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ーコラムー
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自治体も自粛モードのふるさと納税。相続や節税にはどんな影響がある?

公開日:2019.4.23 更新日:2019.07.12

ふるさと納税も相続税の寄付金控除の対象

相続財産を国や地方自治体、福祉団体などの公益法人に寄附した場合、 その寄附をした財産や支出した金銭は相続税の対象とならない特例があります。

この寄附が非課税になる特例を適用するには、相続税の申告期限までに寄附を行うことなど、いくつかの条件がありますが、ふるさと納税でも利用することができます。

平成31年税制改正によって、ふるさと納税制度に関する法改正が行われ、泉佐野市など注目されている自治体の対応に関するニュースが話題になりました。2019年6月1日からスタートする新しい制度のポイントと相続税や他の税金との関係性を解説します。

目次

1.ふるさと納税が変わる~改正のポイント
2.ふるさと納税はどう変わる?返礼割合の高いお礼や商品券は廃止か?
3.指定された自治体でなければふるさと納税にならない
4.改正の背景は返礼品合戦への歯止め
5.泉佐野市なども自粛モードへ
6.ふるさと納税の返礼品は「一時所得」になり所得税がかかる
7.過去のふるさと納税も対象に

1.ふるさと納税が変わる~改正のポイント

ふるさと納税が変わる~改正のポイント

改正のポイントは以下の二つです。

・返礼品の見直し

・指定制度の導入

返礼品の見直し

■返礼割合を3割以下とすること

■返礼品を地場産品とすること

という基準を満たすことが義務づけられました。これらは総務省が数年前から各自治体に通知を出し注意を促していたものですが、今回の改正で明確に義務づけられることとなりました。

「返礼割合」とは、寄付金の額に対して「地方自治体が実際に支出した額」とされ、「地場産品」については、その自治体の区域内で、返礼品の「原材料の主要な部分が生産されたもの」や「製造、加工その他の工程のうち主要な部分を行うことにより相応の付加価値が生じているもの」などとされています。

 

指定制度の導入

2019年6月1日から、ふるさと納税制度の対象となる自治体を、国が指定した自治体に限定する制度が導入されます。

この制度の導入によって、指定を受けられなかった自治体は、ふるさと納税制度の特典である寄附金控除の特例分(※)の対象から外れることになります。

(※)ふるさと納税の寄附金控除の特例分とは
ふるさと納税とは、地方自治体への寄附金控除に、特例分と呼ばれる住民税の控除が加わった制度です。

特例分とは、支払った金額から2,000円を控除した金額のうち、所得税率(5%~45%)と住民税率(10%)にあたる割合を除いた、残りの割合にかかる分となります。

なお、特例分には上限(住民税の所得割額の2割)があります。

関連記事:相続財産を寄附した時の税務上のメリットは?

2.ふるさと納税はどう変わる?返礼割合の高いお礼や商品券は廃止か?

今回の改正は、国と自治体のものですが、私たち納税者にも影響があります。

まず改正後は、返礼割合が30%を超えるようなふるさと納税の募集や、地場産品とは言えない商品券、全国のお店で生産場所の区別なく販売される品などが、返礼品からなくなることが予想されます。

こうした返礼品で募集を行うと、国からの指定が受けられない可能性があり、指定を受けられなければ、6月以降、その自治体への寄付はふるさと納税(住民税の寄附金控除の特例分)の対象になりません。

そのような事態となれば、その自治体に寄付を行う納税者側の税金上のメリットが減少し、結果的に寄付につながらなくなってしまうため、自治体も自粛するしかないのです。

3.指定された自治体でなければふるさと納税にならない

どの自治体が対象になるかは、総務省からの発表を待つほかありません。

発表後は、おそらく各自治体がHPなどで指定を受けている旨を広報するものと考えられますが、私たち納税者側でも念のため注意をしておく必要があるでしょう。

4.改正の背景は返礼品合戦への歯止め

総務省のデータによると、ふるさと納税の件数は、平成20年度から増加の一途をたどっています。

平成20年度の件数は5万3,671件(寄付金額は約81億円)でしたが、平成29年度の件数は1,730万1,584件(金額は約3,653億円)でした。

出典:総務省ふるさと納税トピックス

ふるさと納税の人気が高まるなかで、近年、どう見てもその自治体の特産とは思えない品や、金券に近い品で、多額の寄付を集める自治体が見られるようになりました。

今回の改正は、こうした寄付の募り方や自治体同士の加熱する返礼品合戦に、国が介入したものといえます。

5.泉佐野市なども自粛モードへ

総務省は、これまで名指しでいくつかの自治体への自粛を要請してきました。

その中の一つとなる大阪府泉佐野市は、平成31年2月12日付けで、同市のHP上に市長のコメントを掲載しています。そこには、泉佐野市がふるさと納税制度のルールの中で、5年以上にわたって、知恵を絞り、努力を重ねてきたことなどが記載されています。

その泉佐野市も、「100億円還元|閉店キャンペーン」として、2019年2月~3月限定のキャンペーンを最後に、一旦閉鎖する運びとなりました。

4月以降も当面の間、対応が行われるようですが、泉佐野市のふるさと納税を今後も楽しみにしていた納税者にとっては、残念に感じられる結果でしょう。

そのほか、ギフトカードなどを返礼品としていた和歌山県の高野町も、平成31年3月29日をもってふるさと納税の申し込みを一旦停止するとしています。

返礼割合が30%以下になっても、返礼品がある以上、ふるさと納税が私たち納税者にとって魅力的な制度であることは変わりありません。今後も、ふるさと納税制度の趣旨の下で楽しみながら活用していきたいものです。

6.ふるさと納税の返礼品は「一時所得」になり所得税がかかる

ところで今回、「返礼割合」という言葉が出てきましたが、ふるさと納税の返礼品を受け取ると、その返礼品相当額が「一時所得」に該当することをご存知でしょうか。

ふるさと納税が区分される一時所得には、計算上、50万円の特別控除額があります。
50万円を差し引いて一時所得の金額が0円になれば、税金はかかりません。

ただし、一時所得に該当するものが複数ある場合、それらを合算した金額で考えなければならない点に注意が必要です。

たとえば、ふるさと納税の返礼品が20万円相当でも、他の一時所得が40万円の場合、50万円をオーバーした10万円(20万円+40万円-50万円)が、一時所得にカウントされます。(課税される金額は、これに2分の1を掛けた5万円です。)

7.過去のふるさと納税も対象に

ふるさと納税の返礼品が一時所得に該当するという話は、今回の改正に始まったことではありません。昨年や一昨年に行ったふるさと納税も、そして今年の改正までに駆け込みで行ったふるさと納税も対象です。

申告しなければならない所得について、期限を過ぎてから申告すると、日数分の延滞税が上乗せされるほか、税務署から連絡を受けた後に申告すると、ペナルティである加算税の割合が上がる場合があります。

ふるさと納税の返礼品の申告について不安がある方は、税務署から連絡を受ける前に早めに税理士に相談しましょう。