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ーコラムー
相続税
税理士監修記事

みなし贈与とは?贈与税が発生するケース

公開日:2017.7.18 更新日:2022.10.11

低額譲受(ていがくじょうじゅ)等にあてはまる「みなし贈与」のケースでは、本人は贈与を受取ったつもりがないのに、贈与税が課税されてしまうこともあります

特に相続対策で生前贈与を考えている場合には、思わぬ贈与税がかかって贈与税が増えてしまうことを避けなければなりません。まずはどのような場合に、思わぬ贈与税がかかってしまうのかの知識をつけたうえで、対策をとっていくことが大切です。

今回は、「みなし贈与」について詳しくみていきたいと思います。

目次

1.「みなし贈与」とは
2.みなし贈与となる具体的ケース
  (1)低額譲受(ていがくじょうじゅ)
  (2)生命保険金の受け取り
  (3)債務免除や借金を肩代わりしてもらった場合
  (4)夫婦間の贈与
3.みなし贈与で思わぬ贈与税がかからないためには

1.「みなし贈与」とは

「みなし贈与」と判断されるのはどのような時?

「贈与」とは民法上の贈与契約にあたるもののことをいいます。贈与をする人と贈与を受ける人の両方が合意して行われる贈与がこれにあたります。

これに対して「みなし贈与」は、贈与をする人と贈与を受ける人の両方の合意がなくても、実質的に贈与を受取ったのと同じような効果がある場合に、贈与があったと「みなす」されるものです。 みなし贈与と判断されると、贈与税がかかります

みなし贈与の場合には、贈与を受取っていても贈与を受けている認識がないので、贈与税を支払わなければならないという認識もされないことが多く、税務署からの指摘をうけてはじめて認識するといったケースも多いので注意が必要です。

2.みなし贈与となる具体的ケース

(1)低額譲受(ていがくじょうじゅ)

①低額譲受とは

低額譲受とは個人から資産を時価に比べて著しく低い価額で譲り受けることをいいます

個人から時価より著しく低い価額で財産を譲り受けた場合、その財産の時価と実際に支払った価額との差額は、譲渡した人から譲り受けた人に対する贈与があったものとみなされます。

たとえば、親から子へ土地を譲り渡す場合に、贈与だと贈与税がかかってしまいますので売買をしようと思い、子から親へ土地の代金を支払ったとします。

このときに、時価が3千万円の土地であるにもかかわらず、親子間の売買だから安くしようと思い売買代金を1千万円にすると、差額である2千万円は親から子への贈与だとみなされることになります。この2千万円には贈与税がかかることになります。

贈与税を免れるために低額譲受をしようとしても、みなし贈与となってしまうので贈与税がかかってしまうのです。

②低額譲受にあたるかどうかの判断基準

低額譲受かどうかを判断する場合には、土地や家屋の場合には、通常のどのくらいの価額で取引されているかが基準となり、個々の取引ごとに判断されます。

低額譲受にあたると贈与税がかかってしまいますが、低額譲受にあたるかどうかの判断に画一的な基準はないので、判断が難しいところがあります。低額譲受を行う場合には専門家である税理士に相談して行うことをおすすめします。

③低額譲受の例外

著しく安く財産を譲り受けても、譲り受けた人に借金があり返済の資力がなく借金を返済することが著しく困難であるために、その借金の返済のために扶養義務者から安く譲り受けたというときは、その借金を返済することが困難な金額部分については、法律上の考慮があり贈与とはみなされません。


みなし贈与となる具体的なケースの中で「低額譲受(ていがくじょうじゅ)」について詳しく解説いたしました。 引き続き、みなし贈与と判断されてしまう具体的なケース3つを見ていきましょう。

(2)生命保険金の受け取り

みなし贈与となる具体的ケース

保険料を支払っている人と生命保険金の受取人が違う場合、受け取った死亡保険金は相続税か贈与税がかかります。

死亡した被保険者と保険料の支払人が同じ場合には相続税がかかりますが、死亡した被保険者と保険料の支払人が違う場合には贈与税がかかります。 (関連記事:生命保険は相続対策になる!納税資金の準備や事業譲渡への活用

たとえば、夫が亡くなったときに夫が保険料を支払っていた場合、妻が生命保険金を受取とるのであればかかる税金は相続税で、死亡保険金の非課税枠もあります

夫が亡くなったときにそなえて妻が保険契約をして保険料を支払い、夫が亡くなったときに保険金を受け取るのは子である場合に贈与税がかかります。もし、保険金を受け取るのが子ではなく妻の場合には、妻に所得税がかかります。

生命保険金を受け取る場合にかかる税金の種類としては、保険契約の内容により、相続税、贈与税、所得税のどれかにあてはまるということになります。

この3つの税金の中で一般的に一番税率が高くなるのが贈与税です。保険契約の内容を見直して贈与税がかかりそうな場合には、専門家である税理士に相談して保険契約の変更について検討するとよいでしょう。

(3)債務免除や借金を肩代わりしてもらった場合

債務免除をしてもらったり借金を肩代わりしてもらった場合は、免除してもらった金額や肩代わりしてもらった金額がみなし贈与となり、贈与税がかかるのが原則です。

本来は支払わなければならない債務を免れているのでその分の利益が発生したと考えられるからです

ただし、その債務免除や肩代わりが、借金をしている人に返済の資力がなく借金の返済ができないような場合には、みなし贈与とされた部分が非課税になる場合もあります。

またお金の貸し借りが発生している場合には、通常は利息が発生します。この利息についても、利息の免除が行われていると免除金額に贈与税がかかる場合があります。

特にお金の貸し借りの金額が大きく利息も高額になり贈与税の非課税枠である年額110万円を超えるような場合には、贈与税がかかる可能性がありますので注意が必要です。

(4)夫婦間の贈与

夫婦間の贈与は、夫婦間だからという理由で贈与を意識しないで行われることが多いのですが、この場合にもみなし贈与にあたるケースがあります

よくあるケースとして、妻名義の住宅の住宅ローンを夫が支払っている場合や、離婚時の財産分与があげられます。

離婚をする場合には、慰謝料が発生したり財産分与をするケースが多いのですが、原則として慰謝料や財産分与には贈与税はかかりません

しかし、財産分与については、分与された財産が夫婦間の事情を考慮して多すぎると判断されると、その多すぎる部分に贈与税がかかります。また、贈与税や相続税を払いたくないために離婚をして財産分与をする場合には、偽装離婚となり贈与税がかかります。

3.みなし贈与で思わぬ贈与税がかからないためには

みなし贈与は、当事者の認識がないまま贈与税がかかってしまうので注意する必要があります。みなし贈与にあてはまって贈与税がかかるかどうか不安な場合には、まずは専門家である税理士に相談することをおすすめします。

また、相続対策で生前贈与を検討されている方も多いと思います。生前贈与は生前に計画的に行っていく必要がありますが、みなし贈与が発生すると計画した贈与額に上乗せされることになりますので、思わぬ贈与税がかかってしまいます。

相続対策で生前贈与を検討している場合には、みなし贈与の発生に気を付けなければなりません。このためには、税理士である専門家のアドバイスを受けながら計画的に生前贈与を行っていくとよいでしょう。

相続の相談コラム監修

日本クレアス税理士法人
執行役員 税理士 中川義敬

2007年 税理士登録(近畿税理士会)、2009年に日本クレアス税理士法人入社。東証一部上場企業から中小企業・医院の税務相談、税務申告対応、医院開業コンサルティング、組織再編コンサルティング、相続・事業承継コンサルティング、経理アウトソーシング決算早期化等に従事。事業承継・相続対策などのご相談に関しては、個々の状況に合わせた対応により「円滑な事業承継」、「争続にならない相続」のアドバイスを行う税理士として定評がある。(プロフィールページ

・執筆実績:「預貯金債券の仮払い制度」「贈与税の配偶者控除の改正」等
・セミナー実績:「クリニックの為の医院経営セミナー~クリニックの相続税・事業承継対策・承継で発生する税務のポイント」「事業承継対策セミナー~事業承継に必要な自己株式対策とは~」等多数

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