相続税

【2026年最新】三親等とは?どこまで含む?叔父・叔母・甥・姪・ひ孫の範囲と相続を税理士監修で解説

監修

中村亨

日本クレアス税理士法人 代表 税理士 公認会計士

相続の手続きや忌引き休暇の申請で「三親等」という言葉を目にして、自分の親族の誰が当てはまるのか迷った方は多いのではないでしょうか。

三親等は、叔父・叔母や甥・姪といった身近な親族が含まれる一方で、「いとこ」は三親等ではないなど、直感と食い違いやすい範囲です。

また、三親等の親族に相続権があるかどうか、相続税が2割加算されるかどうかも、実務では判断を迷いやすいポイントです。

本記事では、三親等に該当する親族の範囲を早見表で整理し、親等の数え方、相続・忌引き休暇・扶養義務との関係までを解説します。

1. 三親等とは?

三親等とは、本人(自分)から数えて3世代分だけ離れた親族のことです。血族では曽祖父母・ひ孫・叔父叔母・甥姪が、姻族(配偶者側)では配偶者の曽祖父母・配偶者の叔父叔母・配偶者の甥姪が三親等にあたります。

三親等に含まれる親族を一覧にすると、以下のとおりです。

  • 血族(自分の血縁):曽祖父母/ひ孫/叔父・叔母(伯父・伯母)/甥・姪
  • 姻族(配偶者の血縁):配偶者の曽祖父母/配偶者の叔父・叔母/配偶者の甥・姪

「親等」は、本人と配偶者を「0」として、世代をひとつたどるごとに1ずつ増える数え方をします。

そのため三親等は、一親等(父母・子)、二親等(祖父母・孫・兄弟姉妹)よりも一段階遠い関係にあたります。

1-1. 血族の三親等|曽祖父母・ひ孫・叔父叔母・甥姪

血のつながりのある親族(血族)のうち、三親等に該当するのは以下の4種類です。

該当する親族

本人からの数え方

曽祖父・曽祖母(ひいおじいさん・ひいおばあさん)

父母(1)→祖父母(2)→曽祖父母(3)

ひ孫

子(1)→孫(2)→ひ孫(3)

叔父・叔母(伯父・伯母)

父母(1)→祖父母(2)→祖父母の子=叔父叔母(3)

甥・姪

父母(1)→兄弟姉妹(2)→兄弟姉妹の子=甥姪(3)

曽祖父母とひ孫は本人の真上・真下にあたる「直系」、叔父叔母と甥姪は枝分かれした「傍系」です。

傍系の親族は、いったん共通の祖先までさかのぼってから数えるのがポイントです(民法726条2項)。

1-2. 姻族の三親等|配偶者側の同じ関係にあたる親族

婚姻によって親族となった人を「姻族」といい、姻族も血族と同じ数え方をします。

  • 配偶者の曽祖父・曽祖母
  • 配偶者の叔父・叔母
  • 配偶者の甥・姪

民法上、親族となる姻族は三親等以内と定められています(民法725条3号)。

つまり配偶者側の親族については、三親等がちょうど「親族」の境界線になります。

1-3. 「三等親」は誤りで、正しくは「三親等」

「三等親(さんとうしん)」という表記を見かけることがありますが、民法上の正式な用語は「三親等(さんしんとう)」です。

意味するところは同じなので、書類の記載で迷った場合は「三親等」と書けば問題ありません。

2. 三親等はどこまで?一親等〜四親等の早見表

三親等がどこまでを指すのかは、一親等から四親等までを並べて見ると一目でわかります。

親等

血族

姻族(配偶者側)

0親等

本人

配偶者

一親等

父母/子

配偶者の父母/子の配偶者

二親等

祖父母/孫/兄弟姉妹

配偶者の祖父母/配偶者の兄弟姉妹/兄弟姉妹の配偶者/孫の配偶者

三親等

曽祖父母/ひ孫/叔父・叔母/甥・姪

配偶者の曽祖父母/配偶者の叔父叔母/配偶者の甥姪

四親等

高祖父母/やしゃご/いとこ/大叔父・大叔母

(民法上の親族には含まれない)

民法725条では、親族の範囲を「6親等内の血族」「配偶者」「3親等内の姻族」と定めています。

血族は六親等まで親族に含まれますが、姻族は三親等までである点に注意してください。

一親等〜四親等の全体像や、続柄ごとの詳しい数え方は、親等とは?1〜4親等の数え方・早見表の記事で解説しています。

2-1. いとこは三親等ではなく四親等

いとこは三親等ではなく、四親等の血族です。

いとこは「父母(1)→祖父母(2)→叔父叔母(3)→叔父叔母の子=いとこ(4)」とたどるため、四親等となります。

叔父・叔母が三親等であることから、その子であるいとこも三親等だと誤解されやすいので注意しましょう。

2-2. 二親等との違いは「世代がひとつ遠いかどうか」

二親等は祖父母・孫・兄弟姉妹で、三親等はそこからもう一世代たどった親族です。

  • 祖父母(二親等)→ 曽祖父母(三親等)
  • 孫(二親等)→ ひ孫(三親等)
  • 兄弟姉妹(二親等)→ 甥・姪(三親等)

二親等に該当する親族の詳細は、二親等とは?どこまで含む?兄弟・祖父母・孫・配偶者の範囲をご覧ください。

3. 三親等の数え方|迷いやすい5つのケース

親等は「本人または配偶者を0として、世代をひとつたどるごとに1を足す」という数え方が基本です。ただし養子縁組や再婚がからむと判断が分かれます。

3-1. 養子縁組をした親族

養子縁組をすると、養親と養子は法律上の血族(法定血族)となり、実の親子と同じ一親等として扱われます。

そのため、養親の兄弟姉妹は養子から見て三親等の血族になります。

3-2. 連れ子と再婚相手の親族

再婚相手の連れ子は、養子縁組をすれば一親等の血族、しなければ一親等の姻族です。

姻族には相続権がないため、連れ子に財産を遺したい場合は養子縁組をしておくか、遺言で遺贈する必要があります。

3-3. 異母・異父の甥姪

父母のどちらか一方だけが同じ兄弟姉妹(半血兄弟姉妹)も二親等です。

したがって、その子である甥・姪も三親等として扱われます。

3-4. 内縁関係のパートナーの親族

内縁関係や事実婚のパートナーは法律上の配偶者ではないため、親等を数えることができません。

パートナーの叔父叔母や甥姪も、民法上の親族には該当しません。

3-5. 離婚した場合の姻族関係

離婚すると配偶者側との姻族関係は終了するため、配偶者の甥姪などは親族ではなくなります。

一方、血族である自分の甥姪は、離婚の影響を受けず三親等のままです。

4. 三親等が関係する3つの場面

三親等という区切りは、相続・忌引き休暇・扶養義務の3つの場面で意味を持ちます。

  • 相続:甥・姪が代襲相続で相続人になる場合がある
  • 忌引き休暇:三親等までを対象とする就業規則が多い
  • 扶養義務:家庭裁判所の判断で三親等内の親族に負わせられる

4-1. 相続|三親等が相続人になるのは甥・姪のケース

法定相続人になれるのは、配偶者と、子(第1順位)、直系尊属(第2順位)、兄弟姉妹(第3順位)です。

三親等の親族が相続人になれるかどうかは、以下のとおりです。

三親等の親族

相続人になるか

甥・姪

兄弟姉妹がすでに亡くなっている場合、代襲相続により相続人になる

曽祖父母

父母・祖父母がいずれも亡くなっている場合、直系尊属として相続人になる

ひ孫

子・孫がいずれも亡くなっている場合、代襲相続(再代襲)により相続人になる

叔父・叔母

相続人にはならない

配偶者側の三親等(姻族)

相続人にはならない

なお、兄弟姉妹の代襲相続は甥・姪の一代限りで、甥・姪の子には引き継がれません。

詳しくは甥や姪が相続する場合の基礎控除は?代襲相続などパターン別に解説、および代襲相続人とは?代襲相続と再代襲相続のケース別具体例で解説しています。

4-2. 忌引き休暇|三親等までを対象とする規程が一般的

忌引き休暇は法律上の制度ではなく、会社の就業規則で定められる福利厚生です。

一般的には三親等までを対象とし、親等が遠くなるほど日数が短くなります。

続柄

日数の目安

配偶者(0親等)

7〜10日

父母・子(一親等)

5〜7日

祖父母・兄弟姉妹・孫(二親等)

1〜3日程度

叔父・叔母・甥・姪(三親等)

1日程度(対象外とする会社もある)

日数は会社によって差があるため、実際の申請前に自社の就業規則を確認してください。

4-3. 扶養義務|原則は直系血族と兄弟姉妹まで

民法877条1項では、扶養義務を負うのは直系血族と兄弟姉妹と定められています。

ただし特別の事情がある場合、家庭裁判所は三親等内の親族にも扶養義務を負わせることができます(同条2項)。

つまり叔父叔母や甥姪は、原則として扶養義務を負いませんが、例外的に義務を課される可能性があります。

5. 三親等と相続税|甥・姪は2割加算の対象になる

甥・姪が相続や遺贈で財産を取得した場合、相続税額が2割加算されます。

相続税の2割加算は、被相続人の一親等の血族(子・父母、および代襲相続人となった直系卑属)と配偶者以外の人が対象です(相続税法18条)。

三親等にあたる甥・姪はこの例外に含まれないため、通常の相続税額に20%が上乗せされます。

5-1. 甥・姪が相続した場合の計算例

算出した相続税額が300万円だった場合、2割加算後の税額は以下のとおりです。

  • 300万円 × 1.2 = 360万円

60万円の差が生じるため、甥・姪に財産を遺す予定がある場合は、生前贈与などの対策とあわせて検討する価値があります。

2割加算の対象範囲や計算方法は、相続税額の2割加算の対象者や計算方法で詳しく解説しています。

5-2. ひ孫が代襲相続した場合は2割加算されない

同じ三親等でも、ひ孫が代襲相続人として財産を取得した場合は2割加算の対象になりません。

代襲相続人となった直系卑属は、一親等の血族に含めて扱われるためです。

ただし、代襲相続ではなく遺贈でひ孫が財産を受け取る場合は2割加算の対象となります。

6. 三親等についてよくある質問

三親等の範囲は判断に迷いやすいため、よく寄せられる質問をまとめました。

6-1. 三親等はどこまでの範囲ですか?

血族では曽祖父母・ひ孫・叔父叔母・甥姪、姻族では配偶者の曽祖父母・叔父叔母・甥姪までが三親等です。

6-2. いとこは3親等ですか?

いとこは四親等です。叔父・叔母が三親等で、その子であるいとこは、さらに一世代離れるため四親等になります。

6-3. 甥・姪は何親等ですか?

甥・姪は三親等の血族です。兄弟姉妹(二親等)の子にあたるため、三親等となります。

6-4. 「3親等以内の親族」とは誰を指しますか?

本人・配偶者から数えて三親等までの血族と姻族を指し、父母・子・祖父母・孫・兄弟姉妹・曽祖父母・ひ孫・叔父叔母・甥姪と、それぞれに対応する配偶者側の親族が含まれます。保険の加入条件や社内規程でこの表現が使われる場合、対象範囲が独自に定められていることもあるため、個別の約款や規程で確認してください。

6-5. 三親等の親族に相続権はありますか?

原則としてありません。例外は、兄弟姉妹が先に亡くなっている場合に代襲相続する甥・姪、子や孫が先に亡くなっている場合に代襲相続するひ孫、父母・祖父母がいずれもいない場合の曽祖父母です。

6-6. 叔父・叔母の遺産を相続できますか?

叔父・叔母に配偶者・子・父母・兄弟姉妹のいずれもいない場合、甥・姪であるあなたが代襲相続人として相続する可能性があります。該当しない場合は、遺言による遺贈でのみ財産を受け取れます。

なお、法定相続人の範囲と順位については、法定相続人とは?範囲・順位・相続分を解説で詳しく解説しています。

7. 三親等の範囲を正しく把握して相続に備えよう

三親等は、血族では曽祖父母・ひ孫・叔父叔母・甥姪、姻族では配偶者側の同じ関係にあたる親族です。

いとこが四親等であること、姻族は三親等までしか親族に含まれないことを押さえておけば、書類の記載や忌引き休暇の申請で迷うことは少なくなります。

相続の場面では、甥・姪が代襲相続人になるケースや、相続税の2割加算の有無が争点になりやすいポイントです。

ご自身のケースで相続人が誰になるのか、税額がいくらになるのかを正確に把握したい方は、相続専門の税理士にご相談ください。

監修

中村亨

日本クレアス税理士法人 代表
税理士
公認会計士

2002年8月に会計事務所として創業、2005年には税理士事務所を開業し、法人や個人のお客様の会計・税務の支援をする中で、「人事労務の問題を相談をしたい」「事業承継を検討している」といったお客様のニーズに応える形でサービスを拡大し続け、現在では社会保険労務士法人など複数の法人からなるグループ企業に成長してきました。お客様に必要なサービスをワンストップで提供できることが当社の強みです。

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