相続税の申告手続き

相続税申告の完全ガイド|期限・必要書類・流れと申告が必要な人【2026年・税理士監修】

監修

中村亨

日本クレアス税理士法人 代表 税理士 公認会計士

相続税申告とは、亡くなった人(被相続人)から相続した財産が基礎控除額「3,000万円+600万円×法定相続人の数」を超えたときに、相続した人が税務署へ行う申告です。期限は亡くなったことを知った日の翌日から10か月以内で、提出先は被相続人の住所地を所轄する税務署です。

国税庁の統計では、令和6年に亡くなった方のうち相続税の課税対象になったのは10.4%(約10人に1人)でした。相続税がかからない場合は申告も原則不要ですが、配偶者の税額軽減や小規模宅地等の特例を使って税額をゼロにする場合は申告が必要です。

相続税申告の要点(2026年9月時点)
項目内容
申告が必要な人相続・遺贈で財産を取得し、遺産総額が基礎控除額を超える場合の、財産を取得した人
申告期限被相続人が亡くなったことを知った日の翌日から10か月以内(土日祝は翌日)
提出先被相続人の住所地を所轄する税務署(相続人の住所地ではない)
提出方法e-Tax/郵送/税務署へ持参(時間外収受箱も可)
納付期限申告期限と同じ日(遅れると延滞税)
主な必要書類マイナンバー・本人確認書類、戸籍謄本(または法定相続情報一覧図)、遺言書または遺産分割協議書の写し、財産・債務の資料

この記事では、相続税申告が必要かどうかの判定から、10か月のスケジュール、必要書類のチェックリスト、申告書の種類、期限に遅れた場合のペナルティ、自分で申告するか税理士に依頼するかの判断まで、相続税申告の全体像を順番に解説します。

1. 相続税申告とは|誰が・いつまでに・どこへ提出するか

相続税申告は、相続した財産の額と相続税額を計算し、申告書にまとめて税務署へ提出する手続きです。所得税の確定申告とは別の手続きで、申告書の提出と納税の期限は同じ日です。

1-1. 申告するのは「財産を取得した人」

申告書を提出するのは、相続や遺贈(遺言による贈与)で財産を取得した人です。同じ被相続人から財産を取得した人は、1通の申告書に連名で共同して提出できます。相続人どうしで意見が合わない場合などは、それぞれが別々に提出することもできます。

1-2. 申告期限は「亡くなったことを知った日の翌日から10か月以内」

たとえば1月6日に亡くなった場合、申告期限はその年の11月6日です。期限の日が土曜日・日曜日・祝日にあたるときは、その翌日が期限になります。四十九日や遺産分割の話し合いをしているとあっという間に過ぎるため、死亡から3か月以内に財産の全体像をつかむのが目安です。申告と納税の期限の詳細は相続税はいつ払う?申告・納税期限の解説でも説明しています。

1-3. 提出先は「被相続人の住所地」の税務署

提出先は、亡くなった人の住所地を所轄する税務署です。相続人が遠方に住んでいても、相続人の住所地の税務署ではありません。郵送で提出する場合は、通信日付印の日付が提出日とみなされます。

1-4. e-Taxでも申告できる

相続税申告はe-Tax(電子申告)でも提出できます。令和6年度の相続税申告のe-Tax利用率は50.3%で、前年度から13.2ポイント上昇しました。ただし、申告の内容によってはe-Taxを利用できない場合があり、その場合は書面で提出します。参考:国税庁 B1-2 相続税の申告手続/国税庁 令和6年分 相続税の申告事績の概要

2. 相続税申告が必要な人・不要な人の判定

相続税申告が必要かどうかは、「正味の遺産額」が基礎控除額を超えるかどうかで決まります。基礎控除額の範囲内であれば、相続税はかからず、申告も原則として不要です。

2-1. 基礎控除額は「3,000万円+600万円×法定相続人の数」

法定相続人の数基礎控除額例
1人3,600万円子1人のみ
2人4,200万円配偶者+子1人、子2人
3人4,800万円配偶者+子2人
4人5,400万円配偶者+子3人
5人6,000万円配偶者+子4人

法定相続人の数え方(相続放棄した人・養子の扱いなど)は相続税の基礎控除の解説を、誰が法定相続人になるかは法定相続人の範囲・順位の早見表をご覧ください。遺産額ごとの税額は遺産100万〜20億円の相続税早見表ですぐに確認できます。

2-2. 申告が必要かを判定する5つのステップ

  1. 法定相続人を確定する:戸籍謄本で相続人の人数を確認し、基礎控除額を計算します。
  2. 財産をすべて洗い出す:預貯金・不動産・有価証券のほか、死亡保険金・死亡退職金(非課税枠を超える部分)も含めます。
  3. 差し引けるものを引く:借入金などの債務と葬式費用を差し引きます(債務控除・葬儀費用の控除)。
  4. 生前贈与を加える:相続開始前の一定期間(令和6年1月1日以後の贈与から段階的に7年へ延長)の暦年贈与と、相続時精算課税で贈与を受けた財産を加えます。
  5. 基礎控除額と比べる:正味の遺産額が基礎控除額を超えていれば申告が必要です。

2-3. 相続税が0円でも申告が必要なケース

次の特例は、申告書を提出することが適用の条件です。特例を使えば税額がゼロになる場合でも、申告しなければ特例は使えず、相続税がかかってしまいます。

特例内容申告
配偶者の税額軽減配偶者が取得した財産が1億6,000万円または法定相続分相当額のいずれか多い金額までなら相続税がかからない必要
小規模宅地等の特例自宅や事業用の土地の評価額を最大80%減額できる必要
農地等の納税猶予農業を続ける相続人が取得した農地等の相続税の納税を猶予必要

参考:国税庁 No.4158 配偶者の税額軽減。申告が不要になるケースの詳細は相続税はいくらまで無税?申告不要な場合で解説しています。

3. 相続税申告の流れ|10か月のスケジュール

相続税申告は、亡くなった直後から10か月の間に、相続人の確定、財産の調査・評価、遺産分割、申告書の作成・提出、納税までを終える必要があります。途中に3か月(相続放棄)と4か月(準確定申告)の期限もあるため、全体のスケジュールを先に押さえておくことが大切です。

時期(死亡日から)主な手続き関連する解説
7日以内死亡届の提出親が亡くなったらやること一覧
〜3か月遺言書の確認、相続人の確定、財産・債務の調査、相続放棄・限定承認の判断相続放棄の手続き
〜4か月被相続人の所得税の準確定申告準確定申告とは
〜8か月目安財産の評価、遺産分割協議、遺産分割協議書の作成遺産が未分割の場合の申告
〜10か月相続税申告書の作成・提出、相続税の納付申告・納税期限

ステップ1:遺言書の有無を確認し、相続人を確定する

最初に遺言書があるかを確認します。自筆の遺言書は家庭裁判所の検認が必要な場合があります(法務局で保管していたものは不要)。あわせて、被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本を集めて相続人を確定します。令和6年3月からは、本籍地以外の市区町村の窓口でも戸籍をまとめて請求できる「戸籍の広域交付」が始まっています。取り寄せ方は相続手続きに必要な戸籍謄本で解説しています。

ステップ2:財産と債務をすべて洗い出す

預貯金、不動産、有価証券、生命保険金、貸付金、貴金属などのプラスの財産と、借入金・未払いの税金などのマイナスの財産をすべて調べます。預貯金は金融機関で死亡日時点の残高証明書を取得します(残高証明書の取り方)。借金の方が多い場合は、3か月以内に相続放棄を検討します。

ステップ3:財産を評価し、相続税がかかるかを判定する

土地は路線価方式または倍率方式、建物は固定資産税評価額、上場株式は死亡日の終値などをもとに評価します。評価額の合計から債務・葬式費用を差し引き、生前贈与を加えた金額が基礎控除額を超えるかを判定します。土地の評価は専門知識が必要で、評価のしかたで税額が大きく変わる部分です。

ステップ4:遺産分割協議をまとめる

遺言書がない場合は、相続人全員で遺産の分け方を話し合い、合意した内容を遺産分割協議書にまとめて全員が実印を押します。配偶者の税額軽減や小規模宅地等の特例は、原則として申告期限までに分割が決まっていないと使えないため、分割協議は申告期限の2か月前までに終えるのが理想です。

ステップ5:必要書類を集める

申告書に添付する書類を集めます。具体的な書類は次の「4. 必要書類チェックリスト」で確認できます。

ステップ6:相続税申告書を作成する

財産の明細書(第11表)などを先に作り、最後に申告書の第1表・第2表で税額を計算するのが一般的な順番です。作成が必要な表と様式は相続税申告書の様式一覧で解説しています。

ステップ7:申告書を提出し、相続税を納付する

申告書を被相続人の住所地の税務署へ提出し、同じ期限までに相続税を納付します。納付方法は「6. 相続税の納付方法」で紹介します。

4. 相続税申告の必要書類チェックリスト

相続税申告の必要書類は、①すべての人に必要な書類、②特例を使う場合に必要な書類、③財産・債務の内容を示す資料の3つに分かれます。国税庁の「相続税の申告の際に提出していただく主な書類」(令和8年7月版)をもとに整理しました。

4-1. すべての場合に必要な書類

書類内容・取得先
マイナンバー確認書類マイナンバーカード(裏面)、通知カード、マイナンバーが記載された住民票の写しのいずれか(申告する人全員分)
身元確認書類マイナンバーカード(表面)、運転免許証、パスポート、公的医療保険の資格確認書など
相続人を明らかにする書類被相続人のすべての相続人を明らかにする戸籍の謄本、または図形式の法定相続情報一覧図の写し(法定相続情報証明制度)
遺言書の写し または 遺産分割協議書の写し遺言書がある場合は遺言書、ない場合は相続人全員で作成した遺産分割協議書

4-2. 特例などを使う場合に追加で必要な書類

ケース追加で必要な書類
配偶者の税額軽減を使う相続人全員の印鑑証明書(遺産分割協議書に押印したもの)。期限までに分割できない場合は「申告期限後3年以内の分割見込書」
小規模宅地等の特例を使う上記に加え、宅地の区分に応じた書類(例:被相続人の戸籍の附票の写し、老人ホーム入居時の契約書の写し など)
相続時精算課税の適用を受けた人がいる被相続人の戸籍の附票の写し(相続開始の日以後に作成されたもの)
延納・物納を申請する延納申請書・物納申請書、金銭納付を困難とする理由書、担保に関する書類など

4-3. 財産・債務の資料

財産・債務主な資料取得先
預貯金死亡日時点の残高証明書、過去5〜7年分程度の通帳・取引履歴各金融機関
土地・建物登記事項証明書、固定資産税評価証明書(または名寄帳)、公図・地積測量図、路線価図法務局、市区町村、国税庁HP
上場株式・投資信託死亡日時点の残高証明書、取引残高報告書証券会社・信託銀行
生命保険金・死亡退職金保険金支払通知書、退職手当金の支払調書など保険会社、勤務先
生前贈与贈与税の申告書の控え、贈与契約書、通帳手元の資料、税務署
借入金などの債務借入残高証明書、未払いの税金・医療費の請求書金融機関、市区町村、病院
葬式費用葬儀社の領収書・請求書、お布施などのメモ葬儀社、手元の記録

不動産の登記事項証明書は、申告書に不動産番号などを記載すれば添付を省略できる場合があります。相続のパターン別(配偶者がいる・いない、遺言がある・ないなど)の必要書類は相続税の申告手続きにおける必要書類一覧でさらにくわしく整理しています。

5. 相続税申告書の種類と入手方法

相続税の申告書は第1表から第15表まであり、財産の内容や使う特例に応じて必要な表を作成します。すべての表を作る必要はありません。

主な申告書記載する内容作成が必要なケース
第1表相続税の申告書(課税価格・納付税額など)全員
第2表相続税の総額の計算書全員
第5表配偶者の税額軽減額の計算書配偶者の税額軽減を使う場合
第11表相続税がかかる財産の明細書全員
第11・11の2表の付表1小規模宅地等についての課税価格の計算明細書小規模宅地等の特例を使う場合
第13表債務及び葬式費用の明細書債務・葬式費用を差し引く場合
第15表相続財産の種類別価額表全員

申告書の用紙は、国税庁ホームページからダウンロードするか、税務署の窓口で受け取れます。国税庁の「相続税の申告のしかた(令和8年分用)」に記載例が載っています。様式の一覧は相続税申告書の様式一覧で解説しています。

6. 相続税の納付方法と延納・物納

相続税は、申告期限と同じ日までに納付します。申告書を期限内に提出しても、納付が遅れると延滞税がかかります。

納付方法ポイント
金融機関・税務署の窓口(現金)納付書を使って納付。金額の上限なし
ダイレクト納付(e-Tax)事前に届出をした預貯金口座から引き落とし
インターネットバンキング・ATMペイジー(Pay-easy)対応の金融機関で利用可能
クレジットカード決済手数料がかかる。納付額1,000万円未満の場合

一括で現金納付するのが難しい場合は、申告期限までに申請すれば、分割で納める延納や、不動産などの財産で納める物納が認められることがあります。条件は相続税の延納の条件・物納の条件をご覧ください。参考:国税庁 No.4205 相続税の申告と納税

7. 申告期限に遅れた・間違えた場合のペナルティ

期限までに申告しなかったり、実際より少ない金額で申告したりすると、本来の相続税に加えて加算税と延滞税がかかります。令和6年1月1日以後に申告期限が来るものから、無申告加算税の税率が引き上げられています。

7-1. 無申告加算税(期限までに申告しなかった場合)

申告したタイミング50万円以下の部分50万円超〜300万円以下の部分300万円超の部分
税務調査の通知前に自主的に申告5%5%5%
調査の通知後〜調査前に申告10%15%25%
調査を受けた後に申告15%20%30%

法定申告期限から1か月以内に自主的に申告し、期限内に全額を納付しているなど一定の要件を満たす場合は、無申告加算税はかかりません。

7-2. 過少申告加算税(申告額が少なかった場合)

修正申告したタイミング税率
税務調査の通知前に自主的に修正かからない
調査の通知後〜調査前に修正5%(当初の申告税額と50万円のいずれか多い金額を超える部分は10%)
調査を受けた後に修正10%(同じく超える部分は15%)

財産を意図的に隠したり事実を仮装したりした場合は、さらに重い重加算税(過少申告の場合35%、無申告の場合40%)が課されます。

7-3. 延滞税(納付が遅れた場合)

期間(令和8年1月1日〜12月31日)延滞税の割合
納期限の翌日から2か月を経過する日まで年2.8%
納期限の翌日から2か月を経過した日以後年9.1%

参考:国税庁 No.9205 延滞税について。期限後申告になった場合のデメリットは相続税の期限後申告のデメリットで解説しています。

7-4. 遺産分割がまとまらないときは「未分割」で期限内に申告する

申告期限までに遺産分割がまとまらなくても、申告期限は延びません。この場合は、法定相続分で財産を取得したものとして期限内に申告し、「申告期限後3年以内の分割見込書」を添付しておきます。3年以内に分割が決まれば、配偶者の税額軽減や小規模宅地等の特例を使って、分割が決まった日の翌日から4か月以内に更正の請求ができます。くわしくは遺産が未分割でも相続税申告は必要をご覧ください。

7-5. 申告後に誤りに気づいたら

税額が少なすぎた場合は修正申告、多すぎた場合は更正の請求(原則として申告期限から5年以内)で訂正します。税務調査の通知前に自主的に修正すれば、過少申告加算税はかかりません。手続きは相続税の修正申告とはで解説しています。

8. 相続税申告は自分でできる?税理士に依頼すべきケース

相続税申告は、相続人が自分で行うこともできます。ただし、財産の評価や特例の判断を誤ると、税金を払いすぎたり、後から税務調査で追徴されたりするおそれがあります。

8-1. 自分で申告しやすいケース

  • 財産が預貯金と上場株式などの金融資産が中心で、評価が簡単
  • 不動産がない、または自宅の土地建物のみで評価しやすい
  • 相続人が少なく、遺産分割の話し合いがすでにまとまっている
  • 申告期限まで十分な時間(目安として4か月以上)がある

8-2. 税理士に依頼した方がよいケース

  • 土地を複数持っている、形がいびつな土地や貸している土地がある(評価で税額が大きく変わる)
  • 小規模宅地等の特例を使いたい(要件の判定と添付書類が複雑)
  • 非上場株式(自社株)がある
  • 家族名義の預金がある(名義預金と判断されると相続財産に含まれる)
  • 遺産総額が1億円を超える、または相続人間の調整が必要
  • 申告期限まで3か月を切っている

税務調査の対象になりやすいケースについては相続税の税務調査に選ばれやすい家庭の特徴も参考にしてください。自分で申告する場合は、この記事の「3. 相続税申告の流れ」の7ステップに沿って進めてください。税理士が必要かどうかの判断は相続税の申告に税理士は必要かで解説しています。

8-3. 税理士報酬の目安

相続税申告の税理士報酬は、一般的に遺産総額の0.5〜1%程度が目安とされ、土地の数や相続人の人数、特例の有無などによって加算されます。税理士の選び方と報酬の相場は信頼できる税理士の選び方・相場、書類収集などにかかる実費は相続税申告にかかる費用で解説しています。日本クレアス税理士法人の料金は相続税申告・相続手続コースでご確認いただけます。

9. 相続税申告についてよくある質問

Q1. 相続税はいくらまでなら申告不要ですか?

遺産総額(債務・葬式費用を差し引き、一定の生前贈与を加えた正味の遺産額)が基礎控除額「3,000万円+600万円×法定相続人の数」以下であれば、相続税はかからず申告も原則不要です。法定相続人が1人なら3,600万円、2人なら4,200万円、3人なら4,800万円までが目安です。

Q2. 相続税の申告は必ず必要ですか?

正味の遺産額が基礎控除額以下なら不要です。ただし、配偶者の税額軽減や小規模宅地等の特例を使って相続税をゼロにする場合は、特例を受けるために申告書の提出が必要です。

Q3. 相続税の申告期限はいつまでですか?

被相続人が亡くなったことを知った日の翌日から10か月以内です。たとえば1月6日に亡くなった場合は11月6日が期限で、期限が土日祝日にあたる場合は翌日になります。納税の期限も同じ日です。

Q4. 相続税の申告書はどこに提出しますか?

亡くなった人(被相続人)の住所地を所轄する税務署に提出します。相続人の住所地の税務署ではありません。e-Tax、郵送、税務署への持参で提出できます。

Q5. 相続税の申告は相続人全員で一緒に出す必要がありますか?

同じ被相続人から財産を取得した人は1通の申告書で共同して提出できますが、必ずしも一緒に出す必要はなく、それぞれ別々に提出することもできます。

Q6. 申告期限までに遺産分割がまとまらない場合はどうすればいいですか?

法定相続分で取得したものとして期限内に申告し、「申告期限後3年以内の分割見込書」を添付します。3年以内に分割が決まれば、配偶者の税額軽減や小規模宅地等の特例を適用して更正の請求ができます。

Q7. 相続税の申告は自分でできますか?

自分で行うこともできます。財産が預貯金中心で不動産が少ない場合は比較的対応しやすいですが、土地の評価や小規模宅地等の特例の判定を誤ると税額が大きく変わるため、不動産が多い場合や特例を使う場合は税理士への依頼がおすすめです。

Q8. 相続税の申告をしないとどうなりますか?

本来の相続税に加えて無申告加算税(税務調査を受けた後の申告なら15〜30%)と延滞税がかかります。財産を意図的に隠した場合は40%の重加算税の対象になり、隠した財産には配偶者の税額軽減も適用されません。

10. まとめ|相続税申告は「判定・期限・書類」を早めに押さえる

  • 相続税申告が必要なのは、正味の遺産額が基礎控除額(3,000万円+600万円×法定相続人の数)を超える場合
  • 配偶者の税額軽減・小規模宅地等の特例を使う場合は、税額がゼロでも申告が必要
  • 期限は亡くなったことを知った日の翌日から10か月以内。提出先は被相続人の住所地の税務署
  • 必要書類は「全員必要な書類」「特例の書類」「財産・債務の資料」の3種類
  • 期限に遅れると無申告加算税(最大30%)と延滞税がかかる。遺産分割がまとまらなくても期限内に申告する

相続税がかかるかどうか迷ったら、まず相続税の早見表や相続税計算シミュレーションでおおよその税額を確認してください。不動産がある、特例を使いたい、期限が迫っているといった場合は、早めに相続税専門の税理士へご相談ください。日本クレアス税理士法人では無料相談を受け付けています。

監修

中村亨

日本クレアス税理士法人 代表
税理士
公認会計士

2002年8月に会計事務所として創業、2005年には税理士事務所を開業し、法人や個人のお客様の会計・税務の支援をする中で、「人事労務の問題を相談をしたい」「事業承継を検討している」といったお客様のニーズに応える形でサービスを拡大し続け、現在では社会保険労務士法人など複数の法人からなるグループ企業に成長してきました。お客様に必要なサービスをワンストップで提供できることが当社の強みです。

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