税務調査や相続税について、各種メディアなどで情報収集したはいいけれども、実際のところはどうなっているのだろうか、という疑問をお持ちの方も多いかと思います。 ここでは、国税庁の活動発表や統計をもとに相続税や税務調査の状況について見てみましょう。
相続税の申告の状況
国税庁の活動発表、第61回事務年表をもとに、近年の申告状況を表にまとめました。 相続税の申告は、増加傾向にあるが、一人当たりの課税価格は減少傾向にある、ということがわかります。
平成21年度 | 平成22年度 | 前年度比較 | 平成23年度 | 前年度比較 | |
相続人の数 | 134,547人 | 143,324人 | 6.5%増加 | 146,720人 | 2.0%増加 |
被相続人の数 | 46,438人 | 49,891人 | 7.4%増加 | 51,559人 | 3.3%増加 |
申告による課税価格 | 10兆1,072億円 | 10兆4,580億円 | 3.5%増加 | 10兆7,468億円 | 2.7%増加 |
(被相続人一人当たり) | 2億1,765万円 | 2億962万円 | 803万円減少 | 2億84万円 | 878万円減少 |
納付すべき税額 | 1兆1,618億円 | 1兆1,754億円 | 1.2%増加 | ― | ― |
(被相続人一人当たり) | 2,502万円 | 2,356万円 | 146万円減少 | ― | ― |
参考 : 国税庁 活動発表第61回事務年表より
相続税の課税財産(債務控除前)
国税庁の活動発表第61回事務年表より、近年の課税財産についてまとめました。 課税割合は、下記の通り、土地の割合が約5割を占めています。
相続税の課税財産 | 割合 |
土地 | 48.3% |
有価証券 | 12.1% |
現金、預貯金等 | 23.3% |
その他の財産 | 16.3% |
※その他の財産とは、生命保険金等、家屋、事業用財産、家庭用財産、美術品等のことです 参考 : 国税庁 活動発表第61回事務年表より
相続税の税務調査
相続税の申告は一生に一度の申告ですし、突然相続が発生するなどして、相続税の納税者には準備不足の場合も多々あります。 しかし相続税の課税漏れを指摘する機会は、この一度であるため、相続財産の申告漏れについては、「調査が厳しい」と言われています。 税務調査は、高額かつ多額の申告漏れがあるとの疑いのある場合に行われます。 預貯金、有価証券などの、金融資産の把握に重点を置いて行われます。
相続税の税務調査 | 平成22年 | 平成23年 | 前年比 |
実地検査数 | 13,668件 | 13,787件 | 0.9%増加 |
申告漏れがあった件数 | 11,276件 | 11,159件 | 1%減少 |
実地調査による申告漏れ額 | 3,994億円 | 3,993億円 | 1億円減少 |
納付すべき税額(本税) | 685億円 | 649億円 | 5.2%減少 |
参考 : 国税庁の活動発表第61回事務年表より
申告漏れ財産の金額の推移
相続税の税務調査で指摘された申告漏れ財産の金額。 有価証券と預貯金の金融資産で、平成23年度だと52%を占めることがわかります。 税務調査では、銀行や証券会社から、口座の残高や取引状況を把握して調査にのぞみます。 そのため、自宅にタンス預金している、といったケースでは、「銀行から引き出したお金はその後、どのようにしたのですか?」と問われることになってしまいます。 出典:国税庁ホームページ 平成23事務年度における相続税の調査の状況について
申告漏れ相続財産の金額の構成比の推移
相続漏れ相続財産の金額の構成比は、目立った変化はないようです。 預貯金と有価証券を合わせて金融資産で、全体の約半数を占めるという状況が続いています。
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