相続とは、現在の財産所有者が有する財産を、次世代に引き継ぐ手続きのことです。親から子へ、財産を移すのはとても大切なことですが、相続によっては相続する人が誰もいない、というケースがあります。これを、相続人不存在(そうぞくにんふそんざい)といいます。
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1.相続人不存在とは? |
1.相続人不存在とは?
財産を承継する相続人が誰もいないことを指す「相続人不存在」ですが、この相続人不存在には、2つのケースがあります。
(1) 戸籍上、相続人が見当たらない
相続は通常、法律によって相続する人と配分が決められています。これを「法定相続人」、「法定相続分」といいます。
「法定相続人」とは、財産を所有していた方が亡くなった際の財産を、「引き継ぐ権利のある方」です。死亡者の奥様、お子様、兄弟姉妹が該当します。
この相続税には、法定相続人1人あたりにつき、「500万円×法定相続人の数」を非課税枠として活用することができます。たとえば奥様とお子様1人の場合、500万円×2の1,000万円が非課税枠です。この非課税枠を活用して、さまざまな相続対策が行われています。
相続人の子どもがいない場合、その子ども(被相続人から見て孫)が相続する権利を引き継ぐ(代襲相続といいます)などの対応策があります。たとえば戸籍上、相続人が見当たらないなどの場合です。
(2) 相続人全員が相続放棄をしている
相続人全員が相続放棄をしている場合も、この相続人不存在に該当します。
そのほかに相続欠格や推定相続人の廃除によって相続財産を失っていて、相続資格のあるものが誰もいなかった場合も、相続人不存在に該当します。
なお、相続人が行方不明や生死不明の場合は、即座に相続人不存在には該当しません。行方不明が7年以上に達すると、家庭裁判所に失踪宣告の申し立てをして、失踪宣告の審判をすることができます。
また、2011年の東日本大震災など未曽有の大災害の場合は、特別に死亡判定が行われ、相続が円滑になるよう対策がされました。
2.特別縁故者と国への寄贈
相続人の存否が確認できない場合、家庭裁判所により選任された相続財産管理人が被相続人の債務を支払うなどして精算を行ったあと、被相続人と特別の縁故のあった人間からの申し立てによって、その人に相続財産の全部または一部を与えることができます。
それでも残った財産がある場合、財産は国(国庫)に帰属することになります。ただし、その財産が他の者との共有財産の持分である場合は、その持分は他の共有者に帰属します。
もちろん、特別縁故者や国への帰属の手続きが開始したあと、相続人に該当する人が現れた場合、これらの手続きはただちに中断されます。その場合、相続財産管理人がそれまでになした精算行為の効果はない、ということが確認されています。
このように、優先順位の定まった相続人不存在のときの対応。しっかりと理解して相続を進めていきましょう。
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