相続時精算課税制度(そうぞくじせいさんかぜいせいど)とは―
贈与税の課税制度には、「暦年課税」と「相続時精算課税」の2つの制度があり、そのうちの一つが、「相続時精算課税制度」です。
この制度の大きな特徴は、この制度の適用を受けると、2500万円までの贈与について贈与税がかからないというものです。 ただし、贈与者(贈る人)が亡くなった時には、遺産(財産)にその贈与した財産を加えて相続税の計算をします。
一定の要件に該当する場合に「相続時精算課税」を選択することができ、贈与財産の種類、金額、贈与回数に制限はありません。 通算して2500万円に達するまで無税で贈与を行える制度で、2,500万円を超えた場合は、超えた部分に対して一律20%の課税がされます。
相続の際(贈与者が亡くなった時)には、相続財産に贈与財産が贈与時の価格で加えられます。 そのため、贈与時より相続時にその財産が値上りしている場合は、贈与時の低い価格で計算されるので有利になります。
相続時精算課税を受けるための条件などはありますか?
平成26年12月31日までの相続時精算課税は、65歳以上の親が贈与者(贈る人)で、20歳以上の子(推定相続人)がその受贈者(もらう人)である場合にだけ適用できました。
平成27年1月1日以降からは、要件の見直しにより
1. 受贈者の範囲に、20歳以上の孫を加える。
2. 贈与者の年齢要件を60歳以上(現行 65歳以上)に引き下げる。
受贈者に20歳以上の孫が加わり、贈与者の年齢も5歳引き下げられました。
また、相続時精算課税制度を選択した場合、贈与を受けた翌年の2月1日から3月15日までに、税務署に「相続時精算課税選択届出書」を提出します。 贈与を受ける度に、申告が必要となります。
※一度この「相続時精算課税」制度を届け出ると、翌年もこの制度の適用を受けます。撤回はできません。
※贈与者(贈る人)ごと、受贈者(もらう人)ごとに選択でき、一人につき2,500万円の上限となります。
相続税がかからない人の利用について
相続時精算課税は、相続税の心配がない親子間の贈与にもメリットがあります。
暦年課税制度の場合、相続財産の価額が相続税の基礎控除以下のため、相続税額が算出されないケースであっても、生前贈与で資産を移転すると贈与税が生じていました。
相続時精算課税では、上記のケースで、特別控除額2,500万円以内の生前贈与については、贈与時、相続時を通じて税額ゼロとなります(贈与税の負担をゼロとするためには、贈与税の期限内申告が必要です)。
また、上記のケースで、特別控除額2,500万円を超える生前贈与では、超過分には20%の税率で贈与税がかかりますが、相続時には申告をすることにより、先に納付した贈与税額が全額還付されます。
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