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ーコラムー
遺言書を作成する

遺産分割で揉めないために「遺言書を作成するべき人」12の具体例

2016.5.2

世間では、 「うちには遺言を遺すほど財産は無い」、「遺言書と聞くと堅苦しいイメージがある」 と思っている方が多数を占めていると思います。ですが、「遺言が必要な人=多額の財産がある人」というイメージは大きな間違いです。

法律上、遺言を遺す義務は無く、遺言書の作成は任意となっているので、遺言をするかしないかは個人の自由です。

多額の財産を所有している人は、遺言もセットで相続を考えています。一方で、相続税がかからない世帯の人にとっては、遺言も不要なものと位置づけされている様に思えます。

遺産分割で揉めるケースが増えてきている

遺産分割で揉めないために「遺言書を作成するべき人」12の具体例

では、現実問題、少額の財産しかない世帯の人に遺言は不要なものなのでしょうか?

答えは「NO」です。

一体どうしてでしょうか? それは、実際に遺言書が無い場合、遺産分割の段階で揉めるケースが増えてきているからなのです。

「残された財産を誰が貰うのか?」

この話し合いが円滑に終わればそれで良いのですが、遺族間同士での争いを引き起こす原因となってしまうリスクも考慮しなければなりません。

相続争いのケースは、相続税がかからない世帯において、年々増加しているのです。家族のために残してきた財産で、家族同士が争ってしまうことほど悲しいことはありません。

ご自身の手で、相続に関する円満な着地点を提供してあげることが、残された家族の為に行える最後で最大の責任と言えるでしょう。

遺言書を残すべき人とは?

それでは、遺言をすべき人として代表的なサンプルを以下に例示しておきますので、少しでも当てはまる人は遺言書の作成を検討してみてください。

①財産の分け方を自分で決めたい人

ご自身の財産を、ご自身の意思で分けることができます。

②子供のいない夫婦

子供がいなく両親がご健在なら、妻と両親で財産をわけることになります。遺留分を侵害しない範囲で遺言書を作成しておけば、希望通りの相続を行うことができます。

また、両親もいない場合の法定相続では、妻と兄弟で財産を分ける形となります。兄弟には遺留分がありませんので、妻に全財産を相続する旨の遺言書を作成しておけば、妻にだけ財産を遺すことも可能です。

③行方不明の推定相続人がいる

遺言書が無い相続の場合、手続き上、相続人全員の署名捺印が必要になります。行方不明の推定相続人がいる場合には、行方不明者以外の推定相続人に財産を相続する旨の遺言書を準備しておくと良いでしょう。

④兄弟仲が悪い人

生前から兄弟仲が悪いような場合には、相続時にも必ずと言っていい程揉め事に発展します。争いを避ける意味で、遺言の中身を生前から伝えておくことも1つの方法です。


どのような立場にある人が遺言書を残すべきか、ということのイメージが具体的になってきたでしょうか?

ここまでは、遺言書を残すべき理由(背景)と遺言書を残すべきケースを4つ(財産の分け方を自分で決めたい、子どもがいない夫婦、行方不明の推定相続人がいる、兄弟仲が悪い)、ご紹介しました。 引き続き、「遺言書を作成すべき人」を具体例を交えながら紹介していきます。

遺言書を残すべき人とは?

遺言書を残すべき人とは?

 

⑤個人事業主

個人資産とは別に、個人事業主の資産を事業用資産として区別していたとしても、民法上は同じ個人の資産として取り扱われ、相続の対象となります。

当然、プラスの財産(資産)だけでなく、マイナスの財産(負債)も相続の対象となります。

⑥農家

通常の相続財産と違い、農地の相続には注意が必要です。

農地法により農地の所有者は耕作者と定められているため、農業を続ける相続人に農地を相続させなければいけません。遺言書を作成するか生前贈与で相続対策を行っておきましょう。

⑦内縁の妻がいる

内縁の妻には相続権がありません。従って、内縁の妻にも財産を残したい場合には遺言書が必要です。なお、遺留分を無視した相続はできませんのでご注意ください。

⑧前妻との間に子どもがいる

夫婦が離婚していても、子どもの相続権に変わりはありません。従って、前妻との間の子どもにも相続権が発生します。

例えば、再婚後にも子どもがいる場合には、再婚前後のどちらの子どもにも相続権があるため、遺言書を遺しておかないと揉め事に発展する場合があります。しっかりとした対策を講じておきましょう。

⑨障害のある子供がいる

自分が亡くなった後、障害のある子どもの将来が特に不安になる方は、必ず遺言書を作成しておくべきといえます。

⑩義理の娘に介護してもらっている

法律上、息子の嫁は相続人になることができません。義理の娘に相続財産を渡してあげたいのなら、遺言書を書くしかないでしょう。

⑪孫に財産を譲りたい

遺言書が無い場合、相続財産は法律に定められた通りの法定相続割合に従って権利が発生します。 お孫さんは法定相続人ではありません(代襲相続を除く)ので、相続の対象とはなりません。相続人以外の人に遺産を分けたい場合は、遺言書を作成しておきましょう。

⑫相続人が全くいない

相続人がいない場合の遺産は国に帰属します。相続人はいないけれど、生前お世話になった人に財産を遺贈したいという場合には遺言書を活用しましょう。ちなみに、お世話になった人だけではなく、法人や団体等にも遺贈することが可能です。

おまけ

遺言として残せるものは、なにも財産に関する事項だけではありません。

例えば、生前では照れくさくて言えなかった感謝の気持ちや家族に対する思い等を遺してみてはいかがでしょうか?遺言を受け取ったご家族の気持ちを察しながら、遺言を遺すということを考えてみても良いかもしれません。

※残されたご家族への気持ちを伝えるには、「付言事項(ふげんじこう)」を活用することができます。以下の記事もぜひ参考にしてみてください。 遺言書の「付言事項」活用のポイント【参考例あり】