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ーコラムー
生前贈与

生前贈与とは?孫に贈与したい時の非課税について

公開日:2019.7.8 更新日:2019.07.12

生前贈与は、贈与税の対象ですが、贈与税には非課税になる基礎控除額があるので、数万円程度の贈与であれば贈与税を気にする必要はありません。

しかし、孫が住宅購入する際の資金援助や、土地を贈与する場合には贈与税の申告手続きが必要になります。

知らないと損する贈与税の節税方法について、この記事で解説します。

目次

1.生前贈与とは
2.暦年課税制度は110万円の非課税枠が利用できる
3.暦年課税は累進課税方式で最高税率は55%
4.生前贈与の土地は贈与税のための評価額を算出する
5.生前贈与住宅資金の非課税制度について
6.生前贈与で孫が適用できる特例制度について
7.生前贈与の手続きについて

生前贈与とは

一般的に言われる「贈与」は、全て生前贈与に該当します。 贈与自体は法律行為であり、大きく分けると「生前贈与」と「死因贈与」の2種類の贈与に分類できます。2種類の違いは、対象となる税金の種類が違うことです。

贈与は無償で財産をもらう行為

贈与については、民法で定められています。民法では、財産を無償でもらった場合を贈与と定義します。

【民法(贈与)第五百四十九条】
“贈与は、当事者の一方が自己の財産を無償で相手方に与える意思を表示し、相手方が受諾をすることによって、その効力を生ずる。”

ポイントは、贈与者(財産をあげる人)と、受贈者(財産をもらう人)の両方が合意して贈与行為をする点です。孫に100万円を渡そうとしても、孫が100万円を受け取る意識が無ければ贈与は成立しません。

また、土地を渡す見返りに現金をもらうと、無償ではなく有償(対価がある)ので、贈与に該当しません。

生前贈与は贈与者と受贈者が生きている時に成立する贈与

生前贈与とは、贈与者と受贈者が生きている時点で贈与が成立することをいいます。

生前贈与は、贈与税の対象です。贈与税の申告をするのは受贈者で、受贈者がもらった贈与財産の合計金額に基づき、贈与税を支払うことになります。

死因贈与は贈与者が亡くなった時点で成立する贈与

死因贈与は、贈与者が亡くなった時点で成立する贈与です。

【民法(死因贈与)第五百五十四条】
“贈与者の死亡によって効力を生ずる贈与については、その性質に反しない限り、遺贈に関する規定を準用する。”

生前贈与は、贈与者、受贈者ともに生きている時に成立しますが、死因贈与が成立するタイミングは、贈与者が死亡した時です。

死因贈与と似た制度では、遺言による遺贈があります。遺言の場合は、贈与者の意思のみで成立します。一方、死因贈与は贈与者・受贈者が贈与に同意しないと成立しません。

なお、死因贈与で財産の贈与を受けた場合、相続税の対象となります。

相続税は、亡くなった人(被相続人)の全ての財産を合計して相続税額を計算します。死因贈与でもらった財産だけで相続税は計算できませんので、注意が必要です。

年間110万円までの生前贈与は非課税対象

生前贈与でもらった財産は、贈与税の対象となりますが、贈与税には基礎控除額があり、1年間で110万円以内の贈与であれば非課税です。

お年玉など、110万円の非課税範囲内であれば、贈与税の確定申告は不要です。

贈与税の対象期間は1月1日から12月31日まで

贈与税は、1月1日から12月31日までにもらった、贈与財産の金額を合計し判断します。贈与税の基礎控除額の110万円は、毎年利用することができます。

例えば、令和元年12月31日に100万円、令和2年1月1日に100万円の贈与を受けても、各年分(令和元年、2年)の基礎控除額を適用するので、贈与税は非課税です。

贈与税はもらった贈与財産の合計金額で計算する

贈与税は、受贈者の年間受贈金額の合計で計算します。

両親から各100万円の贈与を受けた場合、もらった財産の合計は200万円となり、基礎控除額110万円を超えるので、贈与税を支払うことになります。

一方、3人の孫に100万円を贈与した場合には、孫一人あたり100万円の贈与なので、基礎控除額が110万円以内に収まるので、非課税です。

生前贈与の税率は受贈者の親族関係や年齢によって異なる

贈与税には、贈与を受ける人の親族関係や年齢等によって適用する税率が異なります。子や孫に贈与する場合には、軽減税率が適用されます

生前贈与とは?孫に贈与したい時の非課税について

暦年課税制度は110万円の 非課税枠が利用できる

一般的な贈与は、暦年課税制度が適用できます。
暦年課税制度とは、贈与税の基礎控除額110万円が利用できる制度です。 暦年課税は誰もが対象となる制度で、暦年課税の申請をする必要はありません。

暦年課税は累進課税方式で最高税率は55%

暦年課税の税率計算は、累進課税となります。
累進課税制度とは、課税価格が増えると税率も上がる仕組みです。暦年課税では、基礎控除額110万円を差し引いた後の金額で、税率が決定します。最低税率は10%で、最高税率は55%です。


(表)一般贈与財産の税率速算表

基礎控除後の課税価額 税率 控除額
200万円以下 10% -
300万円以下 15% 10万円
400万円以下 20% 25万円
600万円以下 30% 65万円
1,000万円以下 40% 125万円
1,500万円以下 45% 175万円
3,000万円以下 50% 250万円
3,000万円超 55% 400万円
300万円以下 15% 10万円

子や孫に贈与する場合には贈与税率が軽減される

子や孫に贈与する場合、贈与税の税率が軽減されます。 贈与税の軽減税率を適用するためには条件があります。

直系卑属とは、実子や実孫などの血縁関係のある人です。 配偶者や、兄弟、孫の配偶者などは直系卑属に該当しません。 (養子縁組をしている場合を除く)


(表)特例贈与財産の税率の速算表

基礎控除後の課税価額 税率 控除額
200万円以下 10% -
400万円以下 15% 10万円
600万円以下 20% 30万円
1,000万円以下 30% 90万円
1,500万円以下 40% 190万円
3,000万円以下 45% 265万円
4,500万円以下 50% 415万円
4,500万円超 55% 640万円

生前贈与の土地は贈与税のための評価額を算出する

生前贈与で土地を贈与する場合には、土地の評価額を算出する必要があります。 土地の評価額を算出する方法としては3種類存在します。

・路線価方式(原則)
・倍率方式(路線価図が無い地域)
・時価方式(例外)

路線価方式は国税庁が公表する相続・贈与税の専用の価格

路線価方式とは、国税庁が公表している路線価図の金額を用いて計算をする方法です。 路線価図は、相続税・贈与税専用の評価額で、毎年7月1日に国税庁のホームページ上で公開されます。

路線価の評価額は毎年変動し、贈与税を計算する場合には、贈与をした年分の路線価図に基づき計算する必要があります。

路線価図は1㎡千円単位で表示されている

路線価図は公道に評価額が設定されており、1㎡あたり千円で表記されています。 複数の公道に接している土地の場合には、路線価額が最も高い路線価を使用することになります。

路線価図の価格に土地の面積を乗じた金額が、贈与税の評価額です。


■路線価図の例
路線価額 120D
土地面積 100㎡
120D⇛1㎡120,000円
(Dは借地権割合です。貸付用の土地などの場合に使用します。)
120,000円×100㎡=12,000,000円(土地評価額)

土地の形状によって贈与税の評価額は変動する

贈与税の土地評価額は、土地の形状などでも変動しますが、評価額が上がるケースはほとんどありません。 多くの場合が、土地の価値を下げるための計算になります。

<評価額が上がる土地の形状等>
・土地が複数の道路に接している場合

<評価額が下がる土地の形状等>
・土地が変形している
・土地が道路に接している幅が狭い
・アパートとして貸し付けている

長方形や正方形の土地の場合には、細かな計算は不要です。 また、1方向のみの道路にしか接していない場合には、「路線価格×面積」が上限の評価額です。

路線価が設定されていない地域は倍率方式で計算する

路線価は、全国すべての公道に設定されているわけではありません。 路線価が設定されていない地域の土地を贈与する場合には、倍率方式で土地の評価額を算出します。

倍率方式とは、固定資産税評価額に国税庁が設定した倍率を乗じる計算方法です。 固定資産税評価額とは、土地を管理する市区町村が算出した評価額で、3年に1度評価替えをします。

また国税庁が設定する倍率は、路線価図と同様、毎年7月1日に国税庁ホームページで公表されます。

倍率は、地域や土地の用途によってことなり、宅地の場合には0.8~1.6倍の倍率を固定資産税評価額に乗じます。 ※倍率は年分によって変動します。


■倍率方式の計算例
宅地の固定資産税評価額・・・1,000万円
宅地の倍率・・・1.1倍
1,000万円×1.1倍=1,100万円(土地評価額)

難しい土地の「時価」評価は、専門家に依頼して算出

土地の贈与の場合、路線価方式又は倍率方式を使用して計算をします。 しかし、法律上の計算方法は「時価」となっているため、路線価図の金額が実際の価格と開きがある場合には、時価を算出して贈与税評価額とすることも可能です。

【相続税法(評価の原則)】
“第二十二条 この章で特別の定めのあるものを除くほか、相続、遺贈又は贈与により取得した財産の価額は、当該財産の取得の時における時価により、当該財産の価額から控除すべき債務の金額は、その時の現況による。”

時価を一般の人が算出するのは困難なので、専門家に依頼することになります。 土地評価の専門家としては不動産鑑定士がおり、また相続の土地評価については税理士が専門になります。専門家に依頼することで、路線価によらない土地評価額を算出することも可能です。

生前贈与住宅資金の非課税制度について

子や孫が住宅を購入する際の贈与税の非課税制度があります。 住宅取得等資金の贈与の特例で、平成27年1月1日から平成33年(2021年)12月31日までの期間限定で、最大3,000万円までの贈与が非課税となります。

住宅取得等資金の非課税制度の適用条件

住宅取得等資金の非課税制度は、子や孫に対しての贈与が対象です。

<住宅取得等資金の非課税適用条件の代表的なもの>
・受贈者の年齢が20歳以上
・受贈者が贈与者の直系卑属(子、孫など)
・受贈者の年間所得2,000万円以下
・はじめて住宅取得等資金の特例を適用する
・住宅は第三者から購入(建築)
・贈与を受けた翌年3月15日までに住宅の引き渡しを受ける
・家屋の床面積が50㎡以上240㎡以下
・居住用として利用する面積が半分以上あること
・贈与を受けた時点で日本に住んでいる
・日本国籍(※)
・新築、木造なら築20以内、鉄筋コンクリートなら築25年以内の物件
(耐震工事をしている場合には、建築年数は関係ない)
・贈与を受けた翌年12月31日までに居住開始
※詳細は国税庁ホームページをご覧ください。

省エネ住宅は非課税枠が500万円上乗せされる

孫が購入する住宅が、省エネ住宅に該当する場合には、住宅非課税の控除限度額が500万円上乗せされます。

省エネ住宅とは、指定された建築条件を満たした住宅で、省エネ住宅に該当する場合には施工業者から以下のいずれかの書類が発行されます。

<省エネ住宅の証明書一覧>
①住宅性能証明書
②建設住宅性能評価書の写し
③長期優良住宅建築等計画の認定通知書の写し
③住宅用家屋証明書(その写し)又は認定長期優良住宅建築証明書
④低炭素建築物新築等計画の認定通知書の写し
④住宅用家屋証明書(その写し)又は認定低炭素住宅建築証明書
※数字が重複している書類は、特例適用する際に両方必要となります。

非課税控除額は年分と消費税率等によって上限が異なる

住宅取得資金は、年分と消費税率等によって非課税の上限額が異なります。 今後、消費税が10%に引き上がった場合、住宅非課税の限度額は大幅に増加します。 非課税限度枠の判定は「対象物件を契約した日」です。 消費税率が8%の時に契約した場合には、8%時点の非課税限度額が対象となります。


(表)消費税が8%の場合の控除額

住宅用家屋の新築等に係る契約の締結日 省エネ等住宅 左記以外の住宅
~平成27年12月31日 1,500万円 1,000万円
平成28年1月1日~令和2年(2020年)3月31日 1,200万円 700万円
令和2年(2020年)4月1日~令和3年(2021年)3月31日 1,000万円 1,000万円
令和3年(2021年)4月1日~令和3年(2021年)12月31日 800万円 300万円

(表)消費税が10%の場合の控除額

住宅用家屋の新築等に係る契約の締結日 省エネ等住宅 左記以外の住宅
令和元年(2019年)4月1日~令和2年(2020年)3月31日 3,000万円 2,500万円
令和2年(2020年)4月1日~令和3年(2021年)3月31日 1,500万円 1,000万円
令和3年(2021年)4月1日~令和3年(2021年)12月31日 1,200万円 700万円

生前贈与で孫が適用できる特例制度について

生前贈与で孫が適用できる特例制度について

■孫が適用できる特例制度
・住宅取得資金等の特別控除
・相続時精算課税制度
・教育資金の一括贈与に係る贈与税非課税
・結婚・子育て資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税制度

相続時精算課税制度は2,500万円の特別控除が利用できる

相続時精算課税制度は、最大2,500万円までが控除される特例です。

暦年課税制度は、110万円の基礎控除額を超えると贈与税が発生しますが、相続時精算課税を利用すれば、確定申告で適用申請をすることで2,500万円以内の贈与は非課税です。

相続時精算課税を適用すると、基礎控除額110万円を使用できなくなります。 また、相続時精算課税は、一度適用すると暦年課税に戻すことはできません。

相続時精算課税制度を利用する場合には条件があります。

年齢は贈与をした年の1月1日時点の年齢です。 贈与した時点で60歳以上でも、その年の1月1日時点で60歳でなければ特例条件を満たさないので注意してください。

相続時精算課税の税率は一律20%

相続時精算課税の税率は、一律20%です。

2,500万円の特別控除額を超えた部分に、一律で20%の税金を納めることになります。 また、2500万円の控除額は生涯での控除額です。

1年目に1,000万円の特別控除額を利用した場合、残額1,500万円を翌年以後に繰り越すことになります。

相続時精算課税は相続時点で再計算する

相続時精算課税は、贈与者が死亡した時に相続税として再計算します。 2,500万円までは贈与税は非課税です。

しかし、贈与者が亡くなった場合、贈与者の相続財産と相続時精算課税制度で贈与を受けた金額を合算し、相続税を計算します。

教育資金の一括贈与に係る贈与税非課税

教育資金の一括贈与に係る贈与税非課税

教育資金の一括贈与に係る贈与税非課税とは、平成25年4月1日から令和3年(2021年)3月31日までの贈与であれば、最大1,500万円まで非課税になる制度です。

通常の贈与税の申告は、税務署で手続きをします。

しかし、教育資金の一括贈与に係る贈与税非課税を適用する場合には、金融機関に非課税申告書を提出することになります。

■教育資金の一括贈与に係る贈与税非課税の適用条件
教育資金の贈与特例は、受贈者の年齢と贈与財産の用途が条件です。 教育費以外の目的で使用した贈与財産については、非課税対象外となります。

結婚・子育て資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税制度

結婚・子育て資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税制度とは、平成27年4月1日から令和3年(2021年)3月31日までの贈与であれば、最大1,000万円まで非課税となる制度です。

教育資金の特例同様、特例適用する場合には金融機関に申告書を提出することになります。

■結婚・子育て資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税制度の適用条件
結婚・子育ての贈与特例にも、年齢・贈与財産の用途が指定されています。

生前贈与の手続きについて

贈与税の申告する場所は、申告する時点で受贈者が住んでいる場所を管轄する税務署です。 申告できる期間は指定されており、贈与を受けてすぐに税務署に申告することはできません。

※教育資金・結婚・子育て資金の特例は贈与時点で金融機関を通じて申告をします。 参照:国税庁 税務署の所在地などを知りたい方

贈与税の確定申告は翌年2月1日から3月15日まで

贈与税の確定申告は、贈与を受けた翌年2月1日から3月15日までです。

所得税の確定申告期間は2月16日から3月15日までですので、贈与税の申告は所得税よりも半月早く確定申告書の提出ができます。

贈与税の基礎控除額以内の贈与なら確定申告は不要

贈与税の基礎控除額以内の贈与金額であれば、確定申告をする必要はありません。

贈与税の申告義務が生じるのは、特例適用と贈与税が発生する場合です。 贈与税の基礎控除額110万円以内であれば、毎年100万円の贈与を受けていても申告不要です。

贈与税の特例を適用する場合には申告が必須

贈与税の特例を適用する場合、確定申告は必須です。

住宅取得資金の贈与など、特例適用をして贈与税が発生しない場合はあります。

しかし、贈与税の特例は確定申告で特例適用の意思表示をして、初めて適用となります。 特例条件を満たしていても、申告期限を1日でも過ぎた場合には特例適用はできません。 特例適用ができない場合の控除額は、110万円の基礎控除額のみとなります。

贈与税の特例制度は常に最新の情報を確認すること

記事は、執筆日時点の法令等に基づき解説しております。 執筆後に法令の改正等があった場合、記事の内容が古くなってしまう場合があります。 贈与税の特例の多くは、期限付きの特例です。

特例適用期間が延長される場合もありますが、延長される際に非課税限度額や適用条件が変更になることが多いです。

法的手続等を行う際は、弁護士、税理士その他の専門家に最新の法令等について確認することをお勧めします。

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