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ーコラムー
相続税の基本

特別縁故者として相続をするには?申立の方法を解説

公開日:2018.8.27 更新日:2019.07.17

相続事案では時に「特別縁故者(とくべつえんこしゃ)」が登場することがあります。

聞きなれない言葉ですが、被相続人と特別に濃い繋がりを持つ人のことを言います。

あまり多くはありませんが、ケースによっては特別縁故者が相続財産を手にすることがあります。今回は相続における特別縁故者について解説します。

目次
1.特別縁故者とは?
2.特別縁故者になれる人(法人含む)とは?
3.特別縁故者になるにはどうすればいい?
  3.1.相続財産管理人の選任の申立て
  3.2.債権者等への公告
  3.3.相続人の捜索
  3.4.特別縁故者の申立て
4.特別縁故者にかかる留意点
  4.1.相続税と各種控除
  4.2.相続税の二割加算
5.まとめ

特別縁故者とは?

特別縁故者とは?

特別縁故者とは、相続人以外の人で、しかし被相続人と特に強い繋がりを持つ人が、相続財産を貰い受けるために家庭裁判所に設定してもらう「地位」のようなものです。

我が国の相続のルール上、被相続人に相続人がいない時は最終的に遺産は国庫に入ることになりますが、その前に被相続人と特別に関係が深かった特別縁故者が遺産を手にすることができるような仕組みになっているのです。

特別縁故者は個人に限定されないので、法人でも次項で述べる要件を満たせばなることができます

特別縁故者になれる人(法人含む)とは?

民法上、特別縁故者になれるのは以下の3つのどれかに該当する者です。

  • 被相続人と生計を一つにしていた者
  • 被相続人の療養看護に努めた者
  • その他、上記2ケースに準じるような特別な縁故があった者

実際には次回の記事で述べるように家庭裁判所が個別のケースで特別縁故者として認めるかどうか、具体的に判断することになりますが、例えば個人であれば内縁の妻などが上記に該当する可能性が出てくるでしょう。

法人であれば、例えば被相続人が多額の私財を投じて経営してきた学校法人が特別縁故者と認められた事例があります。

その他でもケースを個々に見て、その法人に遺産を取得させることが被相続人の遺志であることが認められる場合、家庭裁判所が特別縁故者として認める可能性が出てきます。

ただし、特別縁故者が問題になるのは被相続人に相続人が一人もいないケースだけです 相続人不存在となるのは最初から相続人がいないケースだけでなく、死亡、相続放棄などで相続人がいなくなったケースも該当します。

そのようにして相続人が不存在となった場合のみ、特別縁故者が認められる可能性が出てくるということです。


相続人以外の人で、しかし被相続人と特に強い繋がりを持つ人が、相続財産を貰い受けるために然るべき手続きを家庭裁判所で行い認めてもらった人(個人・法人)のことを、「特別縁故者」と言います。

こちらでは特別縁故者として認めてもらうための具体的な手続きの流れと、留意点を確認していきましょう。

特別縁故者になるにはどうすればいい?

特別縁故者になるにはどうすればいい?

特別縁故者になるには手続きを踏まなければなりません。

相続人がいないと思われるケースでも、本当にいないかどうか確認が必要ですし、また負債がある場合は債権者への支払いも必要です。

これらの処理を行うため、家庭裁判所での手続きが必要になってくるのです。

特別縁故者として認めてもらうまでには、以下のような流れで手続きが必要になります。

①相続財産管理人の選任の申立て

まずは被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所に、相続財産管理人の選任の申立てを行います。 相続財産管理人が選任されると官報で公告がなされます。

②債権者等への公告

債権者等に債権がある場合は届け出てもらい、債権が確認されれば相続財産管理人は当該者に支払いを行います。

③相続人の捜索

相続人が本当にいないことを確定させるため、6か月以上の期間を定めて相続人捜索の公告を行います。 公告期間満了までに相続人が現れない場合、相続人の不存在が確定します。

④特別縁故者の申立て

相続人不存在が確定してから3か月以内に、特別縁故者の申立てを行います。

3か月の期間を逃すと申立てができなくなるので注意してください。

申立てが認められなければ特別縁故者になることはできませんし、申立てが認められても被相続人が残した遺産の全てが無条件で手に入るわけではなく、被相続人と特別縁故者の繋がりの深さや諸事情などを考慮して、裁判所が特別縁故者に対する財産分与の額を決定します。

特別縁故者にかかる留意点

特別縁故者は相続人がいない場合に被相続人の遺産の全部または一部を手にすることができますが、留意すべき点もあります。

①相続税と各種控除

まず、受け取った遺産は相続税の課税対象になります。

相続税には「3000万円+600万円×法定相続人の数」という基礎控除枠がありますが、法定相続人がいないため3000万円までしか基礎控除がないことになります。

また特別縁故者は配偶者ではないので、相続財産の二分の一もしくは1億6000万円までは相続税がかからない配偶者控除は利用できません

未成年者控除、障害者控除、相次相続控除なども相続人でなければ利用できないので特別縁故者は利用できないことになります。

②相続税の二割加算

加えて、特別縁故者は相続税の二割加算の対象になります。

二割加算のルールは、被相続人の一親等の血族と配偶者以外の者について、その者の相続税額に二割が加算されてしまうというものです。

このように、被相続人と関係や血縁が深い者に用意されている控除等のルールは特別縁故者が利用できないものが多くなります。

まとめ

今回は相続人以外でも被相続人の遺産を手にする可能性のある「特別縁故者」について見てきました。

特別縁故者は相続人が一人もいないケースでのみ、家庭裁判所に申し立てることで認められる可能性があるものです。

手続き面ではまず相続財産管理人の選任が必要など時間がかかってしまうことや、相続人が利用できる控除施策などが利用できないなど、相続税の面では一定のデメリットがあることは覚えておきましょう。

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