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ーコラムー
遺産分割
税理士監修記事

遺産分割協議書を自分で作成するにはどうすればいいの?

公開日:2019.12.9 更新日:2022.10.25

亡くなった人の財産を誰が・どのように承継するか、その話し合いの内容を書面化したものが「遺産分割協議書」です。各種資産(不動産など)の名義変更手続きで必須となると同時に、紛争化・協議の無効化のリスクが高い書類でもあります。

自分で作成する場合は、協議内容を書面にしておく意味・作成方法や書式について、ポイントを網羅して理解する必要があるでしょう。なるべく家族だけで相続手続きを終えたいと望む人が参考にできる、遺産分割協議書の必須知識をまとめています。

【この記事で分かること】
・遺産分割協議書の役割
・協議書作成が必須となるケース
・遺産分割(相続手続き)の流れ
・作成方法&記載すべき項目
・不正や無効化を防ぐための注意点

目次

1.そもそも遺産分割協議書とは?
2.遺産分割協議書を作成する理由とは?
3.遺産分割の流れとは
4.遺産分割協議書の作成方法
5.遺産分割協議書を書くときの注意点
6.まとめ

遺産分割協議書とは

1.そもそも遺産分割協議書とは?

遺産分割協議書(以下“協議書“とも)とは、共同相続人の話し合い(遺産分割)の最後に作成される書面です。その文面には、個別の相続財産について「誰が受け継ぐのか」「どのくらいの割合で承継するのか」を細かく記載しなければなりません。

話し合いの上で遺産分割協議書が必要となるケースを具体的に挙げると、以下の通りです。

<遺産分割協議書の作成が必要なケース>
以下いずれかの場合、遺産分割協議書の作成が必要です。
・遺言書がない場合
・相続人が2人以上存在する場合
・遺言書と異なる遺産分割を行う場合

そもそも遺言書がないなら、家族で話し合ってそれぞれの承継分を決めなければなりません。遺言書があったとしても、その文面で禁止されていない限り、遺産分割協議で相続分を決めることが認められています(民法907条1項)。

他方で、故人の遺志に依らない遺産分割の本質は「家族間で結ぶ金銭授受の契約」です。契約書の役割を果たす遺産分割協議書があることで、家族全員が安心できる遺産分割を実現させられます。

反対に、以下のようなケースでの協議書作成は不要です。

<遺産分割協議書の作成が不要なケース>
・単独で相続する場合
・遺言書通りの相続を行う場合
・遺産分割調停(または審判)による場合

相続人がたった1人(包括承継)なら、その相続分について家族と話し合う必要は当然ないでしょう。ほかの相続人が相続放棄・欠格・廃除等で相続権を失い、結果的に1人で全財産を承継することになったケースでも、遺産分割協議書を準備する必要はありません。

協議がまとまらず家庭裁判所で解決するケースでは、調停・審判の最後に発行される「調停調書(または審判謄本)」が、訴訟の判決に匹敵する法的拘束力を持ちます。その内容は相続人だけで作成する遺産分割協議書とほぼ同じであり、わざわざ改めて作成する必要はありません。

2.遺産分割協議書を作成する理由とは?

遺産分割協議の意義は、家族間トラブルの防止にとどまりません。各種書類上の手続き(金融機関や法務局で行われるもの)という視点でも、作成する理由が存在します。
より具体的に理由を2点挙げてみましょう。

理由①:換価分割or代償分割がスムーズに行える

相続財産のなかには、不動産や有価証券など「そのままでは分割できない資産」も含まれるでしょう。こうした資産については、家族の事情にあわせて分割方法を自由に選ぶことができます。

3つある分割方法のうち、実現されるまでにトラブルが起きやすいのが「換価分割」「代償分割」の2点です。

【相続財産の分割方法】
・現物分割…資産種類ごとに承継する人を指定する
・換価分割…資産を売却し、その代金を分割する
・代償分割…特定の種類の資産(不動産等)を丸ごと承継する人が、他の相続人に相続分相当の現金を支払う

売却または資産価値の評価を伴う分割方法では、協議の時点で「実際にいくらで売れるのか」の判明できないケースが多々あります。加えて「想定よりも安かったときの相続分はどうするのか」「税を控除してから分割するのか」など、様々な条件を取り決めておかなければなりません。

遺産分割協議書には、こうした複雑化しがちな換価分割・代償分割条件を事細かく取り決め、実現性を引き上げる効果があります。

理由②:相続財産の名義変更で必要になる

遺産分割協議書の作成理由のうち最も重要なのは、以下のような財産の名義変更・相続税申告の手続きで必要になる点です。

【一例】遺産分割協議書の提出が求められる手続き

  • 不動産の相続登記
  • 預貯金&有価証券の名義変更
  • 自動車の名義変更(車両登録名義&保険契約者名義)
  • 相続税申告時に税制優遇を適用させるとき(配偶者の税制軽減・小規模住宅地特例)

※上記いずれの場合でも、遺言書あるいは法定相続分に従わない持分を決めるときは、遺産分割協議書の提出が必要です。

相続トラブルが起こりにくい状況(相続人の数が少ない・信頼関係が強い等)であっても、上記のような手続きのために遺産分割協議書は作成しておくべきです。

保険料の等級(=割引率)引き継ぎや相続税優遇の側面から考えれば、さらに「財産から発生するコストを効果的に抑えられる」というメリットがあるとも言えます。

3.遺産分割の流れとは

いったん遺産分割手続きの全体に視野を広げると、どのような流れで進めれば良いのでしょうか。被相続人の死亡が分かったあとからの流れを示すと、以下①~⑥の通りです。

①(遺言書がある場合)検認の申立
②(遺言書がない場合)相続人&相続財産の調査
③遺産分割協議の開始
④協議書の作成+署名捺印
⑤相続財産の移転(名義変更&登記)
⑥相続税の申告

①(遺言書がある場合)検認の申立

被相続人の自宅から遺言書を発見しているなら、未開封のまま家庭裁判所で「遺言書の検認」を受ける必要があります(民法1004条)。勝手に開封すると5万円以下の過料が課せられる(民法1005条)ため、注意しましょう。

遺言内容を実現するか・それとも遺産分割協議を行うかは、開封したかどうかに関わらず、遺言書の検認を受けてからでないと判断できません。


<公正証書遺言は検認不要>
家裁の検認を受ける必要がある遺言形式は、秘密証書遺言・自筆証書遺言のいずれかです。
その内容が公証役場の認証を受けている「公正証書遺言」であれば、改めて公的な検認を受ける必要はありません。そのまま遺言内容の実現もしくは③遺産分割協議に進むことができます。

<遺言執行人の選任が必要となるケース>
検認の結果、遺言のなかで被相続人が下記いずれかを行おうとしているケースでは、遺言執行人を選任してもらわなければなりません。

・子の認知(民法781条2項・戸籍法64条)
・相続人の廃除またはその取り消し(民法893条・894条)

適任者を選ぶのは家庭裁判所です。選任されると遺言内容を実現する義務(民法1007条)が生じますが、相続人全員の同意があれば③の遺産分割協議へと進むことが出来ます。

②(遺言書がない場合)相続人&相続財産の調査

遺言がないケースでは「遺産分割協議に参加すべき人物」「相続財産の内訳と評価額」を調べるプロセスが必要です。このステップでは様々な書類収集が必要となり、ケース毎にどんな調査手法が望ましいか判断しなければなりません。

【調査の方法】
相続人調査の方法…被相続人&把握している相続人全員分の戸籍収集
相続財産調査の方法…金融機関または役場での名寄せ・法務局での登記簿取得

これらの調査が一通り終わった段階で、遺産分割協議の主題である相続財産の一覧表(財産目録)を作成しておく必要があります。
知識・経験ばかりでなく時間も必要とするステップであるため、出来るだけ弁護士・税理士等の手を借りるのが望ましいでしょう。

③遺産分割協議の開始

「遺言ではなく協議で相続分を決めることに相続人全員が同意している」「遺言書がない状態からの各種調査を終える」のいずれかの条件が整えば、遺産分割協議を始めます。

話し合いをスムーズに進めるため、家族が集まりやすい四十九日の法事のあとなどに行うのが良いでしょう。メモ等を準備し、この後の協議書作成のステップで反映させるべき内容を記録しておきます。

上手く話し合いがまとまらない場合は、相続人のいずれかからから「遺産分割調停」を申し立てます。調停または審判で相続分の取り決めが成功したときは、⑤相続財産の移転手続きへと移ります。

④協議書の作成+署名捺印

話し合いがまとまれば、遺産分割協議の書面を作成します。作成手段にはっきりとした指定はないものの、手書きでは改ざんリスクが高まるほか、読みやすさにも疑問が残るため、パソコン文書作成ソフトを用いると良いでしょう。

最も重要なのは、作成後に相続人全員が署名捺印を行う必要がある点です。不動産の相続登記などでは署名部分は自署を求める規定がなく「記名+捺印」で構わないとされていますが、相続税法では遺産分割協議書は「署名+押印」が必要であるとされています。

署名捺印が済んだあとは公証役場で認証を受けるのが望ましい方法です(詳しくは後述)。

⑤相続財産の移転(名義変更&登記)

遺産分割協議を終えると、その内容をもとに相続財産の移転手続きを行います。
金融機関での名義変更手続き・不動産の登記変更などを終えると、いよいよ最後のステップです。

⑥相続税の申告

最後に、納付義務が生じる人は相続税の申告を行わなければなりません。

期限は「相続開始を知った日の翌日から10ヶ月以内」とされています。税額全体・適用できる税制優遇を相続人各自で調べ、必要に応じて税理士に意見を求めながら手続きを行います。

4.遺産分割協議書の作成方法

再び遺産分割協議書の作成に焦点をあて、その様式について紹介します。はじめに、ここまで解説した内容を踏まえて「作成の心得」を押さえましょう。

【遺産分割協議書作成の心得】
■ワープロやパソコンの文書作成ソフト等を使って作成する
■必ず相続人全員の署名捺印を得る
■公証役場の認証を得る(公正証書の作成)

最初に遺産分割協議書の様式を解説してから、まだ詳しく述べていない「公正証書の作成」のメリット&手続き方法について紹介します。

4-1.遺産分割協議書の様式(記載する内容)

遺産分割協議書には、以下すべての内容を網羅しておく必要があります。
法律用語を交えながら付すべき文面もあるため、専門家に相談なく作成し終えるのは難しいでしょう。弁護士にテンプレート(ひな形)の提供を受けてから作成するか、作成したものの最終チェックを任せるか、いずれかの方法で進めるのが確実です。

【遺産分割協議書の内容】
・被相続人の情報
・協議成立を示す文面
・相続人+相続財産+分割方法の指定
・後日新たに財産が発見された場合の規定
・協議成立の年月日
・相続人の署名捺印

書面に記載する順番に沿い、各項目の具体的な内容を紹介します。


●被相続人の情報
はじめに、被相続人が誰か・いつ死亡したのか(相続開始日)を明確に記す必要があります。

【被相続人について記載する情報】
・被相続人
・本籍
・生年月日
・死亡年月日


●協議成立を示す文面
次に、遺産分割協議が成立したことを説明する一文を添えます。

【文例】 (被相続人の氏名)の死亡により開始した相続で、共同相続人である(相続人1の氏名・相続人2の氏名…)の全員で遺産分割の協議を行い、下記の通り分割、取得する事に合意した。

※「全員で」遺産分割の協議を行ったという記載は重要です。


●相続人+相続財産+分割方法の指定
遺産分割協議書の主要テーマである「誰が・どの資産を・どのように取得するのか」を記します。分割方法別の文例は以下の通りです。

・現物分割の場合…単に相続する旨を記載。
「(相続人の氏名)は預貯金のうち金〇万円を相続する」
※以下、預貯金に関する情報を記載

・換価分割の場合…換価処分に関する合意内容を記載。
「(相続人1の氏名)は,下記不動産を〇年〇月〇日までに売却し、その売却代金から売却にかかる一切の費用(仲介手数料・登記費用等)と固定資産税・相続税を除した残額を、(相続人2の氏名)と各2分の1の割合で取得する」
※以下、不動産に関する情報を記載

・代償分割の場合…条文を2つ設けて合意内容を記載。
「1. (相続人1の氏名)は下記不動産を取得する。」
※以下、不動産に関する情報を記載
「2. (相続人1の氏名)は、前条1で取得した相続分の代償として、(相続人2の氏名)に対して、金〇万円を支払う。」

上記に加え、各条項に相続財産を記す際は、きちんと「どの資産か」が分かるように情報を網羅する必要があります。

【一例】相続財産について記載すべき情報
・現金・預金…金融機関名・支店名・口座番号
・不動産…所在・家屋番号・種類・構造・床面積
・負債…債権者名・残債総額


●後日新たに財産が発見された場合の条項
相続財産の調査を徹底していても、後から新たに財産が発見される可能性はゼロではありません。そこで、発見された場合の対処に関する条項も設けておきます。

【例文1】再度遺産分割協議を行う場合
本協議書に記載なき資産・後日判明した遺産は、相続人全員が再度協議を行い、その財産の帰属先を決定する。

【例文2】特定の相続人に帰属させる場合
本協議書に記載なき資産・後日判明した遺産は、(指定する相続人の氏名)に帰属する。

※「記載なき資産・後日判明した遺産」の記載は重要です


●協議成立の年月日
最後に、協議成立の年月日を付します。元号・西暦のどちらで記載しても構いません。
公証役場で認証をうけるなら、確定日付(後述)を得るために「認証手続きを行う日」を記載します。


●相続人全員分の署名捺印
忘れてはならないのが署名捺印です。相続人(あるいはその代理人)全員が協議書の内容を確認してから行いましょう。

【署名捺印の内容】
・遺産分割協議時点の現住所
・相続人の氏名+印鑑
・法定代理人または特別代理人※の氏名+住所(相続人が未成年者または成年被後見人の場合)

※特別代理人については後述します。

4-2.作成後は公証役場で認証を受ける

遺産分割協議書の完成後は、管轄の公証役場へ申請することで「私署証書の認証」を受けることが出来ます。認証申請の手続きは共同相続人の代表者1名だけで行えますが、代表者以外の相続人全員分の委任状が必要です。この認証を受けた段階で、遺産分割協議書は「公正証書」と呼ばれる扱いとなり、公文書に匹敵する契約の証明能力を有します。

協議書の公正証書化によって生じるメリットは、以下の2点です。

公正証書のメリット①:執行力がある

第一のメリットは、公正証書をそのまま「協議内容の実現を強制する手段」として活用できる点です。

「共同相続人のなかに遺産を占有したまま分割に応じない相手がいる」というケースは決して稀ではありません。こうしたトラブルの対処では、訴訟を経て強制執行へ進むのが本来の流れです。

しかし公正証書さえあれば、訴訟を経る必要はありません。記載内容がすでに公的に証明されているため、そのまま強制執行の申立へ移ります。

以上のような性質を備えることから、遺産分割協議書の公正証書化は、相続人全員に対し「遺産分割の実行を心理的にも促す」という効果も持ちます。

公正証書のメリット②:確定日付がある

公正証書化の第二のメリットは、遺産分割協議がまとまった日を証明できる「確定日付」が付与される点です。確定日付の効果は、合意に至った事実の立証を補強するだけではありません。

相続開始~遺産分割協議終了の時系列をはっきりとさせる効果があることから、協議中のトラブル・協議終了までに新たに生じた財産の各対処についても、確定日付によって解決できます。より身近な例で示してみましょう。

【確定日付のメリット】

  • 相続財産に含まれる不動産について、協議中の賃料収入も遺産分割対象にできる※
  • 遺産分割協議中に勝手に行われた登記・名義変更を取り消すことができる

※参考:最判平17年9月8日

相続法上「遺産分割協議の効力は相続開始時点にさかのぼる(遡及効)」とされており、以上のケースでの訴えは当然認められます。残る問題は協議終了時点の立証手段ですが、これを確定日付によって解決することができるのです。

4-3.私署証書の認証(公正証書作成)の費用

遺産分割協議書を公正証書化する手続きでは、以下最低でも14,000円程度の費用がかかります。誰がどのように負担するのかを含め、家族で話し合っておきましょう。

【公正証書の作成費用】
認証手数料:11,000円
確定日付の付与:700円
執行文の付与:1700円
正本の交付;250円
謄本の交付:250円×相続人の数

5.遺産分割協議書を書くときの注意点

はじめに述べたように、遺産分割協議はあくまでも法律上の契約です。

手順と方法を守って協議書を作成したつもりでも、民法総則にそって「遺産分割協議(=契約)が無効になる要因」が発生してしまうことがあります

【遺産分割協議が無効となる代表的な要因】

  • 意思能力or行為能力の欠如
    具体例…相続人のなかに未成年者または成年被後見人がいるのに、適切な代理人を立てていない。
  • 意思不存在or意思表示の瑕疵
    一部の相続人を協議に参加させず、内容を理解しないまま署名捺印させる。
  • 公序良俗違反
    具体例…「相続したいなら家業を親戚に譲る」など理に適わない交換条件を設け、遺産分割協議に参加させる(もしくは相続分を認める)

「自分たちの家族は当然大丈夫だ」と思っていても、思わぬ手続きのミスが原因で遺産分割協議が無効になる可能性は否めません。

相続手続きのごく初期の段階から、以下3つのポイントに注意しましょう。

注意点①:法定代理人に代わる「特別代理人」が必要となる可能性あり

作成手続きでも解説したように、相続人=未成年者なら親権者・相続人=成年被後見人なら後見人が「法定代理人」として遺産分割協議に加わるのが原則です。

しかし、本人・法定代理人がともに共同相続人であるケースでは、別途「特別代理人」を立てなければなりません(民法775条・826条・860条)。法定代理人と本人とのあいだで利益相反※が起こるからです。

※利益相反とは?
「一方の利益がもう一方の不利益に繋がる」という状況を法律用語で示したものです。(認知症の母・その後見人となった子の2名で、亡くなった父の財産を相続する場合など)
利益相反についてはこちらのコラムでも解説しています。ぜひご参考ください。

参考コラム:相続放棄申述書ってなに?書き方から提出方法までご紹介!

特別代理人を立てるには、遺産分割協議の開始前に家庭裁判所に選任申立を行う必要があります。遠縁の親類もしくは弁護士・司法書士等から候補者を立てることが認められていますが、家裁の審判官に適任者選びを任せることも可能です。

注意点②:署名捺印には「実印」を用いる

遺産分割協議書への署名捺印の際は、偽造リスクが低く印鑑としての最重要である「実印」を用いましょう。

使用に最も望ましいのは、実印のなかでも市区町村役場で印鑑登録されているものです。印鑑登録証明書を添付することで、本人確認の手段となるからです。

 

注意点③:複数ページに及ぶなら契印(割印)を押す

遺産分割協議書は1部あたり2枚以上に渡って作成されることの多いものです。
ページ数が2枚以上に及ぶなら、改ざんを防いで書類の真正を証するため契印(割印)を押しましょう。用いるのは「協議書文中の署名捺印に用いた印鑑(相続人全員分)」です。

製本する場合・しない場合において、それぞれ次のように押印します。

【遺産分割協議書の契印(押印)の押し方】
・製本する場合…製本後、製本テープの上から表紙の紙にかかるように捺印
・製本しない場合…各ページを並べ、その境目に捺印

印影にカケや滲みがないよう、それぞれ綺麗に押すことも大切です。細部にもきちんと気を配ることで、遺産分割協議の無効を防ぐことが出来ます。

6.まとめ

遺言書ではなく相続人同士の話し合い(遺産分割)で相続分を決めるときは、その最後に「遺産分割協議書」を作成しなければなりません。その文面には協議内容を確実に実現させるための法的拘束力があり、分割方法の速やかな実行・相続財産の名義変更にも役立ちます。

最後に、遺産分割協議のポイントを協議前・協議書面作成時のそれぞれでまとめます。

協議前の注意点…

  • 遺言書が見つかっているなら「検認」は必須
  • 法定代理人&本人が共同相続人になるなら「特別代理人」の選任申立要

遺産分割協議書作成の注意点…

  • 相続財産を指定するときは、特定できる情報を網羅する
  • 署名捺印には「実印」をもちいる(印鑑登録済みであれば望ましい)
  • 複数ページに及ぶなら契印(押印)を相続人全員で押す
  • 協議書作成後は公証役場で認証を受ける

遺産分割では、協議前の各種調査・協議書に付す文言など「専門性の高い対応」が求められる場面が多く存在します。自力で不備なく作成できたつもりでも、思わぬことが原因で無効になってしまう可能性があることは否めません。

はじめから弁護士・税理士のサポートを受けるか、相続手続きの各ステップで不備チェックを受けながら進めることをおすすめします。

この記事を監修した税理士

日本クレアス税理士法人
執行役員 税理士 中川義敬

2007年 税理士登録(近畿税理士会)、2009年に日本クレアス税理士法人入社。東証一部上場企業から中小企業・医院の税務相談、税務申告対応、医院開業コンサルティング、組織再編コンサルティング、相続・事業承継コンサルティング、経理アウトソーシング決算早期化等に従事。事業承継・相続対策などのご相談に関しては、個々の状況に合わせた対応により「円滑な事業承継」、「争続にならない相続」のアドバイスを行う税理士として定評がある。(プロフィールページ

・執筆実績:「預貯金債券の仮払い制度」「贈与税の配偶者控除の改正」等
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