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ーコラムー
遺産分割
税理士監修記事

現物分割、換価分割、代償分割~不動産の遺産分割3つの方法

公開日:2018.8.17 更新日:2022.10.25

日本の相続事案では多くの場合相続財産に不動産が含まれています。

不動産は数人で共有することもできますが、色々とデメリットがあるので特定の誰かが単独所有とするのが望ましいとされています。

不動産の共有を避けるにはいくつかの分割方法があり、それぞれ特徴が違ってきます。今回は不動産の3つの分割方法について解説します。

目次

1.現物分割(げんぶつぶんかつ)
  現物分割の例
  現物分割が向いていない例
2.換価分割(かんかぶんかつ)
  換価分割の例
3.代償分割(だいしょうぶんかつ)
  代償分割の例
4.まとめ

1.現物分割(げんぶつぶんかつ)

現物分割(げんぶつぶんかつ)

現物分割はその財産の性質を変えずに、現物をそのまま相続人が承継するものです。

相続では不動産以外にも現預金や有価証券など色々な財産がありますが、それら相続財産全体をみて各自の取り分を考え、不動産については複数人での共有とせず、誰か特定の人が承継するのが現物分割です。

現物分割の例

不動産は土地と建物があるので、これはそれぞれ別個の財産として考えることもできます。

例えば、配偶者が家屋を、長男が土地を、二男は預金を承継するという具合に、各財産をそのまま承継するのが現物分割です。各財産に対する権利者が独立しているので権利関係が分かりやすく、不動産が共有状態になることが避けられます。

遺産の構成上不動産以外にも豊富な財産があり、各相続人が満足できる遺産がある場合に向いている方法と言えます。

現物分割が向いていない例

例えば遺産の構成上、現預金などの財産が少なく主な財産が不動産しかないという場合には、複数相続人がいると他の財産で満足を得ることができないので、どうしても不動産取り合うことになってしまい、現物分割が難しくなるでしょう。 また対象不動産を誰も使用しないという場合は、先に下記で述べる換価分割が候補に上がってきます。

2.換価分割(かんかぶんかつ)

換価分割は対象不動産を売却して現金化し、その売却代金を各相続人の取り分に従って分け合う方法です。そのままでは分割が難しい性質の不動産を分割が容易な現金に換えることで、それぞれが納得できる配分にすることができます。

例えば相続人が子ども二人で、法定相続分どおりの取り分である場合、長男が二分の一、二男も二分の一の取り分となります。 売却代金が1000万円であれば、それぞれが半分ずつの500万円を手にすることになります。

換価分割の例

相続事案の場合、被相続人に同居する配偶者がおらず、子は独立して離れた地で家族を持って生活しているようなケースでは、子が実家を相続しても居住することができないことが多いです。

利活用する道もない場合には売ってしまうことで維持管理の手間からも解放されることになるので、誰も住まないのであれば換価分割が最初に選択肢に上がることになるでしょう。逆に、相続人のうち誰かがそのまま住み続ける意思がある場合は他の選択肢を検討することになります。

また、換価分割では市場で売ることになるので、相続人が満足できる額で売却できる保証はありません。 過疎地にある不動産などは買い手が付かないということもあり得るので、換価分割はかならず実現できるとは限りません。


ここまでの解説でもわかるとおり、不動産の分割方法にはそれぞれ特徴や向いている状況がありますので、専門家に相談しながら慎重に分割方法を選択することをおすすめします。

3.代償分割(だいしょうぶんかつ)

代償分割(だいしょうぶんかつ)

代償分割は、対象不動産を誰か特定の相続人が承継する代わりに、他の相続人の取り分については別の財産を交付する方法です。

例えば長男と次男がいる場合、不動産は長男がまるまる承継して単独所有とし、弟の取り分については長男が別の財産を弟に交付して満足してもらうという具合です。

長男が弟に交付する財産は、長男の取り分となる他の相続財産だけでなく、長男が所有する固有の財産であっても構いません。 長男が自分のお給料などから交付財産を支弁することも可能です。

また現金によらずとも、長男が保有している別の不動産などを交付対象にすることも可能です。

代償分割の例

代償分割が検討されるのは、相続財産の構成上現預金などが少なく主な遺産が不動産のみであり、そのままでは共有となってしまう場合で、さらに換価分割も難しい場合などです。

例えば上の事例では長男は引き続き実家に住み続けたいという場合は売却は避けたいでしょう。 また二男はその家に住まず利用しないというのであれば、共有となって持分を取得しても利用価値がありません。長男としても持分を弟に握られていると利活用について制限が出たり、将来売却が必要になった時に弟の合意を取らなければならなくなるなどリスクを残すことになるので単独所有としたいところです。

そのような時に、長男は弟に他の財産を交付することで不動産を単独所有とすることができます。 しかし、長男に代償分割のために支弁する財産が無い場合は弟に満足してもらうことができないので、他の選択肢を検討しなければなりません。

4.まとめ

今回は相続財産となった不動産について、共有状態を避けるために検討される3つの分割方法について見てきました。

相続人の人数や相続財産の構成、対象不動産を利活用できるか否かなど、相続ではケースによって状況はまちまちです。

不動産については3つの分割方法を使い分け、実情に合った遺産分割とすることができるようにしましょう。

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