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ーコラムー
相続税
税理士監修記事

家族信託と信託銀行について

公開日:2016.1.19 更新日:2023.09.05

最近、「家族信託」という言葉を聞くようになりました。

信託とは、財産を持つ人が代わりの人や組織に財産管理を委託すること。家族に信託するのは当たり前、という気もします。今回は家族信託とは何なのか、なぜ需要が生まれてきたのかを考えます。

目次

1.家族信託とは
2.受託者には誰がなる?
  2.1.家族信託の特徴とは?
3.家族信託と信託銀行の違い
  3.1.家族信託が増えてきた理由は?
4.家族信託に節税効果はない
5.まとめ

家族信託とは

家族信託とは、被後見人が判断能力のある段階で、財産権に関する意思決定権を他の人に移し、第三者に渡して貰ったり、自身に還して貰ったりする制度のことです。

主に委託者、受託者、受益者に分かれます、基本形の登場人物は3人。ケースにより2人、という場合もあります。

  • 委託者(いたくしゃ)…現時点で財産を所有している人。家族信託は、委託者の意思決定を助けることを目的としています。
  • 受託者(じゅたくしゃ)…委託者の財産を管理する立場。
  • 受益者(じゅえきしゃ)…委託者の財産を管理したことにより、生じた利益を受け取る人。

通常の財産管理と異なるのは、家族信託は委託者の持つ財産の委託権を受益者に移す、という「法律による保護」という点です。

たとえば委託者の判断能力が低下して財産を散財してしまう可能性のある場合や、言葉は悪いですが委託者の財産を騙そうと考えている悪徳業者などから委託者の財産、広い範囲で見れば一家の財産を守ることができます。

受託者には誰がなる?

3世代家族

家族信託の受託者は、家族の誰かが務めることが一般的です。委託者のお子さまや、兄弟姉妹などが受託者となって、委託者に相談しながら財産管理をしていきます。

その結果発生した利益を、受益者に渡すか、委託者に戻すことができます。積極的に資産管理を進め、「争族」を避ける取り組みが可能となります。

家族信託の特徴とは?

ところで、判断能力は問題ないとしても、受託者に意思決定をすることは可能なのでしょうか。 この疑問に対する対応が、家族信託の大きな特徴です。

日本では急速に高齢化が進んでいます。一方で、1,600兆円を超える金融資産は高齢者に集中しています。

現在、国は贈与税の特例措置を増やし、子世代や孫世代への資産移動を活発化させようとしていますが、高齢者の資産は不動産が多いのも問題です。

不動産を活用するには専門知識が欠かせない一方、一部の不動産会社や建築会社により賃貸アパートが連立したことも、家族信託の必要性が感じられるきっかけのひとつとなりました。

ここからは「家族信託と信託銀行」、「家族信託と節税」について解説しています。最近テレビCMなどでも見かけることが多くなった「信託銀行」と家族信託の違い、そして多くの方が気になるであろう「家族信託と節税」について解説していきます。

家族信託と信託銀行の違い

ハート

信託といえば、多くの人が思い浮かべるのが信託銀行でしょうか。財産を預ける信託銀行は、まさに家族信託でいう「受託者」を銀行が担っている、と言えるでしょう。

厳密に言うと、信託銀行は信託を業として行っている、という意味で「商事信託」。一方の家族信託は「民事信託」と言います。

家族信託が増えてきた理由は?

なぜ信託銀行は以前からあったのに、家族信託が増えてきたのでしょうか。

民事信託は商事信託には向かない現金以外の資産、収益性の低い遊休地や底地、自宅などを活用する必要性が出てきたから、と言われています。

民事信託は、信託業法という法律で厳密に管理されている商事信託と異なり、自由度の高い財産管理をすることができますが、一方で不正が起こりやすいという側面もあるようです。

家族信託に節税効果はない

ところで、よく「家族信託によってどんな節税効果があるのか?」という質問を受けます。専門家が中心となってスキーム(構図)づくりをするからでしょうか。

結論を述べると、家族信託に節税効果はありません。

受託者が財産を管理した結果、発生した利益を受益者が受け取る場合、受益者には所得税が課税されます。

その一方、受益者が委託者と同一人物の構図もあります。この場合は、委託者の財産が増えただけですので、課税されることはありません(受託者が資産運用をする過程で、配当に課税されることはあります)。

家族信託は節税面ではなく、委託者の財産を守る意味合いと、俯瞰的に見られる人物を受託者とすることで、相続を「争族」にしない、という特徴があるといえるでしょう。

まとめ

それだけに受託者を誰にするのか。そしてアドバイザー役の信託監督人を誰にするのかはとても重要です。

信頼できる監督人は、受託者が知識を持たない場合のフォローにもなります。前提は、受託者や信託監督人がいずれかの立場に肩入れしていないこと。今後、「争族」の防止に、この形は増えていくのではないか、と予想します。家族信託に詳しい司法書士や税理士、FPなどの専門家も増えていくことでしょう。

2015年1月に相続税が改正され、基礎控除の減少で相続は更に「身近なもの」になりました。引き続き家族信託のメリットを利用した、「争族」回避に期待したいものです。

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