遺産分割のトラブルは年々増加しており、調停件数も10,000件超で推移しています。 できれば家族との争いは避けたいものだと思いますが、そのためにはまず遺産分割の流れをおさえるところから始めてみてはいかがでしょうか。 今回は遺産分割の流れを詳しく説明していきたいと思います。
「遺産分割」とは?
相続が発生すると、被相続人の財産は相続人に相続されます。 この、「各相続人に、財産を分割すること」を「遺産分割」と言います。
遺産を分割する方法と優先順位
相続人に遺産を分配する方法は大きく分けて5つあり、下記の様に優先順位が決められています。
遺言→協議→調停→審判→裁判
従って、遺産分割協議は、遺言による分割だけでは相続財産が分割できなかった場合に行う手続きと言えます。
遺産分割協議
遺産分割協議が必要なケース
遺産分割協議は、具体的に、下記の場合に行います。
- 遺言がない場合
- 遺言はあるが、各相続分の割合を指定してあるだけの場合
- 遺言はあるが、一部の財産が遺言から漏れている場合
具体的な流れ
1.各種調査
遺産分割協議を行う前に、まずしなければいけないことは相続人を確定することです。
遺産分割協議は、全ての法定相続人が参加しなければならないので、被相続人の戸籍謄本等により、全ての相続人を把握しておかなければいけません。
また、相続財産の調査や遺言の有無についても確認が必要です。相続財産には、預貯金や土地・建物だけでなく、保険金や祭祀に関する権利の他、相続人に借金等も含まれます。詳しくは専門家に確認してみるのがよいでしょう。
2.通知
遺産分割協議を行う際は、全ての法定相続人の参加が必要です。1人でも不参加の相続人がいた場合、その遺産分割協議は無効となってしまうため注意が必要です。そこで相続人全員に通知が必要になります。
通知自体は、相続人間で争いが生じないのであれば口頭でも問題ありません。 しかし、もしそうでない場合には、配達証明付き内容証明郵便で通知すべきでしょう。日付の記録と共に、相続人間で「届いた」、「届いてない」という争いを事前に防ぐことができます。
3.協議
法律上、協議の方法に決まりはありません。一般的には、全員集まって話し合いが行われますが、電話や書面で行うことも可能です。
どの方法を利用しても、必ず記録を残しましょう。作成した書面には署名押印をしてもらい、話し合いの最中はボイスレコーダーで録音をすると良いでしょう。
4.協議書の作成
遺産分割協議で話し合った内容をまとめた書類を作成します。これを遺産分割協議書と言います。遺産分割協議書を作成し、全ての相続人が署名押印をすることで、相続財産の分配先が決定し、名義変更等の手続きを進めることができる様になります。
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