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ーコラムー
相続税
税理士監修記事

複数の相続資格があるとき、相続分はどうなる?

公開日:2016.10.17 更新日:2022.10.11

「相続資格の重複」とは1人の相続人に相続資格が複数帰属することをいいます。

要は、1人の相続人が2以上の相続資格を満たした状況をいいます。 それでは、相続資格が重複している場合において、その相続人の相続分は一体どうなるのでしょうか?

相続「人」を重視して1人につき1口しか相続分が認められないのでしょうか?それとも、相続「資格」を重視して同一同一人物であっても複数の相続分が認められるのでしょうか? 

結論としては、相続資格の重複については様々な学説があり、統一された基準はありません。従って、相続分の加算が認められるケースもあれば、認められないケースもあります。

しかしながら、実務上は、相続資格の重複を肯定するケースがほとんどで、それぞれの相続資格について相続権の主張が認められるとすることが一般的です。 以下、具体例を見ていきましょう。

目次

1.養子と代襲相続人としての相続資格の重複(孫養子)
2.兄弟姉妹間での養子縁組
3.実子と養子が婚姻し、養子が死亡した場合
  3-1.特別養子縁組
  3-2.普通養子縁組

1.養子と代襲相続人としての相続資格の重複(孫養子)

今回は、Xに子A・子B・Aの子C(Xの孫)がいるケースを想定してください。

XはCにも相続財産を分割したいと考え、Cを養子にすることにしました(孫養子)。これにより、自分の孫を「子」とすることができるため、Xの相続財産はA・B・Cそれぞれに3分の1ずつ分割されることになります(法定相続分)。

ところが、Xの相続が発生する前に、A(Cの親)が亡くなってしまいました。

その後、Xが亡くなりXの相続が発生した場合において、Cは子(養子)としての相続資格を持つと共に、Aの代襲相続人としての相続資格も持つことになります。このケースにおいて、Cはどの立場の相続権を主張できるのでしょうか?

今回の場合、Cは両方の立場から相続権を主張することができます。すなわち、Cに対して相続分の加算が認められているのです。

つまり、「子」としての相続分がBとCにそれぞれ3分の1ずつ、及び、「代襲相続人」としての相続分がCに3分の1(結果的にCは3分の2)が法定相続分となります。

今回取り扱った「孫養子」のケースでは、相続資格の重複が肯定されました。「孫養子」を行った結果、養子と代襲相続人としての相続資格が重複したケースを紹介しました。 実務上は、相続資格の重複を肯定するケースがほとんどですが、以下で紹介する「兄弟姉妹間での養子縁組」と「実子と養子が婚姻した場合」の2つのケースではどうなるのでしょうか?詳しくは続きの記事でご確認ください。  

2.兄弟姉妹間での養子縁組

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今回は、兄Aと弟Bのケースを想定してください。

Aは既婚者ですが子供がおらず、Aの弟であるBを養子にすることにしました。その後、Aが亡くなり相続が発生した場合において、Bには子(養子)としての立場と弟としての立場が存在します。

このケースにおいて、Bはどの立場の相続権を主張できるのでしょうか?

今回の場合、Bは子(養子)としての立場から相続権を主張するにとどまります。その理由は、法律上、遺産分割には順位が定められているからです。

例えば、直系卑属(子や孫)は第一順位、兄弟姉妹は第三順位と定められています。そして、順位が異なる相続資格が重複している場合には、その重複している相続資格を同時に主張することはできず、先順位(このケースでは子(養子)としての第一順位)の相続資格のみが認められることになります。

従って、相続分の加算は問題にならず、相続資格の重複に関する問題は生じないことになります。

ちなみに、Bが養子としての相続資格を放棄した場合において、兄弟姉妹としての相続資格の放棄も同時に効力が発生するのかが問題になることがあります。この場合には、Bが先順位(子(養子)としての相続資格)の相続は放棄したが、後順位(兄弟としての相続資格)の相続は放棄していないという明確な意思表示をしない限り、後順位(兄弟としての相続資格)の相続も放棄したとする見解が実務上一般的とされています。

3.実子と養子が婚姻し、養子が死亡した場合

養子は「特別養子縁組」と「普通養子縁組」に分かれていて、どちらの養子縁組をしたのかによって、相続の取り扱いも変わってきます。

3-1.特別養子縁組

特別養子縁組とは、戸籍上も実親との関係を断ち切り、実親との親子関係を完全に終了させる養子縁組をいいます。法律上、実親との親子関係が消滅していますので、実親との間には相続関係も発生しません。

従って、養親より先に養子が亡くなってしまった場合において、例えば、夫妻に子供がいた場合には配偶者と子それぞれ2分の1ずつ、夫妻に子供がいない場合には配偶者に3分の2・養親に3分の1・実親0といった形が法定相続分となります。

3-2.普通養子縁組

普通養子縁組とは、戸籍上、実親との関係性は残しつつ、養親との親子関係も成立し、親子関係が二重に存在する養子縁組をいいます。相続が発生した場合には、実親関係・養親関係それぞれに関して相続権がある状態になります。

つまり、養子は実親が死亡したときも養親が死亡したときも法定相続人となり、養子が先に亡くなった場合には、実親・養親双方が法定相続人となる可能性があります。そして、実親関係と養親関係の間に差は生じず、等しい割合が法定相続分となります。

また、兄弟姉妹が法定相続人となるケースにおいても、実の兄弟姉妹と養子縁組による兄弟姉妹に差は生じず、等しい割合で法定相続人にも被相続人にもなる可能性があります。

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