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税理士監修記事

相続発生前に押さえておきたい「遺留分侵害額(減殺)請求」のポイント

公開日:2017.11.9 更新日:2022.07.02

相続が起きる場面では、自分以外の色々な人と否応なく繋がりを持たねばならないことが多くなります。相続事案では財産の権利も絡むことから、複雑な利害が絡むと速やかな解決が難しくなることもしばしばです。

例えばあなたの夫が亡くなったとして、残された遺言に「全財産を愛人に譲る」と記されていたらどうでしょう。

現在の我が国の法律では遺言の力が強く、その内容が優先されるのが原則です。ではあなたは財産を一銭も相続することができないのでしょうか。 こんな時に活躍するのが「遺留分(いりゅうぶん)」の知識です。

遺言によっても犯すことのできない最低取り分である「遺留分」についてご紹介いたします。

目次

1.遺留分(いりゅうぶん)とは
2.遺留分侵害額(減殺)請求とは
3.遺留分の権利がある人と遺留分の割合
4.遺留分の権利が無くなる場合もある
  4-①.相続を放棄した場合
  4-②.相続の欠格や廃除
  4-③.遺留分の放棄
5.遺留分侵害額(減殺)請求はいつまで行うことができるのか
6.まとめ

1.遺留分(いりゅうぶん)とは

遺留分とは、一定の相続人に対して認められる、遺産の最低限の取り分のことをいいます。

冒頭のように遺言で全財産を愛人に譲るなどは極端ですが、例えば複数の相続人がいる場合に特定の相続人に全財産を相続させたり、特定の者だけが優遇された場合には他の者の取り分が少なくなり不満が出るでしょう。

亡くなった者に近い家族の中でも最も血縁の近い一定の相続人には、それまでに親密な関係を築いているのだから最低限の取り分を確保するべきだ、というのがこの「遺留分」の主旨になります。

2.遺留分侵害額(減殺)請求とは

遺留分というのは最低限の取り分のことですが、自分の取り分が侵害された場合でも何もしなければ遺留分を確保することはできません。これは権利ですから自らその主張をしなければならないのです。

自分の取り分である遺留分を侵害している者に対して「私の遺留分を返してください」という主張ができる権利のことを「遺留分侵害額(減殺)請求権」といいます。遺産を譲り受けた他の者に対してこの主張をすることで、初めて遺留分を確保することができます。

遺留分侵害額(減殺)請求の方法としては法律上は口頭や通常の郵便などでも可能ですが、証拠が残るように内容証明郵便で行うのが一般的です。

3.遺留分の権利がある人と遺留分の割合

遺留分の主張が可能なのは兄弟姉妹以外の相続人です。具体的には配偶者と子(代襲相続人を含みます)、そして親や祖父母などの直系尊属が遺留分の権利者となります。

兄弟姉妹に遺留分が無い理由としては、被相続人の兄弟姉妹は多くの場合、別々に生計を維持しているので遺留分で最低限の財産を確保してやらなくても生活に困ることは少ないから、とされています。

それよりも保護の必要性が高い配偶者や子などの救済を法律は重視しているのです。 相続人全体に対する遺留分の割合としては、直系尊属のみが相続人となるケースでは法定相続分の3分の1、それ以外の場合は法定相続分の2分の1となります。  

ここまで遺留分と遺留分侵害額(減殺)請求の概要を押さえてきました。相続におけるご自身の権利を守るためにも大切な内容ですので、ぜひ理解を深めてみてはいかがでしょうか。

利用する際の注意点として、遺留分の権利がなくなる場合があることと、権利行使には期限がある、という点があります。詳しくみていきましょう。

4.遺留分の権利が無くなる場合もある

本来は遺留分侵害額(減殺)請求権を有しその主張ができる配偶者や子、直系尊属もその権利を失い主張ができなくなることがあります。 具体的には以下のような場合です。

4-①.相続を放棄した場合

相続放棄を行った場合は、法律上は最初から相続人とはならなかったものとみなされるので遺留分も最初からないこととなり、従ってその主張もできなくなります。

4-②.相続の欠格や廃除

遺言書の偽造や変造を行うなど一定の欠格事由にあたる場合や、被相続人に対する重大な侮辱などがあり、相続人の権利をはく奪される相続廃除の手続きがなされた場合は相続権がなくなるので、これに付随する遺留分もなくなります。

4-③.遺留分の放棄

被相続人の生前に、遺留分権利者が家庭裁判所の許可を得れば事前に遺留分を放棄することができます。強迫や詐欺などによって不本意に遺留分の権利を無くしてしまわないように、裁判所の関与を義務づける形としています。

5.遺留分侵害額(減殺)請求はいつまで行うことができるのか

遺留分侵害額(減殺)請求は行使できる時期に期限があり、いつまでも主張可能なわけではありません。民法の第1042条にその定めがあり、請求期限には二つの種類が用意されています。

一つは相続の開始と自分の遺留分が侵害される贈与や遺贈があったことを知った時から1年です。

厳密には個々のケースで時期にズレが生じますが、取りあえずは被相続人が死亡したことを知った時から1年と覚えておくようにしましょう。

もう一つは相続開始から10年という期限です。 これは例え遺留分の権利者が被相続人の死亡(相続開始)を知らなかったとしても同じです。あまり長く遺留分の主張ができてしまうと権利関係がいつまでも確定しないので、法律はある意味強制的に10年でその権利を消滅させてしまうのです。

6.まとめ

今回は一定の相続人に確保された最低限の遺産の取り分「遺留分」について見てきました。

例え遺言によって自分の遺留分が侵害されていても、適切に対処すれば最低限の取り分を取り戻すことができます。ただし、これは権利であるので主張しなければ財産の確保ができないこと、主張するには一定の期限があることも分かりましたね。

自分の遺留分が侵害されているかどうか分からない時には専門家に助言を求めることも有効です。せっかくの取り分を無くしてしまうことがないようにしましょう。

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