相続税

法事のお布施の書き方|初七日・四十九日・一周忌・三回忌の表書きと金額相場

監修

中村亨

日本クレアス税理士法人 代表 税理士 公認会計士

四十九日や一周忌が近づき、お布施の封筒に何と書けばよいのか、法要ごとに変えるべきなのか迷っていませんか。

結論から言うと、表書きは法要の種類にかかわらず「御布施」で共通です。変わるのは金額の目安のほうです。

本記事では、初七日・四十九日・一周忌・三回忌それぞれの表書きと金額の目安、封筒の選び方、法要のお布施と相続税の関係までを解説します。

1. 法事のお布施の表書きは「御布施」で共通

初七日・四十九日・一周忌・三回忌のいずれであっても、お布施の表書きは「御布施」と書きます。法要の名称を書き入れる必要はありません。

書き方の基本は以下のとおりです。

  • 封筒の表面中央上部に「御布施」と縦書き
  • その下に施主のフルネーム、または「○○家」
  • 墨は濃墨(薄墨は香典に用いるもので、お布施には使いません)
  • 裏面の左下に住所・氏名、金額を記入

「御霊前」「御仏前」は参列者が遺族に渡す不祝儀の表書きであり、僧侶へのお布施には使いません。

1-1. 四十九日を過ぎても濃墨のままでよい

香典は四十九日までを薄墨、それ以降を濃墨とする慣習がありますが、お布施は最初から最後まで濃墨です。

お布施は弔意ではなく僧侶への謝礼であり、薄墨が意味する「涙で墨が薄まった」という表現になじまないためです。

2. 法要別のお布施の金額の目安

お布施に定価はありませんが、法要の種類ごとにおおよその目安があります。

法要

金額の目安

備考

通夜・葬儀の読経

3万円〜5万円

1回あたりの目安。戒名料は別途10万円〜

初七日

1万円〜3万円

葬儀当日に繰り上げて行うことが多い

四十九日

3万円〜5万円

納骨を伴う場合は別途1万円〜5万円

新盆(初盆)

3万円〜5万円

2年目以降は5,000円〜2万円

一周忌

3万円〜5万円

四十九日と同程度

三回忌以降

1万円〜3万円

回を重ねるごとに下がる傾向

地域・宗派・寺院との関係によって幅があるため、上記はあくまで目安です。

菩提寺に直接尋ねても失礼にはあたりません。「皆さまはどのくらい包まれていますか」と伺うのが角の立たない聞き方です。

2-1. 四十九日で納骨も行う場合

四十九日法要と納骨を同日に行う場合、納骨法要のお布施として1万円〜5万円を上乗せするのが一般的です。

お布施をひとつにまとめて包んでも、法要分と納骨分を分けても問題ありません。

2-2. お車代・御膳料は別に用意する

僧侶がご自身で来られた場合は御車代、会食を辞退された場合は御膳料を、お布施とは別の封筒で用意します。

御膳料は5,000円〜10,000円、御車代は3,000円〜10,000円が目安です。詳しくは御膳料・御車代の書き方|封筒・金額相場・お布施との違いをご覧ください。

3. 法事のお布施に使う封筒

白無地・郵便番号枠なし・一重の封筒を使います。市販の「御布施」と印字された封筒でも構いません。

  • もっとも丁寧なのは奉書紙で包む形
  • 白無地の封筒でも失礼にはあたらない
  • 二重封筒は「不幸が重なる」を連想させるため避ける
  • 水引は原則不要(関西では黄白を用いる地域もある)

お札は肖像画が表・上向きになるよう入れ、新札を使って問題ありません。のり付けも不要です。

入れ方の手順は、お布施のお金の入れ方|お札の向き・中袋のあり/なしで解説しています。

4. 法要別の書き方の注意点

4-1. 初七日のお布施

表書きは「御布施」です。近年は葬儀当日に繰り上げて行うことが多く、その場合は葬儀のお布施と分けて用意するか、寺院の指示に従います。

4-2. 四十九日のお布施

表書きは「御布施」です。忌明けの節目となる法要で、納骨・仏壇の開眼供養を同時に行う場合は、その分を上乗せします。

4-3. 一周忌のお布施

表書きは「御布施」です。一周忌は年忌法要のなかでも重視される回で、四十九日と同程度の金額が目安になります。

4-4. 三回忌以降のお布施

表書きは「御布施」です。三回忌、七回忌と回を重ねるにつれ規模が小さくなるため、金額も下がっていく傾向にあります。

4-5. 浄土真宗の場合

浄土真宗でも表書きは「御布施」です。ただし「御霊前」は用いません。亡くなった方はすぐに仏になる(往生即成仏)と考えるためです。

また、浄土真宗では戒名ではなく「法名」と呼びます。

5. 法要のお布施は相続税から差し引ける?

四十九日や一周忌など法要のためにかかった費用は、相続税の葬式費用には含まれず、控除の対象外です。

国税庁のタックスアンサーNo.4129では、葬式費用にならないものとして「初七日や法事などのためにかかった費用」が明記されています。

一方、通夜・葬儀・告別式に際して僧侶にお渡ししたお布施(読経料など)は葬式費用として控除できます

支出

葬式費用として控除

通夜・告別式の読経料・お布施

できる

戒名料

できる

火葬・埋葬・納骨の費用

できる

初七日・四十九日など法要のお布施

できない

香典返しの費用

できない

墓碑・墓地の購入費

できない

葬式費用として控除できる範囲の全体像と、相続税申告での進め方は、葬儀費用の控除で相続税を減らせる!該当するものから申告方法まで解説をご覧ください。

判断が分かれやすいのが、葬儀当日に繰り上げて行う初七日法要のお布施です。葬儀のお布施と一体で渡していて区分できない場合の取り扱いは個別の事情によるため、相続税の申告前に税理士へご確認ください。

お布施は領収書が出ないことがほとんどですが、支払った日付・相手先・金額をメモに残しておけば葬式費用として認められます。

6. 法事のお布施についてよくある質問

6-1. 法事のお布施の表書きは法要ごとに変えますか?

変える必要はありません。初七日から三十三回忌まで、すべて「御布施」で共通です。

6-2. 「御仏前」と書いてもよいですか?

「御仏前」は参列者が遺族へ渡す不祝儀の表書きです。僧侶へのお布施には使いません。

6-3. 一周忌のお布施はいくら包めばよいですか?

3万円〜5万円が目安です。あわせて御車代・御膳料が必要な場合は、御膳料は5,000円〜10,000円、御車代は3,000円〜10,000円を別の封筒で用意します。

6-4. 法事のお布施はいつ渡しますか?

法要が始まる前の挨拶時、または法要後にお礼を伝えるときに渡します。切手盆か袱紗の上に載せ、僧侶から表書きが読める向きで両手で差し出します。

6-5. 兄弟で法事の費用を分担する場合、お布施は誰の名前で書きますか?

施主の氏名、または「○○家」と書きます。費用を分担していても、封筒はひとつにまとめて施主名で渡すのが一般的です。

7. 表書きは「御布施」で統一し、金額だけ法要に合わせる

法事のお布施は、どの法要でも表書きは「御布施」、墨は濃墨で統一します。

変わるのは金額で、四十九日・一周忌は3万円〜5万円、初七日と三回忌以降は1万円〜3万円が目安です。

お布施の書き方や金額相場の全体像は、お布施の書き方|金額相場・封筒・漢数字で解説しています。

葬儀費用のうちどこまでが相続税の控除対象になるか判断に迷われた際は、相続専門の税理士にご相談ください。

監修

中村亨

日本クレアス税理士法人 代表
税理士
公認会計士

2002年8月に会計事務所として創業、2005年には税理士事務所を開業し、法人や個人のお客様の会計・税務の支援をする中で、「人事労務の問題を相談をしたい」「事業承継を検討している」といったお客様のニーズに応える形でサービスを拡大し続け、現在では社会保険労務士法人など複数の法人からなるグループ企業に成長してきました。お客様に必要なサービスをワンストップで提供できることが当社の強みです。

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