相続が発生したらまずやらなければならない、相続財産の把握とその計算方法について、お伝えいたします。
目次 |
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1.相続財産の種類 |
1.相続財産の種類
相続財産には、現金や不動産などの「プラスの財産」と、住宅ローンや借入金などの「マイナスの財産」、大きく二つに分かれます。「プラスの財産」には、死亡保険金といった「みなし相続財産」と呼ばれるもの、また相続時精算課税制度で贈与された財産も含まれます。
(1)プラスの財産
プラスの財産とは、不動産や動産(現金・家財・宝石)、有価証券類(株式・国債・手形)などの資産のことです。不動産や非上場株式の場合は、その価値がどのくらいか、評価(査定)が必要な場合があります。
(2)マイナスの財産
マイナスの財産とは、借金、借金の保証人になっている場合(保証債務)、などを指します。 マイナスの財産が多い場合、相続放棄を選択することができます。相続放棄の選択は、相続開始から3ヶ月以内という期間が定められていますので、注意が必要です。
(3)みなし財産
みなし財産とは、主に生命保険、死亡退職金など、亡くなることで発生する財産のことです。 こうした生命保険や死亡退職金がある場合には、相続人1人当たり500万円の控除があります。見落としがちですが、支払われた金額から控除額を差し引いた残額は相続税の対象となりますので、注意が必要となります。
2.相続財産の評価(計算)方法
相続した財産にどれだけの価格・価値があるかを計算することを「評価」と言いますが、その評価方法は相続する財産によって異なります。
預貯金であれば、被相続人の死亡時の残高がそのまま相続財産の価格となりますが、不動産はその評価方法が難しく、専門家に依頼しないと正しく評価できないこともあります。
以下に主な相続財産とその評価方法をご紹介します。評価方法については、別途コラムで詳細を解説しているものもありますので、合わせてご参考ください。
財産の種類 | 財産詳細 | 相続財産の評価 | |
プラスの財産 | 金融資産 | 現金 | 死亡時の残高 |
預貯金 | 死亡時の残高、死亡時の残高証明書 | ||
上場株式 | 基本的には課税時期の終値 参考:相続における株式の評価の基本 ~ 具体例で計算方法を解説 |
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債権・投資信託 | 死亡時の時価 参考:投資信託の相続税評価方法は3つ!種類ごとの計算方法や注意点を解説 |
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非上場株式(自己株式) | 株式の評価額を計算 参考:相続時における非上場株式の評価方法 |
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不動産 | 土地 | 路線価×敷地面積 ※路線価で評価しない地域の場合は「固定資産税評価額×倍率」 |
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家屋 | 固定資産税評価額 | ||
借地権 | ・普通借地権の価額=自用地の価額×借地権割合 ・定期借地権の価額=自用地の価額×定期借地権割合×逓減率 参考:借地権を相続したときの評価方法を解説 |
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農地等 | 計算方法は農地区分ごとに異なります。詳細は以下のコラムで解説しています。 「農地を相続した時に知っておきたいことは?」 |
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その他 | ゴルフ会員権 | 取引相場価格×70% | |
美術品・貴金属 | 鑑定価格または市場価格 | ||
みなし相続財産 | 死亡保険金 | 保険金-(500万円×法定相続人数) | |
死亡退職金 | 退職金-(500万円×法定相続人数) | ||
マイナスの財産 | 債務 | 住宅ローン | 死亡した日の金額 |
クレジットカードの借入金 | 死亡した日の金額 | ||
未払いの税金 | 死亡した日の金額 | ||
葬儀費用 | 通夜や葬儀の費用 | かかった費用 |
3.相続財産の把握の際、気を付けるべき点とは?
非上場の株式や土地の評価については、専門家にご相談することをお勧めしています。
非上場株式は、評価方法が複数あり、それぞれのケースに適したものを見極めることが必要です。 また、遺産相続した資産内容のうち、不動産(土地・家屋)が多くの割合を占めている方が多いと思いますが、そういった方は特に、土地をどう評価するかが節税のポイントになります。所有している土地の条件によっては、評価の仕方によって税額が大きく変わりますので、遺産相続に詳しい相続の専門家にご相談することをお勧めいたします。
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