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ーコラムー
不動産の相続
税理士監修記事

マンションに相続税はいくらかかるのか|評価額の算出方法や調べ方などを解説!

公開日:2024.7.30 更新日:2024.07.30

マンションを相続することになったけれど、相続税はどれくらいかかるの?とお悩みではありませんか。

相続後は税金の計算をし、期限までに納めなければなりません。

納税額を把握するには、マンションの価値を算出する必要があるため、計算方法を確認しておくことも大切です。

この記事では、マンションを相続するときに知っておきたい相続税額の計算方法を解説します。

相続時に適用できる控除や特例も紹介するので、ここを参考に納税額を計算してみましょう。

1. マンションを受け取ると相続税がかかる?かからないケースも紹介

1. マンションを受け取ると相続税がかかる?かからないケースも紹介

マンションを相続したらどれくらい税金を払わなければならないの?と気になっている方も多いでしょう。

相続税の支払いは、マンションの評価額を算出すれば確定するわけではありません。

相続したものすべての価値を算出したうえで納税額を計算しなければならないので、マンション以外の財産も含めて計算しましょう。

まずは、相続が決まった財産をリスト化し、それぞれの価値を算出することから始めます。

それぞれの価値を算出した後は、利用できる基礎控除額を確認しましょう。相続税における基礎控除額は、法定相続人の数に応じて異なります。

基礎控除額の計算式

「3,000万円+(600万円×法定相続人の数)=基礎控除額」

たとえば、法定相続人が配偶者と子ども1人だったとします。この場合は3,000万円+(600万円×2人)=4,200万円が基礎控除額です。

相続するすべての財産が4,200万円以内であれば、相続税は0円となります。

相続財産が基礎控除の範囲内で収まるケースも多いため、相続財産の価値をすべて割り出したら、基礎控除の範囲内かを確認しましょう。

基礎控除以上の額を受け取るときは、基礎控除を差し引いた金額に課せられる相続税を支払わなければなりません。

具体的な相続税の計算方法については、下記記事をご覧ください。

【関連記事】相続税の税率は最大で55%!税額や控除額の計算方法を解説

2. 建物と土地の評価額を把握する方法

2. 建物と土地の評価額を把握する方法

不動産を相続で受け取るときは、建物と土地別に評価額を算出しなければなりません。

ここでは、それぞれの額を割り出す計算方法を紹介します。

2-1. 【建物】固定資産税評価額と同様

相続税評価額を算出する際は、建物の固定資産税評価額を確認しておきましょう。計算式は以下の通りです。

建物の計算方法

「固定資産税評価額×1.0=評価額」

1棟にいくつもの部屋があるマンションは、固定資産税評価額を専有面積の割合によって按分する必要があります。

按分したうえで、自身が相続する部屋の評価額を確認し、1.0を掛けましょう。

2-2. 【土地】路線価が定められているかによって計算式が異なる

マンションがある敷地の評価額を算出する際は、路線化方式・倍率方式のどちらかを用います。

路線価が定められている土地は路線価方式、定められていない土地は倍率方式で計算しましょう。路線価方式の計算式は以下の通りです。

路線価方式の計算式

「正面路線価×奥行補正率×土地の面積=評価額」

倍率方式の計算式は以下の通りです。

倍率方式の計算式

「土地の固定資産税評価額×一定の倍率=評価額」

路線価や一定の倍率は国税庁のホームページから確認できます。

相続する土地に路線価が定められてるかを確認したうえで、路線価と倍率のどちらを調べればいいかをチェックしましょう。

2-3.建物・土地の計算方法

それぞれの評価額を算出したら、最後に2つの相続税評価額を計算しましょう。

計算式は、各計算で算出された評価額を足すだけです。

2つを足すことで相続税の計算に使う額を把握できるため、まずはマンション1室あたりの建物・土地の評価額を算出しましょう。

3. マンション評価方法の改正内容【令和6年〜取得分】

3. マンション評価方法の改正内容【令和6年〜取得分】

令和6年1月1日以降に取得した分譲マンションには、改正された評価方法が適用されます。

改正後はどのような計算で評価額を出す必要があるのか、ここで詳しく解説します。

3-1. 区分所有補正率が適用される

令和6年1月1日以降に相続・遺贈・贈与で取得した分譲マンションには、区分所有補正率が適用されます。

これまでは、建物・土地別に計算した評価額がそのまま相続税の計算に含まれていました。

しかし、改正によって算出後の評価額に区分所有補正率を掛けることになったため、補正率を掛けた評価額まで計算する必要があります。

3-2. 区分所有補正率を把握するには

不動産の計算に加え、今後は区分所有補正率の算出法も確認しておかなければなりません

区分所有補正率は評価乖離率と評価水準から算出します。評価乖離率の計算式は以下の通りです。

評価乖離率の計算式

「(建物の築年数×△0.033)+(建物の総階数指数×0.239)+(建物の専有部分がある階×0.018)+(敷地利用権の面積を区分所有権のある専有部分面積で割った数×△1.195)+3.220=評価乖離率」

続いて、評価水準の計算式を見てみましょう。

評価水準の計算式

「1÷評価乖離率=評価水準」

2つの数値を把握したら、区分所有補正率の確認方法をチェックしましょう。

区分所有補正率の確認

  • 評価水準<0.6→評価乖離率×0.6
  • 0.6≦評価水準≦1→補正なし
  • 1<評価水準→評価乖離率

各計算はわかりづらいため、人によっては難しいと感じるかと思います。

無理に計算すると誤った額になる恐れがあるので、税理士などの専門家に頼ることもおすすめです。

3-3. 補正後の計算式

区分所有補正率が適用される場合の計算式は以下の通りです。

区分所有補正率が適用される場合の計算式

  • 建物の計算式:区分所有権の価額×区分所有補正率=評価額
  • 土地の計算式:敷地利用権の価額×区分所有補正率=評価額

それぞれで算出した評価額を相続税の計算に含めましょう。

【参考】国税庁HP

4. 利用可能な特例や控除

4. 利用可能な特例や控除

マンションを相続する際は、特例や控除を利用することが可能です。

どちらかを利用することで納税負担を抑えられるため、使えるものを活用しましょう。

ここでは、相続時に利用できる特例と控除を紹介します。

4-1. 配偶者控除

配偶者が財産を受け取る際は、配偶者控除を利用できます。

配偶者の税額の軽減とも呼ばれる措置を使えば、高額の財産を受け取っても相続税の支払いをゼロにすることが可能です。

配偶者控除は以下のどちらかまでは相続税が発生しません。

配偶者控除の金額

  • 1億6,000万円
  • 配偶者の法定相続分相当額

相続税の基礎控除で支払いがゼロになるケースも多いですが、なかには基礎控除の範囲を超える相続もあります。

その場合は、配偶者控除を適用することで、納税負担をなくせるでしょう。

4-2. 小規模宅地等の特例

事業用、または居住用のマンションを相続する際は、小規模宅地等の特例も適用できます。

特例を適用することで、事業用の宅地は50~80%、居住用の宅地は80%まで減額されるため、相続税の支払い負担を大きく抑えられます。

事業用・居住用別に、適用にはいくつかの条件が定められています。

マンションを受け取る人によっては要件を満たす必要もあるため、自身が適用の要件を満たしているかを確認したうえで申告しましょう。

5. マンションには相続税がかからないこともある!正しい評価方法を身につけよう

マンションを相続したからといって、必ずしも相続税が発生するわけではありません。

マンションを含めた相続財産が基礎控除の範囲内であれば、納税せずに財産を受け取れます。

基礎控除額は大きいですが、財産内容によっては控除を超えることもあるため、受け取る財産の評価額をきちんと計算しておきましょう。

受け取る財産の総評価額を計算することが難しい、またはマンションの評価額を算出できないとお悩みの方は、税理士に相談することがおすすめです。

プロの手を借りることで手間なく相続税評価額がわかるため、ぜひ活用してください。

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日本クレアス税理士法人 相続サポート

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