住宅やマンションを購入する際、住宅ローンを組む方は多いと思います。
住宅ローンは30年以上の長期に及ぶことが多いため、相続発生時に被相続人に住宅ローンが残っている、ということも珍しくありません。今回は住宅ローンと相続の関係についておさえましょう。
目次 |
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1.住宅ローンの相続に必要な手順、資料について |
住宅ローンの相続に必要な手順、資料について
住宅ローンの返済義務を相続人の誰かが引き継ぐ場合、銀行に届け出る必要があります。その際に必要な書類は以下の4つです。
住宅ローンの相続人変更に必要な書類
- 住宅ローン名義書換依頼書
- 被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本
- 相続人全員の戸籍謄本
- 相続人全員の印鑑証明
住宅ローンを相続した人が払えなかったらどうなるか
団体信用生命保険がついていない住宅ローンを相続する場合、相続人はローンの返済義務も引き継ぐことになるため、残金の支払いが発生します。この場合相続人は名義書換をして住宅ローンの返済を継続するか、残債を一括で返済するかを選択しなければいけません。
仮に相続人の返済が滞るなど、返済能力がないと判断されれば、金融機関は抵当権などを実行し、対象物件の回収、不動産競売による売却を行うこととなります。
住宅ローンの返済が厳しいようなら借り入れ先の金融機関に相談して今後の返済計画を変更してもらうか、相続人による不動産の任意売却によって住宅ローンを精算するなどの方法を検討する必要があります。
住宅ローンを相続しない方法(相続放棄)
住宅ローンを相続しない方法として「相続放棄」が考えられます。相続を放棄することによって被相続人の債務を承継しないという選択をすることができます。
相続放棄の手順は、原則として亡くなった方の最後の住所地を管轄する家庭裁判所で手続きを行います。その際注意しなければならないのが、相続放棄できる期間と相続の承認です。
相続放棄ができる期間は、相続が発生したことを知った時から3ヶ月以内。この期間内に家庭裁判所へ相続放棄の意志を伝えなければならず、手続きがないと自動的に相続したものとみなされてしまいます。
また、プラスの財産よりもマイナス財産の方が多いかどうか、見逃しがないように詳細な遺産調査を行う必要があります。
さまざまな事情により「相続財産がプラスになるか、マイナスになるかわからない」という場合は、プラスの分だけマイナスの財産を相続する「限定承認」を申請するようにしましょう。
相続放棄に必要な書類
- 相続放棄申述書
- 自らが相続人であることを証明する公的書類(戸籍謄本など)
- 収入印紙(800円)
団体信用生命保険の活用について
団体信用生命保険とは、住宅ローン専用の生命保険のことです。加入していれば住宅ローンの債務者が死亡したときや高度障害状態になった時でも、住宅ローンの残金の分の保険金が金融機関に支払われ、ローンを精算することができます。
ただし住宅ローンの残債が消えても、住宅に設定された抵当権が自動的に消えるわけではないので、抵当権抹消の手続きは所有者側で行わなければいけません。
そのために必要となる債務完済を証明する書類や委任状などが抵当権を設定していた金融機関から送られてくるので、これを添付して抵当権抹消の登記を行うことを忘れずに準備するようにしましょう。
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