今日11月11日は介護の日なので、介護の寄与分について考えてみます。
寄与分について
寄与分は民法で
「共同相続人中に、被相続人の事業に関する労務の提供又は財産上の給付、被相続人の療養看護その他の方法により被相続人の財産の維持又は増加について特別の寄与をした者があるときは、被相続人が相続開始の時において有した財産の価額から共同相続人の協議で定めたその者の寄与分を控除したものを相続財産とみなし、相続分に寄与分を加えた額をもってその者の相続分とする」
と規定されています。 ちょっと難しいですが、「被相続人の財産の維持又は増加に特別の寄与がある」とは、例を挙げると次のような事かと思われます。
- 被相続人の事業(典型は農業や商業)を手伝った結果、他人を雇用した時より被相続人の財産が増えた
- 被相続人を看病・介護した結果、公共サービスや業者を利用した時より費用が掛からず、財産が失われずに済んだ
しかし、上記のような「特別の寄与」を具体的に算定し、相続人間の協議で認めてもらうことは非常に難しいのです。
想像してみてください。 ひとつめの例の場合も容易ではないですが、ふたつめの例については配偶者や子などの近い血族が看病したり介護するのはある意味「当然のこと」ですから、普通は寄与分を認めてもらえないでしょう。
相続人の中に権利意識の強い人がいればなおさらです。 介護離職して要介護度5の被相続人を24時間つきっきりで看病した結果、本来ならば業者に払うべき費用を減らすことに貢献した、というくらいでなければ遺産分割協議の中で寄与分が認められる可能性は上がらないのです。 もめた場合は、家庭裁判所に調停や審判を申立てることになります。
寄与分を考慮した遺言書
この方法で万事うまくいくという訳ではないですが、被相続人が寄与分を考慮した遺言書を残すのは一案です。
それぞれの相続人に相続させる財産やその理由をしっかり付言事項に記載しておけば、少なくとも被相続人の想いは伝わるはずです。そして、より実現可能性が高い遺言書を作るにはどうすればよいのかについては、法律的な要件も厳しいので、相続の専門家に相談されると良いでしょう。
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