2016年の確定申告期間は昨日(3/15)まででした。毎年のこととはいえ、慌ただしい確定申告期間が過ぎると、いよいよ新しい年度が近づいてきたことを実感します。
さて、その「確定申告」ですが、亡くなった方についても対応が必要だということをご存知でしょうか。
確定申告をしなければならない人が年の中途で死亡した場合、相続人が、その亡くなった人の確定申告をしなければなりません。これを、準確定申告(じゅんかくていしんこく)といいます。
準確定申告は、通常の確定申告と異なる点があるため、ポイントを押さえて手続きを行いましょう。
準確定申告が必要な人は?
準確定申告の対象者は、生きていたら通常の確定申告をしなければならなかった人です。
例えば、個人で事業を経営していた人、給与収入が2,000万円を超える人、給与所得・退職所得を除く各種所得金額の合計額が20万円を超える人、同族会社の役員・その親族等で給与の他に貸付金の利子・賃貸料等の支払を受けていた人等が該当します。
また、確定申告により還付を受けるはずだった人も、準確定申告をすることで還付を受けることができます。
準確定申告の手続きの流れ
準確定申告は、納税者が死亡した日の属する年の1月1日から死亡した日までの所得金額と税額を計算して、相続人が申告及び納税を行います。
期限は、相続の開始があったことを知った日の翌日から4か月以内とされています。通常の確定申告とは、所得を計算する期間や申告期限が異なるため注意が必要です。
書類の準備
準確定申告に使う書類は、通常の確定申告と同様のものを使います。
「準」の文字を書き入れて準確定申告として使用しましょう。これに加えて、準確定申告では付表が必要になります。付表には、相続人全員の氏名や、納税方法・還付方法等を記載します。
相続人が2人以上いる場合は、各相続人が連署により準確定申告書を提出しなければなりません。ただし、他の相続人に申告した内容を通知すれば、他の相続人の氏名を付記して各人が別々に提出することもできます。
納税地は?
納税地は、被相続人の死亡当時の納税地になります。相続人の納税地ではないことを押さえておきましょう。
各種控除や消費税、還付等のポイント
● 医療費控除、社会保険料控除等は、死亡の日までに被相続人が支払ったものだけが対象となります。死亡後に、相続人が支払ったものは準確定申告の対象にはなりません。
● 配偶者控除・扶養控除は死亡の日の現況により判定します。
● 被相続人が消費税の納税義務者であった場合には、準確定申告をする際に、消費税の申告及び納税も行う必要があります。
● 被相続人が受け取っていた収入の中で、源泉徴収されているものがあった場合、準確定申告により所得税の還付を受けることができる場合があります。