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ーコラムー
相続税

相続税はいくらからかかるのか?節税対策の必要性と金額の計算方法

2019.6.4

相続税の計算を手順に分けて具体例を挙げながら丁寧に解説をしています。また、相続税を減らすために活用できる特例なども紹介しています。生前対策をお考えの方はぜひご参考ください。

目次

1.相続税が発生する基準
2.法定相続人の数え方、具体例、法定相続分とは
3.相続税の計算方法、納付税額が加算・減算される場合
4.相続税を減らす方法例、生前贈与・小規模宅地等の特例
5.相続税の生前対策をお考えの方

相続税が発生する基準

相続税は、相続税の対象となる財産の合計額から「基礎控除額」を差し引いた、残りの金額に対して発生します。

「基礎控除額」とは、「3,000万円+600万円×法定相続人の数」で計算される金額です。

たとえば法定相続人が2人の相続であれば、基礎控除額は4,200万円(3,000万円+600万円×2人)になります。
この場合、相続税の対象になる財産の合計額が4,200万円以下であれば、相続税はかかりません。

つまり相続税が発生するのは、基礎控除額よりも、相続税の対象となる財産の合計額が多いときです。

相続税が発生する基準

相続税は「各相続人の課税価格の合計額」が重要

相続税は、相続税の対象になる財産の合計額から、基礎控除額を差し引いた残額に対して発生します。

相続税の対象になる財産のことを「各相続人の課税価格」といい、その合計額から基礎控除額を差し引いた残額のことを「課税遺産総額」といいます。計算式で表すと次のようになります。

相続税は「各相続人の課税価格の合計額」が重要

こうすると、相続税が発生するどうかは「各相続人の課税価格」が非常に重要であることがわかります。

なお「各相続人の課税価格」は、単なる遺産額とは異なります。「各相続人の課税価格」に計上される財産の代表的なものはこちらです。

■遺贈によって受け取った財産
■遺産分割によって受け取った財産
■みなし相続財産(死亡保険金や死亡退職金など)
■相続時精算課税制度によって贈与を受けた財産
■相続開始前3年以内に相続人が生前贈与を受けた財産


本来、相続とは、被相続人の死亡によって被相続人から相続人に財産が承継されることをいいますが、相続税の計算対象となる財産はこれだけでは足りず、上記のように、保険会社や勤務先から支払われる「みなし相続財産」や、生前に贈与を行った一定の財産まで含まれるのです。

そして相続人ごとに上記の財産を合計した額から、1,000円未満を切り捨てた価格が、「各相続人の課税価格」です。

なお、計上した財産の中に「非課税財産」(※1)がある場合、その財産は、相続財産には含めません。

また、被相続人の「債務」(※2)を相続した人や、被相続人の「葬式費用」(※2)を負担した人は、その金額を、受け取った財産から控除することができます。

(※1)「非課税資産」とは

相続財産の中には「非課税の財産」というものがあります。たとえば下記が代表的なものです。

・お墓や仏壇、日常礼拝に使用する祭具
・死亡保険金や死亡退職金のうち、相続人が受け取る一定の金額(非課税限度額あり)

非課税財産の価額は、各相続人の課税価格に含めません。

(※2)被相続人の「債務」・「葬式費用」とは

被相続人の「債務」とは、被相続人の借金や未払いの料金、税金といったマイナスの財産です。

被相続人の債務を相続した人は、その債務の額を、受け取った財産額から控除することができます。ただし、相続開始の時に被相続人の債務の額が確定していないものは、控除できません。

被相続人の「葬式費用」とは、被相続人の通夜や葬儀の費用、火葬や納骨の費用、御遺体の捜索や運搬の費用などです。

これらの費用を負担した相続人は、その負担額を、受け取った財産額から控除することができます。ただし、香典返礼費用や、亡くなってから購入した墓地などは、含まれません。

なお「債務」・「葬式費用」は、誰が負担した場合でも控除できるわけではなく、たとえば相続人でない特定受贈者(遺言により特定の財産を与えられた人)などは、控除の対象外となります。

法定相続人の数え方

法定相続人とは、法律上の相続権をもつ一定の親族のことです。

法定相続人になるのは下記になります。
■配偶者
■血族相続人(子ども・親・兄弟姉妹)

配偶者は常に法定相続人となるのに対して、血族相続人は全員が法定相続人になるわけではありません。血族相続人には相続順位があり、相続順位が最も高い人だけが、法定相続人に数えられます。

血族相続人の相続順位
■第1順位:子
■第2順位:親
■第3順位:兄弟姉妹

法定相続人の数え方の具体例

【例】被相続人に妻、子ども3人、母親、兄がいる場合の法定相続人
       →妻と子ども3人(法定相続人は4人)

【例】上記の例で子どもがいなかった場合の法定相続人
       →妻と母親(法定相続人は2人)

【例】被相続人に兄しかいない場合
       →兄(法定相続人は1人)

法定相続分とは

法定相続分とは、法定相続人がもつ相続権の割合です。
法定相続分は、法定相続人の組み合わせで、次のように変わります。

法定相続人の組合せ 法定相続分
配偶者 + 子ども 配偶者…2分の1、子…2分の1
配偶者 + 親 配偶者…3分の2、親…3分の1
配偶者 + 兄弟姉妹 配偶者…4分の3、親…4分の1

血族相続人が複数いる場合は、血族相続人の法定相続分をその人数で均等に分けます。

【例】妻と子ども3人の法定相続分
       →妻…2分の1、子ども…1人6分の1ずつ

相続税の計算方法

それでは、「各相続人の課税価格」からどのように相続税が計算されるか、事例で確認しましょう。

まず、相続税の計算手順は次のとおりです。

各相続人の「課税価格の合計額」を計算する
課税価格の合計額から基礎控除額を差し引き「課税遺産総額」を算出する
課税遺産総額を法定相続分で分ける
法定相続分ごとに相続税を計算する
相続税額を合計する
相続税額合計を実際の相続分に応じて各相続人に配分する
税額控除などを行い、各相続人の納付税額を計算する

この手順を使って、次の例で相続税を実際に計算します。

【例】
被相続人の妻・長男(22歳)・次男(18歳)がそれぞれ次のように被相続人の財産を相続した。(法定相続人も、この3人とします。)

<妻が相続した財産>
・不動産 5,000万円
・現金 1,500万円
・死亡保険金 2,000万円

<長男が相続した財産>
・現金 2,200万円
・自動車 100万円
・葬式費用 300万円を負担

<次男が相続した財産>
・現金 1,500万円
・株式 300万円

1_各相続人の「課税価格の合計額」を計算する

<妻の課税価格>
不動産5,000万円+現金1,500万円+死亡保険金500万円(※)=7,000万円(千円未満切り捨て)

(※)死亡保険金の非課税限度額は、「法定相続人の数×500万円」です。他に死亡保険金を取得した相続人がいないため、非課税限度額の全額を妻の死亡保険金から控除します。

・非課税限度額 500万円×3人=1,500万円
・課税価格に計上する額 2,000万円-1,500万円=500万円


<長男の課税価格>
現金2,200万円+自動車100万円-葬式費用300万円=2,000万円(千円未満切り捨て)


<次男の課税価格>
現金1,500万円+株式300万円=1,800万円(千円未満切り捨て)


<各相続人の課税価格の合計>
妻7,000万円+長男2,000万円+次男1,800万円=1億800万円

2_課税価格の合計額から基礎控除額を差し引き「課税遺産総額」を算出する

法定相続人は3人ですので、基礎控除額は、4,800万円(3,000万円+600万円×3人)になります。したがって課税遺産総額は、6,000万円(1億800万円-4,800万円)です。

3_課税遺産総額を法定相続分で分ける

妻、長男、次男の法定相続分は次のとおりです。
・妻…2分の1
・長男…4分の1
・次男…4分の1

6,000万円を法定相続分に応じて分けると、次のようになります。
・妻  3,000万円
・長男 1,500万円
・次男 1,500万円

4_法定相続分ごとに相続税を計算する

法定相続分ごとに、相続税の計算を行います。相続税率は次のようになります。

法定相続分に応ずる取得金額 税率 控除額
1,000万円以下 10% なし
3,000万円以下 15% 50万円
5,000万円以下 20% 200万円
1億円以下 30% 700万円
2億円以下 40% 1,700万円
3億円以下 45% 2,700万円
6億円以下 50% 4,200万円
6億円超 55% 7,200万円

・妻の相続税額
 3,000万円×15%-50万円=400万円

・長男の相続税額
 1,500万円×15%-50万円=175万円

・次男の相続税額
 1,500万円×15%-50万円=175万円

5_相続税額を合計する

法定相続分ごとに算出した相続税を合計します。

妻400万円+長男175万円+次男175万円=750万円(100円未満切り捨て)

6_相続税額合計を実際の相続分に応じて各相続人に配分する

相続税額750万円を、各相続人の実際の相続分に応じて配分します。

実際の相続分に応じて配分するには、「あん分割合」を使用します。あん分割合は、課税価格の合計額(1億800万円)に対する、各相続人の課税価格(妻7,000万円、長男2,000万円、次男1,800万円)の割合から計算します。

今回は、各相続人のあん分割合を次のように定めます。
・妻:0.648
・長男:0.185
・次男:0.167

あん分割合を使用して、相続税の合計額750万円を各相続人に配分すると次のようになります。
・妻:486万円
・長男:138万7,500円
・次男:125万2,500円

7_税額控除などを行い、各相続人の納付税額を計算する

各相続人が納付する相続税額は、各相続人の状況によって加算される場合と減算される場合があります。

今回の例では、妻が「配偶者の税額軽減」によって、納付税額0円となります。 また18歳である次男は、「未成年者控除」によって相続税額から20万円(※)が控除されます。

(※)(20歳-18歳)×10万円=20万円

したがって、最終的な納税額は、次のとおりです。
・妻:0円
・長男:138万7,500円(100円未満切り捨て)
・次男:105万2,500円(100円未満切り捨て)

納付税額が加算される場合

相続や遺贈によって財産を取得した人が、配偶者、子、親以外の人の場合、その相続人が支払う相続税は、通常より2割加算(=1.2倍)となります。

納付税額が減算される場合

相続税が減算されるのは、下記を代表する控除が適用される場合となります。

・配偶者の税額軽減
・未成年者控除
・障害者控除
・相次相続控除
・外国税額控除
・贈与税額控除

それぞれの内容と要件は次のとおりです。

配偶者の税額軽減 配偶者の取得した財産額が下記であれば、相続税額が全額免除されるもの
・1億6,000万円以下
・1億6,000万円を超えるときは課税遺産総額に対する配偶者の法定相続分以下
未成年者控除 未成年者の法定相続人が負担する相続税から、成人になるまでの年数1年につき10万円を控除するもの
障害者控除 障害者の法定相続人が負担する相続税から、85歳になるまでの年数の1年につき10万円(特別障害者は20万円)を控除するもの
相次相続控除 被相続人が過去10年以内に支払った相続税がある場合、その一部を今回の相続額から控除するもの
外国税額控除 外国の財産に支払った外国の相続税がある場合に
・外国に支払った相続税額
・外国の財産にかかる日本の相続税額
のうち小さい方の額を控除するもの
贈与税額控除 生前贈与加算によって加算された財産について負担した贈与税額や、相続時精算課税制度で負担した贈与税額を控除するもの

相続税を減らす方法例

相続税を減らすために最も効果的な対策は、最初に登場した「各相続人の課税価格」を下げることです。

「各相続人の課税価格」を下げる方法として代表的なものには下記があります。
■生前贈与
■小規模宅地等の特例

生前贈与

贈与税が非課税となる財産を、生前のうちに相続人となる人に贈与すれば、「各相続人の課税価格」を下げることができます。

たとえば先ほどの相続税の計算例で、相続財産のうち現金は、妻1,500万円、長男2,200万円、次男1,500万円でした。

このように現金が多い相続では、「贈与税の非課税特例」を活用した生前贈与を行うと、非常に節税効果が高いです。

贈与税の非課税特例とは

贈与税の非課税特例とは、限度額内の金銭を非課税で贈与できる制度で、「住宅取得等資金贈与」や「教育資金の一括贈与」、「結婚・子育て資金の一括贈与」があります。

先ほどの相続税の計算例で、相続税額の合計額は750万円(「相続税の計算方法5」参照)でしたが、仮に贈与税の非課税制度を活用して、現金3,000万円を非課税で生前贈与していた場合、相続税額の合計額は325万円になります。

  贈与前 贈与後
各相続人の課税価格の合計額 1億800万円 7,800万円
課税遺産総額(基礎控除を差し引いた額) 6,000万円 3,000万円
相続税の合計額 750万円 325万円

また、特例によって非課税限度額内で行われた贈与であれば、3年以内の生前贈与であっても相続税の対象になりません。

注意点は、贈与税の非課税制度それぞれに、複雑な適用要件があることです。 たとえば今回の例で、次男は未成年の設定ですが、未成年への贈与で適用可能性がある制度は「教育資金の一括贈与」のみとなります。

適用要件は、年齢以外にも所得、贈与の方法、贈与を受けた資金の使い途など非常に多いため、活用する場合は、まずは専門家に相談しましょう。

なお、もともと扶養義務者に支払われる生活費や教育費については、必要な都度、支払われるものである限り全て非課税です。

小規模宅地等の特例

「小規模宅地等の特例」とは、被相続人の土地を相続したとき、相続開始時におけるその土地の用途が、被相続人や一定の親族の居住用・事業用・貸付事業用であった場合、それぞれ要件を満たすことによって、その土地の相続税評価額を、80%又は50%減額することができる制度です。

「小規模宅地等の特例」の要件を満たす居住用・事業用・貸付事業用の土地を、それぞれ
・特定居住用宅地等
・特定事業用宅地等
・貸付事業用宅地等
といいます。

土地と限度面積、減額割合は次のとおりです。

相続開始時の用途 限度面積 減額割合
特定居住用宅地等 330平方メートル 80%
特定事業用宅地等 400平方メートル 80%
貸付事業用宅地等 200平方メートル 50%

たとえば先ほどの例で、妻が不動産5,000万円を取得していますが、仮にこのうち4,000万円が「特定事業用宅地等」であれば、4,000万円の評価額を80%減額することができます。

その土地の面積が400平方メートル以下であれば、800万円で相続できるということです。 もし先ほどの例で、不動産のうち4,000万円を800万円に減額できた場合、相続税額の合計額は300万円になります。

  減額前 減額後
各相続人の課税価格の合計額 1億800万円 7,600万円
課税遺産総額(基礎控除額を差し引いた額) 6,000万円 2,800万円
相続税の合計額 750万円 300万円

ただし、特定居住用宅地等、特定事業用宅地等、貸付事業用宅地等に該当するかどうかは、誰が相続するか、相続後の保有や使用などの要件を満たさなければならないため、注意が必要です。

相続税の生前対策をお考えの方

ここまでみてきたように、相続税は土地などの財産の評価、適用できる控除など様々な要因が複雑に絡み合い、その算出が非常に難しいものです。

日本クレアス税理士法人では、発生した相続に対する相続税の申告はもちろん、発生する前から相続税のシミュレーションを行い、将来の相続に対して準備をする生前対策のご相談も受け付けております。

シミュレーションでご紹介したように、生前贈与を行うと相続税の負担を軽くすることができる場合があります。ですが生前贈与にも注意すべき点が多数あり、間違った方法で行うと逆効果になることもあります。

相続に関するお悩みをお持ちの方はお気軽に初回無料の個別相談にお越しください。 効果的な生前贈与の方法が知りたい、また納税資金に不安がある、すでに相続が発生してしまったなど、あらゆる相続に関するお悩みに専門のスタッフが丁寧に対応いたします。