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ーコラムー
相続税の基本
税理士監修記事

相続税額の2割加算とは?具体例と計算方法

公開日:2018.3.12 更新日:2020.03.16

相続税の計算はかなり複雑で、一般の人には分かりづらくなっています。

計算上様々な工夫が必要になることが一因であり、その中には「相続税額の2割加算」という独特のルールもあります。あまり聞いたことの無い人も多いと思いますが、これも相続税額を大きく左右するものです。

今回は相続税額の2割加算制度について解説していきます。

目次

1.相続税額の2割加算とは?
2.2割加算される人、されない人
3.孫養子の場合の注意点
4.2割加算の計算方法の具体例
5.まとめ

1.相続税額の2割加算とは?

相続税額の2割加算とは?

相続税額の2割加算というのは、文字通り相続税額が2割増しになってしまうというもので、元の税額が大きくなりがちな相続税では大きなダメージとなってしまうものです。

相続税の計算ではまず課税価格を計算をし、それから相続税の総額を計算し、最後に各人の相続税額を計算するという段階を踏みます。

2割加算されるのはこのうち最後の各人の税額を算出する段階です。

2.2割加算される人、されない人

まず2割加算されない人は、被相続人と関係が深い「配偶者」及び「被相続人の一親等の血族(代襲相続人含む)」です。 つまりこれら以外の者の相続税に2割加算がされるということになります。 以下で具体的に見てみましょう。

2割加算されない人

夫、妻、父母、子、代襲相続人となる孫

2割加算される人

兄弟姉妹、おい、めい、祖父母、代襲相続人でない孫、被相続人の養子となった孫(代襲相続人となる場合は除く)、遺贈を貰う友人など


親と子は一親等、兄弟姉妹や孫は二親等、おい、めいは三親等となりますが、扱いが難しいのが「孫」です。

孫は二親等ですから原則として2割加算の対象です。しかし代襲相続人となることも多く、また相続税の非課税枠の増大などを狙って養子縁組の対象になることもあります。被相続人との関係によって、2割加算されるかされないかが決まります。要点をおさらいすると

2割加算されないのは、夫、妻、父母、子、代襲相続人となる孫
2割加算されるのが、兄弟姉妹、おい、めい、祖父母、代襲相続人でない孫、被相続人の養子となった孫(代襲相続人となる場合は除く)、遺贈を貰う友人など

3.孫養子の場合の注意点

孫養子の場合の注意点

養子は法律上養親の子どもとなる身分を取得しますので、一親等の扱いになります。したがって、原則として2割加算も適用になりません。

ここで、孫を養子に迎えた場合、その者を「孫養子」と呼びます。

「孫に財産を残したい」という要望は多くの方が持っていますが、原則でいけば孫は2割加算の対象になることには留意しておく必要があります。

代襲相続人となれば加算の対象外にできますが、代襲相続人となれるかどうかはその親(被相続人から見て子)がいつ亡くなるかという自然偶発的な要素に左右されるので確実性は相当低くなります。

これは孫を養子にした場合も、例外的に2割加算の対象にされてしまうので同様です。

孫に財産を渡すことを目的にするならば、ケースによっては生前贈与などを上手く考えて工夫する方が良いこともあります。

4.2割加算の計算方法の具体例

ではここで簡単な例を挙げてみましょう。

■2名の相続人
・被相続人の実子A
・孫養子B(=孫に迎えたAの子)

■遺産総額は1億円

被相続人に実子がいる場合は相続税の基礎控除枠で法定相続人に一人まで養子をカウントできますから、基礎控除枠は二人分使えます。

3,000万円+600万円×2=4,200万円分を基礎控除として減算し、残りの5,800万円が課税遺産総額となります。


相続税の総額を計算する為、一旦、法定相続分に従って相続したとして仮の計算をします。

AとBは同じ子としての扱いですからそれぞれ二分の一、2,900万円ずつの取り分となり、これに対応する相続税率は15%、控除額が50万円です。

従ってそれぞれ385万円、二人合わせた相続税の総額が770万円ということになります。


次に各人の相続税額を割り出す工程に入りますが、実際の相続割合も法定相続分通りの取り分だったとします。

すると、Aはやはり770万円×二分の一で385万円、先に計算した個人負担分そのままです。

しかし孫養子Bの方は同じ計算で算出した385万円に2割が加算されますから77万円が加算されて462万円が個人負担分の相続税額となります。

5.まとめ

今回は相続税額の2割加算の仕組みについて見てきました。

被相続人と関係が濃い配偶者と一親等以内の血族(代襲相続人含む)以外の者は、相続税の個人負担額に2割も加算されてしまうというものですからなかなか負担が大きいものです。

問題となりやすのが孫の扱いで、孫養子がいた場合は代襲相続人にならない限り、「子」扱いであっても例外として2割加算の対象になることは覚えておきましょう。

孫に財産を譲ることを検討するならば、生前贈与などで安全に負担なく財産を移転することも可能です。早めに税理士などに相談して有効な対策を取るようにしてください。

相続の相談コラム監修

日本クレアス税理士法人
執行役員 税理士 中川義敬

2007年 税理士登録(近畿税理士会)、2009年に日本クレアス税理士法人入社。東証一部上場企業から中小企業・医院の税務相談、税務申告対応、医院開業コンサルティング、組織再編コンサルティング、相続・事業承継コンサルティング、経理アウトソーシング決算早期化等に従事。事業承継・相続対策などのご相談に関しては、個々の状況に合わせた対応により「円滑な事業承継」、「争続にならない相続」のアドバイスを行う税理士として定評がある。(プロフィールページ

・執筆実績:「預貯金債券の仮払い制度」「贈与税の配偶者控除の改正」等
・セミナー実績:「クリニックの為の医院経営セミナー~クリニックの相続税・事業承継対策・承継で発生する税務のポイント」「事業承継対策セミナー~事業承継に必要な自己株式対策とは~」等多数

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日本クレアス税理士法人 相続サポート

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