贈与財産を、相続財産に持ち戻して相続税を課税するルールです。

特に暦年課税の場合は、贈与税の基礎控除額で課税対象にならなかった財産も持ち戻しの対象となります。

つまり、亡くなる直前に行われた暦年贈与は、相続税対策になりません。 将来のことは誰にもわかりませんが、暦年贈与は計画的に実行することが大切になります。 ただし、法定相続人以外に行われた贈与は、持ち戻しの対象になりません。

暦年贈与により非課税で贈与を行う方法と注意点

暦年贈与を正しく行うためのポイント

計画を立て行ってきたつもりの暦年贈与が、定期金の贈与であるとか、名義預金であると判断されてしまうのは不本意なことです。

暦年贈与は、贈与を行う都度、贈与者・受贈者の間で対策を行うことがポイントです。

贈与契約書を作成する

贈与契約書とは、贈与者と受贈者が、いつ・いくらの贈与を受けるかを合意したことの証明として作成するものです。贈与が原則として双方の承諾で成立するものであることから、すべての贈与で作成しておくことが望ましいといえます。

契約は口約束でも有効なのですが、贈与の場合、その契約があったことを示すために必要となるため、必ず書面で作成しておきましょう。


また連年贈与の場合、作成した贈与契約書について「日付だけ調整して、後からまとめて作ったのでは?」という疑いをかけられることがあります。

毎年同じ日付、同じ金額などの場合は、特にその疑いが強まります。
そのような疑念を抱かれぬよう、契約書を作成した直後に、公証役場に契約書を持ち込み、確定日付の押印をもらうことがおすすめです。

公証役場での確定日付があれば、その契約書が押印日に存在していたことを証明することができます。

また、毎年同じ日付、同じ金額の贈与については、それだけで直ちに税務署から否認されることにはなりませんが、その都度、贈与契約を行っているという状況を示すためには変化を与えた方が無難です。

名義預金は口座の管理を

名義預金の対策としても、まずは受贈者にその預金の存在を知らせる意味で、贈与契約書の作成を行います。また、名義預金とみなされないよう、口座の通帳や印鑑の管理は受贈者が行います。

口座内の金銭を管理していることを示すには、たとえば、受贈者名義の支払いの引き落とし口座に設定することなどが有効な手段になります。

受贈者が未成年者の場合は、贈与契約に親権者の同意が必要ですので、契約書の作成や、その後の通帳等の管理方法については専門家に相談しましょう。

相続時精算課税について

贈与税の課税方法は、何も選択しなければ、自動的に暦年課税となりますが、特定のケースでは、相続時精算課税を選択することもできます。

最終的には相続税が課税されるため、相続税対策にはならないのですが、1度に大きな額の贈与を行いたい時には、贈与税よりも安価となるケースが多い相続税の課税で済ますことができる点にメリットがあります。

ただし、この制度を使うと、暦年課税の基礎控除額は使えません。
また、相続時精算課税制度を選択した後は、同じ贈与者から受贈者への贈与を、暦年課税に戻すことはできません。

相続時精算課税制度を選択するには、贈与を受けた翌年の2月1日から3月15日の間に、「相続時精算課税選択届出書」を、一定の書類とともに贈与税の申告書に添付して税務署に提出する必要があります。

暦年贈与信託について

近年、暦年贈与を行いたい方に向けた「暦年贈与信託」という信託銀行が行うサービスがあります。

暦年贈与では、税務署からの調査を意識した贈与契約書の作成などの負担がありますが、暦年贈与信託では、信託銀行が贈与契約書の作成などを贈与者・受贈者の代わりに行い、贈与者に代わって、契約どおりの額を受贈者に渡してくれます。

暦年贈与信託のしくみ

暦年贈与信託では、まず、贈与者と信託銀行との間で、贈与者が預け入れた資金について信託契約を結びます。

信託契約の内容は、贈与者が、委託者と受益者になり、信託銀行が受託者となります。 契約後、信託銀行は、贈与者から預かった資金を金融商品で運用しながら、毎年一定の時期に、贈与者と受贈者の双方から確認した内容に従って、その受益権を、受贈者の管理下に移します。

贈与するかどうかは、その都度選択することができるため、贈与しなくとも構いませんし、複数人に贈与しても構いません。もちろん毎年、1人につき110万円以下の贈与にすれば、受贈者に贈与税は課税されません。

暦年贈与信託のメリット

<自身で契約書等を作成する手間がない>
贈与者と受贈者の間で交わされる贈与契約書は、信託銀行が代わりに作成し、贈与者と受贈者の双方に送ってくれます。

<税務上も容認されやすい>
暦年贈与信託では、贈与者が最初にまとまった資金を贈与に充てるものとして信託銀行に預け入れるわけですが、この贈与の方法が、連年贈与の例で問題となりやすい定期金の贈与にあたらないのかという疑問がありました。

このことから、暦年贈与信託が定期金の贈与にあたるかどうか、東京国税局に、具体的事例を通じて事前照会が行われたところ、国税庁からは、定期金の贈与にあたらない旨の回答が為されました。

この回答結果から、おそらくどの暦年贈与信託も、定期金の贈与に該当しない契約になるよう設定され、税務上の問題点をクリアしているものと考えてよいでしょう。

ただし、東京国税局の回答は、あくまで照会のあった事例に対するものであるため、実際の契約の際には、その契約内容を税務の専門家に見てもらうことが望ましいです。

国税庁HP:東京国税局による文書回答例 https://www.nta.go.jp/about/organization/tokyo/bunshokaito/zoyo/160330/01.htm

<元本保証あり>
暦年贈与信託に預け入れた預金は、合同運用指定金銭信託によって運用されることが一般的です。

この信託の特長は、元本保証があることや、預金保険(倒産時に元本1,000万円まで保護される制度)の対象になることで、安定性があります。 暦年贈与信託を契約するときは、必ず元本保証や預金保険の対象になっているか確認しておきましょう。

暦年贈与信託のデメリット

<信託期間・預入金額に制限がある>
多くの暦年贈与信託では、信託期間は5年以上に設定されています。
もし信託期間が満了するまでの間に贈与された財産を、受贈者が引き出したい場合には、解約手続きをとらなければなりません。

解約手続きには、解約手数料が発生することが通常ですので、解約手数料がどのくらいかかるかは、契約前にチェックしておきましょう。

また、預入金額については500万円以上を設定している銀行が多く見られます。 まとまった資金を投入して生活に問題がないかどうか、シミュレーションした上で契約しましょう。

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